〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の父・一禎の碑」支局長からの手紙-高知


高知駅前にあった標柱】


「支局長からの手紙:温かき異郷の路」高知

  • OKか、NOか。少し緊張しながら耳を澄ませました。今月23日午前、高知市長の応接室です。岩手県出身の歌人石川啄木の父一禎の歌碑を建てるための陳情でした。
  • 岡崎誠也市長が碑の必要性を認め、市有地提供を快諾しました。陳情の代表、梶田順子さんが終了後、右手でOKサインを作ります。
  • 私には朗報を伝えたい人がいました。20年以上前から歌碑を切望していた国鉄OBの岩崎巌松さん(95)です。陳情の日の夕方、自宅を訪ねました。「市有地の提供が決まりました」と耳元で大きな声で伝えると、「用地が決まったらOK」。笑顔が広がります。帰り際に言われました。「相当、肩の荷が下りた」
  • 陳情の際、岡崎市長から逆提案がありました。今年9月12、13日に「第20回全国俳句大会」(日本伝統俳句協会主催)があり数百人の俳人が市を訪れます。「この時にお披露目するのもいいですね」
  • 市長は「建設費は民間で」とクギを刺しています。募金が最大の課題です。全国の力を借りながら、もうひと踏ん張り南国の温かさを北国に見せる時です。

【高知支局長・大澤重人】
(2009-04-27 毎日新聞>地域ニュース>高知)