タコ息子の新しいブログでなぐり書き

しょうがないからこちらに移行しました。

『R-1ぐらんぷり2012』決勝戦感想(2回目)

とりあえず昨日録画したのをもう1回見返してみました。
そして繰り返しみたくなったのはサイクロンZのネタ。
あの派手なセットとカメラワークの悪さで
ネタがわかりにくかったけど、
ま、とにかく盛り上がるネタであることは間違いないでしょうね。
あと複数回見返したのは多田とヒューマンとスギちゃんでした。
今回は1組ずつ感想。
点数はリアルタイムではなく何回か見直した後での点数。
()内は僕が3票の持ち票を配分するならということです。

Aブロック

1.友近 水谷千恵子 75点(1票)

水谷千恵子というキャラで現実のR-1ぐらんぷりに参加している
という体のコントだと考えると、
すごいことやってるんだなぁとも思ったり。
完全にキャラが憑依してるわけですもんね。
ただここはやはり徳井のような対応力がないというか、
客にあわせないというか、どこかその先を見てるというか。
でもトップ出番になった時点で前座に徹したという見方もできる。
ここは正直R-1に出なくてもネタ披露の機会はなくなってないから
もう出なくてもいいと思うんですけどね。
ま、でも今回12枠になった分、友近、徳井で
招待枠2枠あっても、10枠に膨らんだわけで。
テレビでこの大会を続けるに当たっては
友近、徳井の存在は必要だったのかもしれないと考えると、
もう出るな!ともいえないし。
いやはや微妙な立ち位置・・・。
そういえば友近の口から「優勝」という言葉を
聴いたことはないような・・・

2.野性爆弾川島 大松くん 60点(0票)

まあ選考した審査員だってこういうことになるというのは
承知の上で選んでると思うのでいいんですが、
友近、川島のトップ2連発は、番組関係者でもないのに、
あそこでみんなチャンネル変えるんじゃないかと
不安になりました。
にしても川島に唯一投じた1票が三枝師匠だというのが笑える。
っていうか三枝師匠の審査基準って
一体どこにあるんだろう?型破りというか、
テレビでの笑いという固定概念を覆すネタが好きなんだろうか?
毎回謎の1票を投じる三枝師匠です。

3.AMEMIYA 赤ちゃんが乗っています 78点(2票)

AMEMIYAは去年もそうだったけど、
あまり会場が沸かないんですよね。
あれは会場のマイク配置の問題なのか、音量の問題なのか?
準決勝では大いにウケていたけど、決勝でダメだったというのは、
やはり世間的にはすでに飽きられているのかもしれませんね。
普通はお笑い好きに飽きられても、
世間の需要はあったりするもんなのですが、
ネタ番組が少なくなった昨今は、
世間のほうが飽きるのが早くなっているかもしれません。

4.COWCOW多田 ギャグ(50音) 70点(0票)

いや面白いんですよ。面白いんだけど、
ギャグの羅列というのが僕の中で評価の土俵にあがらないというか、
ネタってちゃんと構成があってこそのものという
ま、これも固定概念かもしれませんが。
準決勝の時もそうだったけどどうしても評価を下につけてしまう。
準決勝の時は笑瓶がラストに来て、
大きな笑いと共に終わったんですが、
あれは作為的ではなく偶然だったんですね。
まあでもとにかく手数のショートネタ時代の笑いのセオリーに
一番乗っているネタだったわけだし、
変にこだわりのあるお笑いファンよりも、
世間のほうが素直に幅広い笑いを受け入れているんでしょうね。
   
結果はご存知の通りCOWCOW多田友近→AMEMIYA→川島の順位。
この段階では僕は「本番はここから」と思っていました。
   

Bブロック

1.サイクロンZ 勢いだけで手品 76点(0票)

リアルタイムで採点してたらもっと低かったかも。
やはり画面を通して見るとネタがわかりづらかった。
でもキム兄がコメントしてましたが、
あれはほんと世界で通用するネタ。
というか、世界もそうだけど、きっと笑点でも通用しますよね。
失敗を笑いに昇華させるのはマギー一門の延長戦上に
あるような気もするし。
お笑い界というかは手品界の革命かもしれません。
曲の選択もいい。あのあとついYOUTUBEで曲探してしまいました。
結果は残念だったけど、いろんな場で見てみたいネタ。
なんかこれ以前は手品師が子供に邪魔されて・・・
みたいな余計な設定でやってたみたいだけど、
サイクロンZという素の状態でただ手品を勢いだけでやる
というシンプルなネタにできたというのが、
今回の最大の勝因(勝ってないけど)でしょう。

