啄木の息 <ブログ版>

─ いまもなお瑞々しく語りかけてくる啄木の魅力を追い その息づかいに触れてみたい ─

     「本家 啄木の息」のリンクは、このページの最下段にあります。

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2010-08-31

[] 「啄木短歌朗読」NHKアラビア語放送で

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[「啄木歌集『一握の砂』」アラビア語版の表紙]


インターネットで「啄木短歌朗読」が聞ける

  • NHKアラビア語放送で、8月29日(日)からオダイマさんと林洋子さんの「啄木短歌朗読」が始まった。

これはインターネットから聞ける。

  • 上記を開いて、「啄木のアラビア語本、オダイマさんと林洋子さんの写真」の横のスピーカーマークをクリックすると聞ける。
      • 始めはアラビア語のみ、途中(ちょうど真ん中あたりから)林さん朗読による「啄木の歌」が日本語で入る。頬につとうなみだのごわず…、なみだなみだ不思議なるかな…、はたらけどはたらけど…、ふるさとの訛なつかし…、など。
  • この放送は9月4日(土)まで、いつでも聞くことができる。
  • この番組は3週連続で、1週目は「スーフィー在東京」、2週目は「オリーブの知らせ」と「足の軍事教練」。

2010-08-30

[] 啄木の無念さを、牧水の筆のなかから『文学フシギ帖』


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[あききぬと…]


『文学フシギ帖』=池内紀・著 今週の本棚:村上陽一郎・評

  • 森鴎外から村上春樹まで、日本近代の五十三人の作家を、新書で扱う。
  • 啄木の項では、新聞記者でもあった若山牧水と、文芸雑誌を刊行するという夢を共有しながら夭折する啄木の無念さを、牧水の筆のなかから、きっちりと描き出す。両者の夢こそ「明治の青春の最後の美しい一コマだった」という結びは、著者には珍しい直球の表現として際立つ。

『文学フシギ帖』=池内紀・著 岩波新書 756円)

(2010-08-29 毎日新聞 東京朝刊)

[] 岩手の雑穀12種類 「啄木弁当」が好評

  • 「生産日本一」を誇る岩手の雑穀をアピールしようと、JRグループの日本レストランエンタプライズ盛岡支社が発売した十二穀入りの駅弁「啄木弁当」(千円)が人気を集めている。
  • 「啄木弁当」は、歌人・石川啄木が生きた時代の素朴な味をイメージして名付けた。タカキビ、大麦、ハトムギなど12種類の雑穀を混ぜたとりめしと、三陸サケの西京焼きや岩手牛とシメジの煮ものなどが詰まった二段重。
  • 11日から盛岡、一ノ関、青森、八戸の各駅で販売したところ、「連日完売の人気」。販売個数を増やし、東京都内の県アンテナショップなどで販売する計画もあるという。

(2010-08-30 産経ニュース)

2010-08-26

[] 望月善次〈『あこがれ』石川啄木〉13

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[ムクゲ]


〈音読・現代語訳「あこがれ」石川啄木〉13 望月善次

森の追懐(もりのおもひで)

  師走も押し迫ったこたつでこの一年を懐旧する啄木。この春、啄木は東京における放浪により、健康を害して帰郷したのである。しばらく体力を回復した夏のころ、つえを突き、何度となく母校の裏のこの森に遊んだのである。

 

落(お)ち行(ゆ)く夏(なつ)の日(ひ)緑(みどり)の葉(は)かげ洩(も)れて

森路(もりぢ)に布(し)きたる村濃(むらご)の染分衣(そめわけぎぬ)、

涼風(すヾかぜ)わたれば夢(ゆめ)ともゆらぐ波(なみ)を

胸(むね)這(は)ふおもひの影(かげ)かと眺(なげ)め入(い)りて、

静夜(しづかよ)光明(ひかり)を恋(こ)ふ子(こ)が清歓(よろこび)をぞ、

……


〔現代語訳〕

  森の追懐(もりのおもひで)

落ちて行く夏の日は、緑の葉陰を洩れて

森の路に布いた、濃淡のあるまだらに染め分けられた衣に、

涼しい風が吹き渡ると、夢のように揺らぐ波を

胸を這う思いの影だろうかと、じっと眺めて、

静かな夜の光明を恋い慕う人の清い歓びを(知るのです。)、

……

    (明治三十六年十二月十四日稿)

(2010-08-26 盛岡タイムス)

2010-08-25

[] 啄木の交友録(14-16)「街もりおか」


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【「啄木の交友録」コピーと8月号表紙】


 月刊誌「街もりおか」

啄木の交友録【盛岡篇】執筆 森 義真 氏

  2010年6月号(No.510)〜8月号(No.512)

