啄木の息 <ブログ版>

─ いまもなお瑞々しく語りかけてくる啄木の魅力を追い その息づかいに触れてみたい ─

     「本家 啄木の息」のリンクは、このページの最下段にあります。

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2011-08-31

[] 浅草凌雲閣、啄木や花袋らのまなざし

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[ゲンノショウコ]


『浅草十二階 塔の眺めと〈近代〉のまなざし(増補新版)』

    • 細馬宏通 著  青土社 発行
    • 2011年8月発売 2,520円

関東大震災で失われた浅草凌雲閣、通称 「十二階」。眼下に吉原を望み、見世物小屋、広告塔としても機能したこの塔の眺めが、啄木や花袋らのまなざしをとらえ、「近代」の欲望を体現する。

新たにコラム「飛行機は空の黒子」「魔法使いの建てた塔」を増補。

○ 第11階 啄木の凌雲閣

女を覗く男・男を覗く女/乞ふ続々御飛降あらんことを/飛び下(お)りかねき/その顔その顔/日記と腕組み/高みからのまなざし/都市の底/まなざしを避けながら/塔下苑―日記、いただき―歌

2011-08-30

[] 啄木ゆかりの旅館もある本郷で…

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[オニドコロ]

震災も影響…本郷の下宿・旅館が相次ぎ閉館

  • 東京大学のおひざ元、東京都文京区本郷でこの夏、国内最古といわれる下宿と、2軒の老舗旅館が相次ぎ閉館した。戦前は下宿街として、戦後は旅館街として栄えた界隈に残る旅館はこれで4軒、下宿はわずか1軒。東日本大震災で修学旅行生のキャンセルが続出したことも、閉館への背中を押したという。
  • 本郷5、6丁目は明治10年設立の東大と本郷通りを挟んで真向かいに位置することから広大な武家屋敷跡が下宿街となり、戦後は多くが旅館へ衣替えして旅館街となった。歌人の石川啄木ゆかりの旅館もある。
  • 今年3月の東日本大震災では、自粛ムードが広がり修学旅行の予約取り消しが相次いだ。

(2011-08-30 産経新聞)

2011-08-28

[] 「北の短歌 啄木・賢治・修司を読む」シンポジウム

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[ニガウリ]


短歌で探る賢治・啄木 北上で結社全国大会

  • 100年を超す歴史を持つ短歌結社「心の花」(佐佐木幸綱主宰)の全国大会は27日、北上市の日本現代詩歌文学館で開かれ、石川啄木や宮沢賢治の短歌について研究成果を発表した。
  • 「北の短歌 啄木・賢治・修司を読む」と題したシンポジウムでは、所属する歌人俵万智さんらが研究発表した。
  • 俵さんは色をキーワードに、3人の短歌作品を比較した上で「色への執着が一番薄いのは啄木だ。自分の心の内を見つめており、外界の色はそれほど必要ではなかったのかもしれない」と語った。

(2011-08-28 岩手日報)

2011-08-26

[] 啄木から野村胡堂へ はがき

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[ブルーベリー]


〈胡堂の青春育んだ書簡群〜学友たちの手紙〉39

  石川麦羊子が2通目のはがき

    • はがき 明治34年12月31日付
    • 宛 紫波郡彦部村大巻 野村右近(長一)様
    • 発 岩手郡渋民村 石川麦羊子

 

 【梅に鶯の絵葉書】

   はらはむは惜しと

     微笑む人もありや

   み袖の今日の

      淡雪小雪。

      新春の初に。

   争はむ人も

      あらずよ

   新春の春の

   うたげの

      かるたの小筺。

 

  【解説】大みそかの日付であるが、年賀状の新年を寿ぐ新体詩である。

(2011-08-26 盛岡タイムス)


  • 石川麦羊子 = 石川啄木

2011-08-25

[] 旭川に啄木の歌碑を 募金の呼びかけ

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[旭川駅前]


霜の花見入る啄木像建立へ 旭川

  • 旭川に石川啄木の歌碑を建てる会(相川正志会長)が、計画する啄木像と歌碑のイメージが固まった。
  • 同会は、像と歌碑のイメージとして、旭川を離れる朝に車中で詠んだとされる「水蒸気 列車の窓に 花のごと 凍(い)てしを染むる あかつきの色」を、「最も旭川らしい」と選んだ。
  • 像は、帽子をかぶりマフラーを巻いた啄木が、汽車の座席に座って朝日に染まる窓の霜の花を見ている姿とした。座席の横に歌碑を埋め込み、歌が音声で流れる装置も付ける。
  • 啄木の隣は空席で「自由に座ってもらい記念撮影ができるようにする」(同会)という。
  • 募金目標額は800万円。来年3月の完成披露を目指している。(岩本進)
  • 募金は、1口個人2千円、企業1万円。ゆうちょ銀行の振替口座で受け付けている。詳しくは、同会事務局(電)0166・22・7577(柴滝建築設計事務所内、担当・石川さん)へ。