2.いなだなおき 言い返す言葉 77点(1票)

なんとなく事前番組からハンサム徳井への対抗馬・・・
いやむしろ徳井がいなだの引き立て役
みたいな感じになっていましたが、
まあネタはそれなりにウケていましたね。
ただやっぱりあのブリッジが余計というか、
何気にネタ4つくらいしかなかったですもんね。
あれもっと畳み掛けていたらキャラが受け入れられてただけに
違ってきてたんじゃないでしょうか。
関西勢にありがちなスローな入り、前置きが
この人にも、後のヒューマン中村にもありましたね。
全国の笑いはあの間にもう1個ネタをしないといけない。
まあ吉本だし、今後ちょくちょくテレビで見かけることは
あるのかもしれませんが、
結果発表後の振る舞い見ててもタレントとして残るのは
イバラの道かもしれません。

3.徳井義実 ヨギータ 80点(2票)

準決勝が酷かっただけに、違うネタで来ることは予想できたけど
まさかヨギータを引っ張り出してくるとは思わなかった。
だって5年前に決勝でやってたネタですよ。
ただ決勝の記者会見でも
「笑いはとらないけど視聴率は取る」と言ってただけあって
あの準決勝がダメだったことは徳井自身も感じていたのでしょう。
そこで修正を図って、その上での苦肉の策が
ヨギータだったのではないかと考えると、
若干徳井への同情はありますね。
準決勝審査員は責められても、徳井は責められるべきじゃない。
むしろその修正力は賞賛に値すると思います。
自分を過信してやりたいネタをやるのではなく、
ちゃんと皆を満足させるネタを用意する。
ま、その姿勢が準決勝時点であれば一番良かったんでしょうけど、
今回いなだや後の大悟のように、
準決勝の時点で明らかな修正ポイントがあったにも関わらず、
修正せずに決勝にかけてきたのを見ていると、
売れている芸人はここが違うんだというのが
くっきりした気がします。

4.キャプテン渡辺 クズがギャンブルで勝った時 65点(0票)

ここは最近ホームな空気でネタをやる機会が
多くなってたんでしょうね。
準決勝でウケていたところが全くウケず、
明らかな動揺が見えて、生命線であるはずの
聴き心地良い話のテンポが大きく乱れていました。
ちょっとお笑いファンが彼を甘やかしすぎたかな?
オンバトでも明らかに良くないネタでのオンエアが
続いてましたもんね。
正直この失態は見たくなかったし、
ここからまた盛り返してくるのはかなり厳しいですよ。
期待してただけにこの結果は残念でなりません。
もう今後テレビで見かけることはないかもしれませんね。
サヨウナラ・・・(涙)
  
結果は徳井→サイクロン→いなだ→キャプテン。
キャプテンは屈辱のポイントなし。
そして審査員からのコメントも一切なしでした・・・。
   

Cブロック

1.千鳥大悟 お金を盗まれた 78点(0票)

ま、何度も書いてますが、フリップ部分のフレーズ、
もっといいのはなかったのかなぁ。
あそこでもう一笑いあればポイント獲れたと思うけど。
詰めが甘いというか、やっぱり今東京でもちょこちょこ
テレビ出始めているけど、詰めの甘さや雑なところが
垣間見えている。これだと大きなブレイクは望めない。
みんなが期待している間に徳井のような修正力を見せないと、
期待はやがて大きな失望へと変わりますよ。

2.ヤナギブソン 屁 77点(0票)

このネタってもしかしたら4分用のネタだったのかなって?
もう少し間があったら、その構成力も生きていた感じがします。
展開の速さについていけなかった感じ。
あとこの時代でもいまだインターネットというのは
万人に浸透しているものではない。
ワンフレーズ入れるくらいなら効果的だけど、
終始それが出てくると知らない人にとっては
全くついていけないネタになっていたかもしれません。
特に今回の審査員では苦しかったかも。
優勝予想に名を挙げたこともあったんですが、
ある意味では順当な1回戦敗退でした。

3.ヒューマン中村 日本語に英語を入れる 82点(1票)

