〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木歌集『一握の砂』刊行百周年を迎えて」・「啄木の交友録(17)」街もりおか


 月刊誌「街もりおか」執筆 森 義真 氏
  2010年9月号(No.513)〜10月号(No.514)

○ 啄木歌集『一握の砂』刊行百周年を迎えて(「啄木の交友録」は、今月お休み)(2010-09)
作家の井上ひさしが「啄木の歌が日本人の心の索引(インデックス)になっている」と評価したように、日本人のみならず誰でもが抱いているさまざまな心情が、啄木の歌によってうまく表現されている場面が多い。
啄木は生涯を通じて約4千首の歌を詠んだが、心のインデックスに通じる歌の多くは、啄木の処女歌集『一握の砂』に収められている。


『一握の砂』・第九十銀行100年展

  • 2010年9月6日(月)〜12月19日(日)
  • もりおか啄木・賢治青春館(盛岡市)にて開催


記念フォーラム
岩手日報文学賞「啄木賞」受賞者による
「一世紀を超えて『一握の砂』は今もなお!」

  • 2010年11月21日(日)14時開演
  • 会場:おでってホール
    • パネルディスカッション

   パネリスト:近藤典彦・望月善次・木股知史
   コーディネーター 一戸彦太郎・遊座昭吾


「啄木の交友録」
17. 堀合 節子(2010-10)
節子は啄木の妻となった女性である。啄木の歌に「己が名をほのかに呼びて/涙せし/十四の春にかへる術なし」があるが、この歌の初句は、当初「君が名を」であったことから、数え14歳のころから2人の愛が芽生えたと考えられている。
啄木の才能を信じて、貧しさに耐え、姑との確執にも耐え、見知らぬ土地での生活に耐えていた節子の姿に、明治の女性の芯の強さを感じる。

  • タウン誌「街もりおか」に連載中