14. 小笠原 迷宮(2010-06)

盛岡高等小学校時代、迷宮は啄木の一級上だった。迷宮が発行した回覧雑誌を見て羨ましくなった啄木が、独力で雑誌を作った。伯父や父の影響もあるが、これを啄木の文学的出発と捉えてもいいだろう。

15. 岡山 儀七(2010-07)

儀七は、盛岡中学時代に一級上の啄木が主宰する短歌グループ「白羊会」に入る。岩手毎日新聞社では編集長を務める。このころ、東京朝日新聞の佐藤北江から勧誘されたが、郷土に尽くしたい気持ちが強かったためか上京しなかった。

16. 新渡戸 仙岳(2010-08)

盛岡高等小時代、仙岳が校長で啄木が生徒として出会った。仙岳は、啄木の小説「葬列」に「此地方で一番有名な学者で、俳人で、能書家で、特に地方の史料に就いては、極めて該博精確な研究を積んで居る。自分の旧師である」と登場する。

• タウン誌「街もりおか」に連載中

2010-08-24

[] 『一握の砂』・第九十銀行100年展 9/6~12/19

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[100年展ポスター]


第47回企画展「明治43年一握の砂と青春館」

『一握の砂』・第九十銀行100年展

  • 2010年9月6日(月)〜12月19日(日)
  • もりおか啄木・賢治青春館 2階展示ホール(入場無料)

1910年(明治43)、今から100年前のこと。石川啄木の処女歌集『一握の砂』が刊行され、同時に第九十銀行(現もりおか啄木・賢治青春館)が竣工された。これらを記念し、珍しい資料と分かりやすい解説で『一握の砂』とその時代背景を紹介する。

記念フォーラム

岩手日報文学賞「啄木賞」受賞者による

「一世紀を超えて『一握の砂』は今もなお!」

  • 2010年11月21日(日)14時開演
  • 会場:おでってホール 入場無料

  第1部 パネルディスカッション

   パネリスト:近藤典彦・望月善次・木股知史

   コーディネーター 一戸彦太郎・遊座昭吾


  第2部コンサート「啄木、生命を歌う」

ギャラリートーク

  • 2010年10月3日(日)14:00
  • 森 義真(近代文学研究家)
  • もりおか啄木・賢治青春館 2階展示ホール(入場無料)


問合せ 盛岡観光コンベンション協会

TEL 019-621-8800

2010-08-23

[] 啄木ゆかりの盛岡で全国大会「短歌甲子園」

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[ゴマダラカミキリ]


短歌甲子園 下館一高文芸部V 個人戦でも頂点に

全国36校の高校が参加した「短歌甲子園」の団体戦と個人戦の決勝が22日、盛岡市であり、団体戦は茨城県立下館第一高校が優勝、個人戦も同校が最優秀作品に選ばれ、大会初の「2冠」を達成した。


・団体戦は先鋒、中堅、大将の三番勝負。出された歌題を詠み、壇上で披露する。決勝の歌題は「宙」。

茨城県立下館第一高校

      • 「大粒の涙の中に ちっぽけな宇宙見つけた 十六の夜」山内佳織さん
      • 「よき歌を詠もうと思う 言うなれば 宇宙に踏みいる素足のような」島田瞳さん
      • 「あ、ほら、いま 宇宙が少しうごいたと 運河のようなあなたの吐息」増淵絵理さん

・個人戦「風」「追う」の二つの歌題。

茨城県立下館第一高校

      • 「春風が 楽しみなさいと 言うのです 悲しみさえも そのままにして」増渕絵理さん

(2010-08-22・23 朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経ニュース、日刊スポーツ、ほか)

2010-08-21

[] 「アラブ現代詩&啄木短歌朗読会」

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【いのちなき砂の…アラビア語】


「アラビア語 日本語コラボレーション」

主に宮沢賢治の作品をシタールや薩摩琵琶で演奏する林洋子さんと、シリアのアラブ詩人・ムハンマド・オダイマさんとのコラボが荻窪で開催された。林さんのHPからその一部をご紹介。


<林 洋子>

7月25日、アラビア語と日本語共演による「アラブ現代詩&啄木短歌朗読会」が、荻窪のかん芸館で開かれました。

啄木の短歌を一篇づつ日本語・アラビア語で朗読、そして私はその短歌を読んだアラブの人々の感想などもお話ししながら進めました。終演後はシリアの食べ物を味わい、ワインを飲みながらの自由な懇親会。

