横浜逍遙亭

2010/01/13 (水)

ジョン・グリシャム著『奇跡のタッチダウン』

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赤ワインで良い気持ちになりながら、ジョン・グリシャムの小説を読んでいる。『奇跡のタッチダウン』という、なんと評したらよいかと言いたくなる野暮な邦題をつけた作品である。奥付によると2008年10月の刊行。こんな作品が発表されていたのはまったく知らなかったが、ジョン・グリシャムの作品となれば、一流の硬派エンターテイメントを期待しない訳にはいかない。それが、作品はイタリアのおんぼろリーグに渡ったプロ・フットボール選手(つまり、アメフトの)の話で、手練れの作者がイタリア旅行の印象を基に、趣味のアメフト鑑賞を混ぜて気楽な作品を作ってみましたといったモノだったのに驚いた。

いや、それなりに楽しみながら読み進めている最中なのだが、部屋の斜め上からそんな自分を眺めながら思うのは、読者ってのは、どんなぼんくらな読者であっても、作者のやる気をまっすぐに感じるものなのだなということだ。

いや、趣味の読書は常に楽しいけれど。

繰り返しになるが、原題は『Playing for Pizza』で、邦題は『奇跡のタッチダウン』、ご丁寧に「報酬はピッツァとワインで」というサブタイトル付きである。担当者が消費者は馬鹿だと思っている典型的なケースである。まあ、そうなのかもしれないという思いと、読者は馬鹿じゃないんだよ、という思いとは酔っぱらいの頭に交互にやってくる。


奇跡のタッチダウン 上

奇跡のタッチダウン 上