営業たるもの。

こっちに来てから業者の人がほぼ毎日来るので、カタログやパンフなんかを持ってきてくれる。もう、真っ直ぐ私のところへ来てくれるようになってる。


で、先日。Promegaの人と一緒に来て、精製キット等の売り込みをしてくれたのだけど、「うちは今QIAGEN製品を使っているんですよねー」なんて話をした。そしたら今度はわざわざ他社製品との比較をExcelで表を作って持ってきてくれた。いや、安いし一つのキットでPCR産物の精製もゲルからの精製もできるんだから、お得っぽいのはわかるんだけど、随分一生懸命だなあ、と。
やっぱり営業たるもの、それくらい頑張らないといけないのか、と少し感心。


とはいえ、キットの残りがまだ随分あるので当分買うことは無いのだが。

『ディファレンス・エンジン』

ディファレンス・エンジン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) ディファレンス・エンジン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) 
ウィリアム・ギブスンブルース・スターリング (早川書房 ハヤカワSF)


差分機関<ディファレンス・エンジン>。実際には完成しなかった蒸気で駆動する歯車式コンピュータ。それが完成し、蒸気機関が文明の基盤を成す架空の19世紀イギリス。史実に登場する人物達が入り乱れての、革新的なプログラム<モーダス>を巡る暗躍の物語。


スチーム・パンクの代表的作品。蒸気機関というのは男のロマンみたいなものなんだろうか。蒸気機関車とかもわくわくするもんな。歴史改変ものということで、実在の人物が多数登場する。そういう点では『ドラキュラ紀元』を思い出す。しかし下巻に入ってからの雰囲気は『アヌビスの門』。それもそのはず、アレもスチーム・パンクだからな。ただ、荒廃したロンドンとそこで蠢く荒くれ者達の描写が『アヌビスの門』の乞食達の描写を思い出させたんだ。


しかし、解説で言うところのコンピュータ自身が自我を持ち、依ってこの本を書いたのはコンピュータ自身であるというのは解説を読まなければわからなかった。いや、自我を持つ、まではいいのだが、テキストを書いたっていうのはそれっぽい記述もあるが、時間をかけ過ぎた所為か言われなければ気づかなかったって感じ。そういう設定のために、長編というよりは連作短編集といった趣。


山田正紀氏の『エイダ』も含めて、折りをみて再読するかな。