当日は中東のTV局アルジャジーラ、NHK国際放送局アラビア語放送が取材にみえ、公演を全部収録しました。


<参加者の感想>

  • 「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ」 「ふるさとの訛なつかし」の歌をアラブの人たちも大好きだと聞くと、何かとても親近感を覚えます。同時に啄木の歌が表現している人間の感情は国境を越えて普遍的なものであり、だからこそ私たちの心をも打つのだということにもあらためて気づかされました。
  • 石川啄木もまさか自分の死後100年近くたって「一握の砂」がアラビア語に訳され、アラブの人たちの共感を呼ぶことになるとは想像だにしなかったでしょう。
  • 石川啄木は、実にユニークな企画でした。啄木へのあらためて出会いの場所になりました。そして、アラブの詩人たちの受け止め方も紹介していただいて、アラブの詩人たちとの出会いの場にもなりました。アラブの人たちも、同じなんだ!
  • アラブの人たちにも身近なものとして通じる普遍性を啄木の歌は持っているんですね。歌の感想をきいてアラブの人々を近く感じました。
  • 啄木の詩、意味と音、アラブの詩人達の感想、リズムがあって楽しかったです。 

林さんのHP

2010-08-20

[] 「啄木と龍馬展」ポスター 8/1-10/17

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[ポスター]

啄木と龍馬〜二人の目線


  世の人はわれをなにともゆはゞいへ

  わがなすことはわれのみぞしる

                龍馬


  高きより飛びおりるごとき心もて

  この一生を

  終るすべなきか

                啄木


企画展

  • 2010年10月17日(日) まで
  • 9時00分〜17時00分
  • 石川啄木記念館展示室(盛岡市玉山区渋民字渋民9)
  • 一般450円,大学生・高校生320円,小・中学生200円(小学校2年生以下無料)

2010-08-19

[][] 「啄木と龍馬展〜二人の目線」〜10/17

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[ツリガネニンジン]


企画展:啄木と龍馬の共通点探る 高知県と交流事業

  • 岩手の歌人・石川啄木と幕末の志士・坂本龍馬の歌や手紙から2人の共通点を探る「啄木と龍馬展〜二人の目線」が、盛岡市玉山区渋民の石川啄木記念館で開かれている。10月17日まで。
  • 会場には、龍馬が姉乙女に送った書簡(複製)や龍馬の肖像画、ブーツ(同)など龍馬記念館から貸し出された資料51点、啄木関係では金田一京助あて書簡など約300点がそれぞれ展示されている。
  • 高知市の県立坂本龍馬記念館と共催。同館でも4月16日から3カ月間、同様の企画展を開き、延べ約13万3000人の来場者を集めたという。

(2010-08-17 毎日新聞>地域ニュース)

2010-08-18

[] 「全国高校生短歌大会」全国49校71チームの応募

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[オクラ]


短歌甲子園に36チーム、20日から熱詠


  • 高校生が短歌の感性と表現力を競う「全国高校生短歌大会」(短歌甲子園)が20〜22日、歌人石川啄木を輩出した盛岡市で行われる。全国49校71チームの応募の中から審査で選ばれた、北海道から福岡までの36校36チームが出場し、日本一をめざす。
  • 大会は、今年で5回目。20日は開会式と組み合わせ抽選会をしたあと、啄木ゆかりの地をめぐり、決められた時間内に題詠する。21日は団体戦と個人戦。22日に公開決勝審査をする。

(2010-08-18 朝日新聞>マイタウン>岩手)

2010-08-13

[] 啄木学会の東京支部会 明治大学 8/28


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【コバギボウシ】


国際啄木学会・第54回 東京支部会

  • 2010年8月28日(土)14:00~17:00
  • 明治大学駿河台校舎 研究棟4階第2会議室

 ○研究発表

  ・後藤伸行「啄木とのめぐりあい ---切り絵を通して---」

  ・近藤典彦「石川啄木韓国併合批判の歌 五首」

*初めての方のご参加も歓迎*

2010-08-12

[] 「啄木弁当」2段重ね 盛岡駅で発売

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[ヒマワリ]


企画商品で啄木発信 弁当・切手

  • 歌人石川啄木の歌集「一握の砂」発刊100周年を記念して、盛岡市盛岡駅前通の日本レストランエンタプライズ盛岡支社は11日、雑穀を使うなど県産食材にこだわった「啄木弁当」を発売した。
  • 「啄木弁当」は2段重ね。下段は県産ひとめぼれと啄木が暮らした明治時代の主食、雑穀を使ったとりめしで、上段は三陸産サケの西京焼き、和牛煮しめじ添えなどこだわりの6品が詰まっている。JR盛岡駅内の売店で税込み千円で販売している。
  • 郵便局が販売する記念切手は「フレーム切手」で1シート・1200円。「一握の砂」からの歌、啄木の写真、ゆかりの風景など80円切手10枚で構成されている。1400部限定で盛岡市以北を中心に県内116の郵便局で販売する。