(2011-08-25 北海道新聞)

2011-08-24

[][] 『ウエザ・リポート』石川啄木も徘徊したという、あの砂山…

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[キツリフネ]


《作品に登場する啄木》

  『ウエザ・リポート』

   宇江佐真理 PHP研究所

<砂山>(P.116)

とりわけ、胸を締めつけられるような気持ちになったのは砂山の景色だった。かつて、私の通っていた中学校の近くに砂山があった。

そう、石川啄木も徘徊したという、あの砂山である。中学生のころには、砂山はすでに姿を消していたが、砂山にこだわり、文集では砂山の思い出を語ったものが多かった。われらは砂山廉士、勉強はさっぱり駄目だけれども喧嘩なら負けない、そんな気概を砂山は与えてくれたのだと思う。

2011-08-23

[] ふるさとの山に向ひて/言ふことなし 石川啄木

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[フサフジウツギ]


近事片々:啄木が詠んだ…

  • 啄木が詠んだ<ふるさとの山に向ひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな>を思い起こす。「警戒区域」一部長期化へ、の報に。
  • 向かい合うこと、言葉が不要なほどありがたさを感じること。誰しも持つ故郷の風光から遠ざけられる悲痛を思う。

(2011-08-22 毎日新聞>東京夕刊)

 

[] 銭形平次の生みの親『野村胡堂』の友人・石川啄木

野村胡堂・あらえびす記念館

  企画展『胡堂交友録 〜青春時代〜』


  • 石川啄木も胡堂と深いかかわりがあった人物。
  • 胡堂から見ると、啄木は盛岡中学時代の後輩にあたります。盛岡中学時代から胡堂と友人で、胡堂が上京した後も、たびたび啄木の世話をしていたそうです。

  2011年10月10日まで。

  • 野村胡堂・あらえびす記念館
    • 岩手県紫波郡紫波町彦部字暮坪193-1
    • 電話 019-676-6896

2011-08-22

[] 「心には 門番なんて必要ない…」短歌甲子園

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[サルビア・コクシネア]


短歌甲子園、啄木の地元校が優勝  盛岡第三高

  • 石川啄木の出身地で全国36校の高校生が短歌の出来栄えを競う「短歌甲子園」の決勝が21日、盛岡市であり、団体戦で岩手県立盛岡第三高校が、5年ぶり2度目の優勝を果たした。
  • 全国40校の高校生が震災復興の願いを込め詠んだ211作品を集めた「復興応援短歌集」も参加者に配布された。この後、被災地の高校などに贈られる。
  • 団体戦で、盛岡第三高は「心には 門番なんて必要ない 私はいろんな人に会いたい」と詠むなど素直な気持ちを表現した点が評価された。
  • 個人戦で甲府南高3年の内藤瑳紀さんが「君の胸 わたしの内で鳴りしかと振り向けば 若きぶなの幹あり」と詠み最優秀作品賞を受賞した。

(2011-08-21、22 岩手日報、日本経済新聞、山梨日々新聞、ほか)

2011-08-21

[] 氷は冬の物である…石川啄木

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[ネグンドカエデ ‘フラミンゴ’]


<歴史上の人物と和菓子>とらや

 石川啄木とかき氷

  • 石川啄木は、26歳という短い生涯ながら文学史上にその名の輝く天才歌人です。
  • 明治42年の夏、「函館日日新聞」に連載した文章には、当時住んでいた東京・本郷の氷屋が登場します。
  • ある日、啄木が2階の窓から外を眺めていると、「氷屋の旗(フラフ)」が目にとまります。
  • その旗を眺めていた啄木の考えは段々と壮大な方向へと進んでいきます。 「氷は冬の物である。それを夏になつてから食ふとは面白い事である」が、自然は「その愛する処の万象を生育させんが為」に時に夏の暑さを与えるのだから、自然界の一生物に過ぎない人類は、おとなしく服従すべきであるのに、氷を食べて暑さを和らげようとするのは「自然に対して反逆してゐる」。……
  • かき氷に手厳しい啄木ですが、日記を見ると度々、氷を食べたとの記述が・・・・・・。理屈をこねながらも、夏ならではの味わいをしっかり愉しんでいたようです。

2011-08-20

[] きくドラ「火星の芝居」石川啄木

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[アメジスト]


