〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木ゆかりの弥生小 魅力的な建物が --函館


カラスウリ


啄木ゆかりの函館・弥生小旧校舎 保存要望なお 


  • 明治末期に石川啄木が教鞭を執り、かつては「函館の学習院」とも呼ばれた市立弥生小学校。同校の旧校舎が、老朽化を理由に昨年11月から解体工事に入っている。体育館とプール、校舎の一部はすでに消えた。だが、主要部分の解体は来年度の予定。
  • 築70年を超える校舎は校庭を囲むロの字形で、地下1階地上3階の鉄筋コンクリート造り。アーチ形の天井に、下半分がピンクに塗られた長い廊下など、さながら美術館のようだ。梁の造り方、円窓、柱のカーブなど、ぞくぞくするほど魅力的。
  • 保存を求める動きとしては、国際的な建築団体が市に要望書を提出したり、一部保護者が「弥生小学校を考える会」を立ち上げ、「子どもたちに歴史を肌で伝える力を持った校舎。なぜそれに気づかず、葬り去ろうとするのか」と疑問を投げかける。

函館市立弥生小学校》 1882(明治15)年、公立弥生学校として創立。石川啄木が教壇に立ったのは公立弥生尋常小時代の1907年6月から約3カ月で、木造校舎だった。
(2010-01-15 朝日新聞 asahi.com>マイタウン>北海道)