(2010-08-12 岩手日報WebNews)

2010-08-11

[] 地図の上/朝鮮国にくろぐろと……石川啄木

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[ヒマワリ]


中日春秋【コラム】

  • 若き歌人には朝鮮民族の未来に漂う暗雲が見えたのだろう。二十四歳の石川啄木は一九一〇年八月の韓国併合の直後、歌を詠んだ。<地図の上/朝鮮国にくろぐろと/墨をぬりつつ秋風を聴く>
  • 韓国併合からちょうど一世紀。菅直人首相の「首相談話」がきのう閣議決定し、発表された。三十六年間に及んだ植民地支配を「韓国の人々の意に反して行われた」と位置付けて、「痛切な反省と心からのおわび」を率直に表明している。
  • 啄木が百年前に墨を塗った国は、日本から解放された後も、民族同士が殺し合う内戦を経て二つに分断されたままだ。啄木だったら、今、どんな歌を詠むだろうか。

(2010-08-11 中日新聞>中日春秋)

[] 「日韓併合」首相談話

  • 今年、エジプトやギリシャ、インドなど16カ国が開いた国際会議で、エルギン・マーブルなど著名文化財と共に返還要求リストに韓国が載せたのが「朝鮮王室儀軌」だった。日韓併合100年にあたり菅直人首相が発表した談話で韓国に引き渡しを表明した典籍である。
  • 「地図の上朝鮮国にくろぐろと墨をぬりつつ秋風を聴く」。石川啄木が韓国併合を批判して、こう詠んでから100年の歳月が流れたことになる。注目された首相談話はかつての村山富市首相の談話を踏襲する形で植民地支配への「痛切な反省とおわび」を表明した。

(2010-08-11 毎日新聞>余録)

2010-08-07

[] オリジナル切手 『石川啄木・歌集「一握の砂」発刊百年記念』の販売

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[『一握の砂』表紙]


『石川啄木・歌集「一握の砂」発刊百年記念』切手販売

    郵便局株式会社 東北支社

この切手は、石川啄木の歌集「一握の砂」に収められている 歌と啄木に関する写真を題材としたもの。歌集には啄木が愛した故郷の風景や、東京時代の悲喜哀楽が詠まれている。歌集の歌と共に啄木を紹介する素材を切手のデザインとしている。

「一握の砂」が今年で発刊百年を迎えることを 記念して、盛岡以北の郵便局を中心に限定販売する。

  • 販売開始日 2010年8月16日(月)
  • 販売部数 1,400 部(予定)
  • シート構成 1シート 80円切手×10枚(B5 サイズ)
  • 販売価格 1シート 1,200円

本フレーム切手は、8月25 日(水)より郵便局ホームページ「郵便局の通販ショップ」でも扱う。

2010-08-06

[] 石川啄木 著(P.22〜23)何となく汽車に乗りたく思ひしのみ

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[ヤグルマハッカ]


我を愛する歌


(P.22)


   何となく汽車に乗りたく思ひしのみ

   汽車を下りしに

   ゆくところなし


   空家に入り

   煙草のみたることありき

   あはれただ一人居たきばかりに



<ルビ>何となく=なにとなく。空家に入り=あきやにいり。煙草=たばこ。


(P.23)


   何がなしに

   さびしくなれば出てあるく男となりて

   三月にもなれり


   やはらかに積れる雪に

   熱てる頬を埋むるごとき

   恋してみたし


<ルビ>三月=みつき。熱てる頬=ほてるほ。


《つぶやき》

「やはらかに積もれる」"雪"……にではないが、どこでもいいどこかそこらへんの何かに埋まってみたいと頓に感ずる。雪の冷たさと柔らかさ、頬の熱さと心の高まりがいっきに襲ってくる。

2010-08-05

[] 望月善次〈『あこがれ』石川啄木〉9

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[ウバユリ]


〈音読・現代語訳『あこがれ』石川啄木〉9 望月善次

 楽声(がくせい)

