〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の短歌、賢治の短歌 第62回」

「啄木の短歌、賢治の短歌」盛岡タイムス連載中
  盛岡大学長 望月善次
第62回 岩手山2 「いわてやま」の訓み

  • 啄木の短歌

  岩手山
  秋はふもとの三方の
  野に満つる虫を何と聴くらむ
  

  • 賢治の短歌

  岩手やま
  やけ石原に鐘なりて
  片脚あげて立てるものあり。

    • 岩手山」を共に「いわてやま」と訓んでいる作品二つ。
    • 岩手山」の現在に地元における一般的な訓みは「いわてさん」であるが、「さん」の特に「ん」の音感が短歌の初句の節調としては抵抗があったのだろうか。

(2008-08-30 盛岡タイムス)