〜ラジオドラマで聴く、名作文学〜

 石川啄木「火星の芝居」

作品紹介

  「何か面白い事はないか」

  「俺は昨夜火星に行って来た」

    という出だしから。

    石川啄木が描く火星とは…

2011-08-13

[] よごれたる手をみる――石川啄木

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[メマツヨイグサ]


編集手帳 8月13日付

  • 短歌では石川啄木に〈よごれたる手をみる――/ちやうど/この頃の自分の心に対ふがごとし〉がある。
  • おのが心の奥を見つめようとするとき、人は無意識のうちに手のひらを眺めるのかも知れない。「アンパンマン」の漫画家やなせたかしさんの場合も、そうであったらしい。やなせさんの作詞した歌『手のひらを太陽に』(作曲・いずみたく)が生まれて、今年で50年になる。
  • 漫画の注文もない不遇の時代に、深夜の仕事場で何となく懐中電灯で手を照らしていて浮かんだ詩句という。ぼくらはみんな 生きている/生きているから かなしいんだ…その歌はいま、被災地で歌われ、傷ついた子供たちの心を元気づけている。〈自分が一番元気の無かった時に作った歌が『手のひらを太陽に』だったのに〉〈人生というのは予測できない〉とある。

(2011-08-13 読売新聞>編集手帳)

 

[] 「啄木学級 故郷講座」9/3

啄木の思いの詰まった校舎で「啄木学級」を開校。啄木のふるさとの自然と人々に触れ合いながら,啄木文学についての理解を深める。

今年は、舞台美術家の長内努氏を講師に招き、講演や対談を行う。文学散歩もある。

  • 平成23年9月3日(土曜日)受付13:00 入学式13:15 終業16:00

  • 会場:石川啄木記念館内 渋民尋常小学校


  • 主催 盛岡観光コンベンション協会,石川啄木記念館
 ・後援 盛岡

 

[] 第21回啄木の里ふれあいマラソン大会2011 9/4

詩人・石川啄木の故郷 玉山を舞台に開催されるマラソン大会で,ハーフ,10キロ,5キロ,3キロの4種目20部門で行われる。今年のゲストランナーは,昨年に引き続きタレントの森脇健児さん。

  • 2011年9月4日(日)8時00分から13時00分まで
  • 場所 盛岡市渋民運動公園(盛岡市玉山区川崎字川崎1-1)

2011-08-12

[] 啄木の北海道放浪 教養講座 9/4

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[クズ]


札幌市資料館「教養講座」

  「石川啄木の北海道流浪」

  • 講師 札幌啄木会会長 太田幸夫 氏
  • 2011年9月4日(日)
  • 13:30〜15:00
  • 参加無料
  • 開催場所 札幌市資料館

  

  • 問合せ/申込み 札幌市資料館
    • 札幌市中央区大通西13丁目
    • 電話 011-251-0731 FAX 011-271-5921

2011-08-11

[] 石川啄木が「薄幸なる女詩人…」と日記に

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[キツネノカミソリ]


山川登美子企画展 、「明星」軸に交流紹介

  • 小浜出身の明治の歌人、山川登美子(1879-1909)が、詩歌誌「明星」を中心に歌友と交流した足跡を示す企画展「詠う心・歌の友」が9月26日まで、山川登美子記念館で開かれている。
  • 企画展では、「明星」のほか、与謝野晶子、増田雅子、登美子の合同歌集「恋衣」、雅子との手作り歌集「おもかげ草紙」などを展示。鉄幹、晶子と3人で京都で紅葉を楽しんだ様子を書いた晶子の文章「朝寝髪」、登美子の訃報を聞いた石川啄木が「薄幸なる女詩人……ついに死んだのか」と記す日記などを紹介している。(土岐直彦)

(2011-08-11 朝日新聞>マイタウン>福井)


  • 山川登美子記念館
    • 福井県小浜市千種一丁目10-7
    • TEL 0770-52-3221:FAX 0770-52-3221

2011-08-09

[] 啄木200作にメロディー

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[ひとやすみ]


啄木作品に人生経験重ね作曲

  • 哀愁ただよう詩や短歌で知られる石川啄木の作品に、青森市の白鳥花江さんが自作のメロディーをつけ、発表会を続けている。

  新しき 明日の来るを 信ずといふ 自分の言葉に 嘘はなけれど

  • 将来への嘆きや孤独の悲しさといった胸の内をさらけだす真っすぐな言葉に、寄り添うように響くピアノのシンプルな音色。白鳥さんが奏でるのは、啄木の詩や短歌に音をつけて2〜3分ほどに仕上げた曲だ。
  • 知人の勧めで手に取った啄木の歌集。病苦や貧困にあえいだ末、肺結核のため26歳で早世した啄木の訴えかけるような言葉に、「『私、1人じゃないんだ』と、救われる思いだった」。
  • 啄木の故郷・岩手県も沿岸部が甚大な被害に遭った。震災を機に新たに曲をつくり、秋には再び青森市でミニコンサートを開く白鳥さん。「こんな時こそ、1人でも多くの人に啄木の声を聞いてもらいたい。きっと胸に響くはず」と願っている。(岡部雄二郎)