  音楽の力は、これほど絶妙なのです。

日(ひ)暮(く)れて、楽堂(がくだう)萎(しほ)れし瓶(びん)の花(はな)の

香(かお)りに酔(ゑ)ひては集(つど)へる人(ひと)の前(まえ)に、

こは何(なに)、波渦(なみうづ)沈(しづ)める蒼(あを)き海(うみ)の

遠音(とほね)と浮(う)き来(き)て音色(ねいろ)ぞ流(なが)れわたる。


  〔現代語訳〕

  楽声(音楽の響き)

日も暮れて、この音楽堂には、萎れてしまった瓶に挿された花の

香りに酔ったように集まった人々の前に、

これはどうしたことでしょうか、波の渦が沈んでいる蒼い海の

遠くからの音のように、浮かび上がった音色が流れ渡ったのです。

(2010-08-05 盛岡タイムス)


  • 盛岡タイムス連載は、毎週木曜日と日曜日を予定。

2010-08-04

[] 「価値をはかるもの」 河野史代

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[雫]


「自分のものさし」

たまたま聞いていたラジオで河野史代さんがこう話した。

「自分のものさしで生きる」


「自分のものさしで生きる」とは、世間のものさしでもなく、常識のものさしでもなく、もちろん他人のでもなく、"自分のものさしで価値をはかる"ということだろう。

『夕凪の街 桜の国』を書いた河野さんのことばは流石だ。背骨にズンと響いた。

2010-08-03

[] 石川啄木 著(P.20〜21)何処やらに沢山の人があらそひて

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[パンダねこ]


我を愛する歌


(P.20)


   何処やらに沢山の人があらそひて

   鬮引くごとし

   われも引きたし


   怒る時

   かならずひとつ鉢を割り

   九百九十九割りて死なまし


<ルビ>何処=どこ。沢山=たくさん。鬮引く=くじひく。怒る=いかる。九百九十九=くひやくくじふく。


(P.21)


   いつも逢ふ電車の中の小男の

   稜ある眼

   このごろ気になる


   鏡屋の前に来て

   ふと驚きぬ

   見すぼらしげに歩むものかも


<ルビ>小男=こをとこ。稜ある眼=かどあるまなこ。


《つぶやき》

「何処やらに」沢山の人が寄り集まって何かに夢中になっている。自分も中に入りたい……が、外にも居たい。このときの啄木の目は俯瞰だったのではないか。

2010-08-02

[] 「国際啄木学会 京都大会」徹底討論『一握の砂』を読む 9/4-5

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【サルスベリ】


国際啄木学会 2010年京都大会

「歌集『一握の砂』刊行100年への視座」

  • 会場 立命館大学衣笠キャンパス

   会場アクセス


2010年9月4日(土)

      • 理事・評議員役員会 11:00〜12:00 [敬学館252号室]

  • 徹底討論『一握の砂』を読む [敬学館250号室]

13:15 開会挨拶

13:25 司会者(太田登)発言

13:30 「我を愛する歌」を読む 木股知史

13:50 「煙」を読む 田口道昭

14:10 「秋風のこころよさに」を読む 小菅麻起子

  14:30 休憩

14:45 「忘れがたき人人」を読む 河野有時

15:05 「手套を脱ぐ時」を読む 大室精一

15:25 討論者(近藤典彦、望月善次)の発言

  15:45 休憩

16:00 討論

17:20 閉会挨拶

  • 17:30 懇親会[末川記念会館地階 カルム 会費 5000円]

9月5日(日)

第1部 研究発表   [敬学館250号室]

10:00 塩浦彰「大矢正修と与謝野鉄幹---啄木以前の都市と郷土」

11:00 太田登「啄木短歌の受容における窪田空穂の存在」

11:40 閉会挨拶


第2部 関西啄木懇話会創立30周年記念の集い  [敬学館250号室]

13:30 英語、ロシア語、中国語、韓国語、日本語による啄木詩歌の朗読会

  ・司会 河崎洋充

  ・朗読者 チャールズ・E・フォックス、スレイメノヴァ・アイーダ、高淑玲、金泯芝

  14:30 休憩

14:45 座談会「啄木の魅力を語る」

  ・水野洋、伊藤和則、尾崎由子、佐藤勝、山下多恵子

16:00 閉会挨拶

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「本家 啄木の息」は、下記のリンクでご覧になれます。

・石川啄木 年譜 ………… 26年と53日の生
・ローマ字日記………… 漢字と仮名では書けないことをローマ字で
・啄木文学散歩………… 息づかいの聞こえる ゆかりある場所を訪ねて
・啄木行事レポート …… イベントに参加しての私的レポート
・啄木の 女性たち ……… 啄木の人生を彩った「忘れな草」たち
・啄木と花 ……………… 歌に登場する花や木の資料

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