〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「忘れな草」の山下多恵子さんが語る啄木の妻・節子

山下多恵子さんが「忘れな草−啄木の女性たち」を発刊した。山下さんは岩手県雫石町に生まれ、北海道内を転々とし、小6から高校卒業まで再び岩手で過ごした。啄木をめぐる女性たちに心引かれ、一途に「愛する」啄木の姿に感動し、最後は妻節子にたどりついた。
「石川一を愛した母カツに対し、節子は文学者としての石川啄木を愛し、支えた。節子が日記や書簡を残さなければ、これほどまでに啄木が魅力的に語られることはなかったろう」
「14歳で出会い、結婚に反対されても啄木への愛を貫いた」
「26年の生涯でこれほど深く人間関係を築いた人も少ない。啄木は借金や女性関係が話題になることが多いが、人を愛することができた人。個人的にはラブリーな人・かわいい人だったと思う」
(2006-09-10盛岡タイムス)
忘れな草 啄木の女性たち』山下 多恵子 著 未知谷 版 2,400円+税