(2011-08-08 読売新聞)

2011-08-07

[] インタビュー 段田安則「泣き虫なまいき石川啄木」

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[鉄塔]


石川啄木を身近に感じる井上ひさし流の評伝劇 段田安則

「泣き虫なまいき石川啄木」

  • 現代最高の戯作者、井上ひさしの戯曲舞台を数多く踏んできた段田安則さんのインタビュー。

「正直これまでは、石川啄木に対してさほど興味を感じることはなかった。でも井上さんの評伝劇というのは、その人物を嘘なく描いた上で、井上さんならではの視点で切り取られたおもしろさがある。啄木を単に夭折の天才としてではなく、家族という日常生活のわずらわしさと格闘しながら、必死に作品を生み出そうとしている一人の人間として描いていて。一気に啄木を身近に感じることができ、魅力的な人だと思った」


  • 石川啄木を演じるのは稲垣吾郎

「俳優というのは役を演じてはいるが、結局その人の人間性、人間味が出てしまうもの。そういう点で吾郎くんは、その人間味に嘘がなく、そこがとても心地いい。一(はじめ・啄木の本名)の少し飄々としていて掴みどころのないところとか、次第に苦悩を深めていく心情は、吾郎くんの色と合うのではないか」


  • 作品の核として大切にしたい想い

「夫婦の情愛、嫁姑の諍い、志半ばの挫折……、生きていくのは結構大変だけれども、その中でも人は希望を見つけていけるんだと。それこそがこの作品から伝えられる、一番大事なことだと思う」

  (野上瑠美子)

(2011-08-04 朝日新聞>夕刊>広告)

2011-08-06

[][] 先行予約「泣き虫なまいき石川啄木」

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[オトギリソウ]


「泣き虫なまいき石川啄木」プレイガイド先行予約実施予定

前売チケット取扱いプレイガイド各社において、一般前売日(8/28)に先駆けて、抽選先行予約が実施される。

  • シス・カンパニー公演

 作  井上ひさし

 演出 段田安則

 出演 稲垣吾郎、貫地谷しほり、渡辺えり、西尾まり、鈴木浩介、段田安則

2011-08-05

[] 「今夏、ほんの少し啄木を…」

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[飛行船]


アナクロですが  玉木研二

 <その96>今夏、ほんの少し啄木を

  • 歌人石川啄木(1886-1912年)が初めて東京で下宿した所、そして転々として終焉を迎えた地が、文京区の音羽から小石川にかけての丘陵地にある。こんな時代だからというわけではないが、行ってみたくなった。
  • 地下鉄有楽町線江戸川橋駅で降り、音羽通りを少し上がって目白坂下交差点を右折。急な八幡坂沿いに「石川啄木初の上京下宿跡」の案内プレートがある(文京区音羽1-6-1辺り)。 当時は眺望がかなりきいたらしい。
  • その坂を上がりきって、静かな住宅街を抜け、丘陵の尾根に当たる春日通りに出る。小石川5丁目交差点、桜並木で有名な播磨坂からちょっと入った所に、啄木が26歳の若さで病没した「石川啄木終焉の地」のプレートがビルに掲示されている(文京区小石川5-11-7)。

  • 有名な一首。

 <いたく錆びしピストル出でぬ/砂山の/砂を指もて掘りてありしに>

ちなみに後世に石原裕次郎主演映画「錆びたナイフ」の主題歌のモチーフになったともいわれる作品だ。社会矛盾への怒り、生きる苦悩、新しい表現の希求などがないまぜになった明治青年。ふつふつとわき起こり、行動に迷う思いがこめられていないだろうか。

  • 東日本大震災は啄木の次の一首を呼び起こした。

 <やはらかに柳あをめる/北上の岸辺目に見ゆ/泣けとごとくに>

  • 啄木は父が僧職で、岩手県渋民村(現盛岡市)の寺に育ち、盛岡中学に在学中から詩人の才能を現す。東京のほか北海道など転々とし、若くして結婚するが、生活は不安定で窮乏した。当時の社会主義思潮にも影響を受けた。元居住地というのは東京都心に何カ所もあるそうだ。秋にまた歩いてみたい。(玉木研二 専門編集委員)

(2011-08-04 毎日新聞>楽コレ!)

