[ダンスパーティ(アジサイ)]
「七滝湯」の再開を
- 宮古市鍬ケ崎地区で唯一の公衆浴場だった「七滝湯」が震災の津波で全壊した。宮古港に水揚げする漁船員の疲れを癒やし、歌人の石川啄木が浴槽につかったともいわれる創業117年の老舗の銭湯。女手一つで切り盛りしてきた経営者の袰岩(ほろいわ)政子さんは「私の手で再建は無理。公営で再開できないか」と市に相談を寄せている。
- 袰岩さんの夫の祖父が1894(明治27)年に創業した。啄木が1908(明治41)年、海路・北海道から上京する途中で宮古に上陸した際、銭湯につかったことが日記に記されているが、その浴場だったとの見方もある。
- 幸い、煙突が残った。風呂釜も見た目には大丈夫そうだ。住民からは再開を望む声が寄せられている。仮設住宅で暮らす袰岩さんは「回来船が宮古に寄るのは銭湯があるからです。この場所を使って再開してほしい」と話す。【鬼山親芳】
(2011-06-07 毎日新聞>地域ニュース>岩手)