〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「明日へのチケット」長距離列車の旅で

ミツマタの蕾】


明日へのチケット」TICKETS

国際長距離列車の乗客を巡る話を、三人の名監督が綴っていく。
インスブルック駅。空港が閉鎖したため、一人の教授がローマ行きの列車に乗る話から始まる。二話目は、わがままを絵に描いたような女性になぜか仕える青年のこと。三話目、スコットランドのサッカーファン三人組と、全員分の切符を買えない移民の家族との関わり。
話がどう進むのか、人々の関わり合いはどうなっていくのか、説明が少ないぶん興味が高まる。挟み込んでいくエピソードは、重くもあり、意外でもあり、しかも楽しい。わがまま女性の「携帯電話ストーリー」とか、召使いのような青年と「同郷の少女の話」など、
終着駅で列車を降りる人々。オバカ三人組(と見えたが、実は……)の行動と、未来をめざして進む人波には希望がある。
好きな監督たちだし・・・満足!