〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の短歌、賢治の短歌 第71回」


【甲斐路】


「啄木の短歌、賢治の短歌」盛岡タイムス連載中
  盛岡大学長 望月善次
第71回 秋1、上京者の思いと…

  • 啄木の短歌

  秋立つは水にかも似る
  洗はれて
  思ひことごと新しくなる
  

  • 賢治の短歌

  から草はくろきちひさき実をつけて
  風にふかれて秋は来にけり。

    • 「秋立つは水にかも似る」として「秋」と「水」を対比させた後、「洗はれて/思ひことごと新しくなる」と繋げてみせたのは、なかなかの手腕。
    • 賢治作品は、中学校時代(一・二年のころ)を歌った作品。

(2008-09-23 盛岡タイムス)