〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

あなたを忘れない「赤い鯨と白い蛇」

「赤い鯨と白い蛇」

千葉県館山の古い家を舞台に、そこに住んだことのある女性たちが偶然出会う。
彼女たちは行きがかり上ではあるが、静かに激しく「今を」「かつてを」語り合う。“赤い鯨”は戦争中、夕陽に映える○○○の姿を意味し、“白い蛇”は家の守り神である。

俯瞰で写す古い家の屋根には、魂があり、実際に語りかけてくる気がした。

流され忘れ去られていく大切な人のこと、大切なできごとを、自分が生きているあいだは覚えています。
そしてまた、次代の大切な人に伝えていきます。

心に沁みてくるウクレレの音色を聴きながら、そう思った。

あなたを忘れない