ここは準決勝も画面を通しての視聴だったので、
テレビとライブという部分での違和感はなし。
2年連続決勝とはいえ、全く無名の存在とは思いますが、
それでもしっかりと笑いを取っていましたね。
準決勝の時もそうだったけど、
ここは手数打っているにも関わらず一つも外してないのがすごい。
いやぁ、勝てなかったのは相手が悪かったとしか言えないけど、
でも今回のネタはどこか中山功太の反対語のネタに
似てたような気がします。
前回のネタもそうだったけど、系列でいえば同系統なんでしょう。
ということはその先に「優勝」の2文字があるわけですが、
同時に「優勝しても売れない」の9文字もありますね・・・。
ただ一つステージが上がったことは確実だと思います。

4.スギちゃん ワイルド 83点(2票)

年始からの露出で知名度と期待値が高まっているという
抜群のタイミングで決勝を迎えたスギちゃん。
その期待に見事に応えての最終決戦進出。
ネタの出来だけでいうとヒューマンのほうに
分があったかもしれないけど、
勢いとキャラクターで大きく上回っていましたね。
甲乙だけでいうと今回審査は
スギちゃん5:2ヒューマンだったので快勝でしたが、
ラサールさんがスギちゃんに3点を入れていたあたり、
審査の妙をわきまえて確実にスギちゃんが勝つように
配点したんだなと、ラサールさんに感心してしまいました。
   
結果はスギちゃん→ヒューマン中村、大悟とヤナギブソンは0票。
ま、ヒューマンは敗れはしましたが、
準決勝観客投票3位の実力を見せつけてくれました。
  

最終決戦

1.COWCOW多田 ギャグ(お題ボックス) 81点

2本目どうするのかと思ったら、ちゃんと考えてましたね。
ただ何度も書きますが、見せる工夫はあれど
ギャグの羅列で構成もへったくれもないというのが
どうしても評価できない部分ではありました。

2.徳井義実 パンティ漫談 75点

準決勝でいわくつきのパンティ漫談でしたが、
会場のホームな雰囲気と相殺されて、
そこまで酷いことにはなりませんでしたね。
締めも歌ではなく、猫に変わってましたし(笑)
ま、決勝に上がるときに申し訳なさそうな顔をしてたし、
これはこれでちゃんと私が主役ではありませんよという
意思表示のように見えて、好感がもてました。
ある意味ではここの勝ち上がりは
世間的には普通だけど本人にとっては決勝選ばれたことも含め
大きなサプライズだったのかもしれません。

3.スギちゃん ワイルド 78点(投票)

なんか最後の決選投票で多田に入れたキム兄
非難の嵐とかいう記事を見ましたが、
明らかにスギちゃんの2本目は出来が悪かった。
普通にワイルドやってれば優勝だったのに、
不可解なネタをしたり、「マイルド」に変えちゃったり、
生まれたてのワイルドしちゃったり、
期待と違うことをいろいろしちゃいましたね。
ま、でも完全に空気はスギちゃん一色になっていたし、
ブレイクは確実でしょう。
ただそれは同時にキャラクターという足かせが迷走に走らせる
第一歩でもあると思いますが・・・。
  

結果発表

多田、スギちゃん3票ずつで、徳井に入れたキム兄の決選投票。
結果は多田でCOWCOW多田が優勝。
っつーか、多田に入れたのはわかるけど、
その前なぜ徳井に入れていたというほうが、
僕は問題な気がしますけどね。
   
まあ以前も書きましたが、
R-1って本当に面白い人が優勝しない大会なんですよね。
多様すぎて結局無難な人選になってしまうのかもしれないけど。
ま、スギちゃんが優勝してたほうが、
世の中的には盛り上がったでしょうけど、
ある意味R-1基準に沿った審査になったんだと思います。
過去の大会、出場者自身がネタ選びに失敗した時もあるけど、
陣内→友近→ヒロシ→華丸→なだぎ→ナベアツ→バカリズム・・・
って優勝してれば、この大会の流れも大きく変わっていたのかなと。
相変わらず迷走を続けるR-1。
でもそんな中では今回は審査員コメントも聴けたし、
ゲスト審査員もまあそれなりの人で
(バトミントンの人は余計だったけど)
目に見えるバタバタもなくこれまでのゴールデンの中では
一番番組としてよかったのではないでしょうか?
ま、ヤナギブソンの時のオチ後の切り替えが早すぎたり、
エンディングで画がごちゃついたりはありましたけどね。
   
もう1回くらい審査員に視点を当てた感想を書くかもしれません。
R-1情報は『お笑いなぐり書き』より「R-1ぐらんぷり」でご覧ください。