〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の短歌、賢治の短歌 第17回」

【ランバダ(チューリップ)】


「啄木の短歌、賢治の短歌」盛岡タイムス連載中

  盛岡大学長 望月善次


第17回 花7チューリップ、光とともに

  • 啄木の短歌

  起きてみて、
  また直ぐ寝たくなる時の
   力なき眼に愛でしチュリツプ!
    

  • 賢治の短歌

  チュウリップ
  かゞやく酒は湧きたてど
  そのみどりなる柄はふるはざり。

 

    • 現代においてもチューリップの鮮やかさ・まばゆさには、目を奪われるものがあるが、啄木や賢治の時代においては一層のものがあったであろう。
    • 啄木歌においては、結句の「チュリツプ!」に関連して、啄木自身の「tulip チューリップ」の発音はどんなものであったか、短歌定型論の上からも思った。

(2008-05-10 盛岡タイムス)