2011-08-04

[] 「心に咲いた花−土佐からの手紙」

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[たくさんの花]


土佐からの手紙:心に咲いた103編の花 大澤前支局長

  • 今春まで毎日新聞高知支局長を務めた大澤重人・周南支局長が、在任中の3年間に毎週書いた高知面のコラム「支局長からの手紙」をまとめ、「心に咲いた花−土佐からの手紙」として出版した。
  • 歌人石川啄木の父一禎と高知の縁を追い、憲法をお国言葉に訳す学習を紹介してその精神に思いを巡らせ、戦地から届いた軍事郵便を通じて家族の愛に触れ、平和を考える……。
  • 今回収録した103本はテーマごとに5章に分けて掲載されている。「知り合った皆さんと人間同士の付き合いが出来たことをうれしく思います。全国に通じる土佐の魅力をこの本を通じて伝えられれば幸いです」
    • 四六判293ページで1890円。【藤田宰司】

(2011-07-31 毎日新聞>地域ニュース>高知)

2011-08-02

[] 国際啄木学会「2011夏セミ」<その5(終)> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》


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[大室氏の発表]



国際啄木学会「2011年夏のセミナー」2011年7月3日(日)明治大学


<研究発表 -2>

「啄木の推敲意識」大室精一氏


はじめに

『一握の砂』『悲しき玩具』における推敲の前後関係を再確認しながら、啄木の繊細な推敲意識の一面について報告したい。


【『一握の砂』の推敲意識】

  (A-雑誌、新聞等、 B-『一握の砂』)

1 助詞一字の改変(十例ある)

  A ある日のこと 室の障子をはりかへぬ その日はそれに 心なごみき (『スバル』明治43年11月号)

  B ある日のこと/室の障子をはりかへぬ/その日はそれにて心なごみき ((『一握の砂』119)

雑誌が先なのではないかと推定した。


2 同一漢字の訓み改変(四例ある)

  A このつぎの休日に一日(ひとひ)寝てみむと思ひすごしぬ  三年このかた(『スバル』明治43年11月号)

  B この次の休日に一日(いちにち)寝てみむと/思ひすごしぬ/三年このかた(『一握の砂』116)


3 歌句の改変(十九例ある)

  A はても見えぬ 真直の街を行くごとき  心を今日は  持ちえたるかな(『精神修養』明治43年12月号)

  B はても見えぬ/真直の街をあゆむごとき/こころを今日は持ちえたるかな(『一握の砂』147)

明治43年の11月号どころか12月号も『一握の砂』のほうが推敲後だろう。


4 「句」から「行」へ(二例ある)

  A 真白なる大根の根の肥ゆる頃 肥えて生れて やがて死にし児 (『スバル』明治43年12月号)

  B 真白なる大根の根の肥ゆる頃/うまれて/やがて死にし児のあり(『一握の砂』546)

句の途中で改行している。そうするとどう考えてもAが推敲前、Bが後だろうということを考え続けた。推敲していくごとにまとまっていき、最後に『一握の砂』に編集を完了していったと考えた。すべての雑誌掲載歌が推敲前だと確認すれば、啄木の推敲意識は極めて単純になる。


『一握の砂』における推敲の法則

法則の一 推敲による定型からの離脱-1 「57577」から「字余り」へ

法則の二 推敲による定型からの離脱-2 「句」から「行」へ

法則の三 推敲を加えるたびに配列構成が完成していく



【『悲しき玩具』の推敲意識】


(略)


『悲しき玩具』における推敲の法則

法則の一 推敲による定型からの離脱-1 「57577」から「字余り」へ *「二句連合」の表現へ

法則の二 推敲による定型からの離脱-2 「句」から「行」へ *句の途中で行下げも

法則の三 推敲を加えるたびに配列構成が完成していく

法則の四 推敲による句読点の変化 「なし→読点→句点→諸符号(?!など)」


○ 現段階ではこのように考えている。まもなく発表が予定されている近藤典彦氏説とともにまた考えていきたい。



(国際啄木学会「2011年夏のセミナー」おわり)

2011-08-01

[] 国際啄木学会「2011夏セミ」<その4> 啄木行事レポート

《関連イベントに参加しての私的レポート》


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[日景氏の発表]



国際啄木学会「2011年夏のセミナー」2011年7月3日(日)明治大学


<研究発表 -1>

「石川啄木が読んだ英語資料のコーパス言語学」日景敏夫氏


はじめに

コンピュータが普及して調べたい事柄を検索すると、今まで膨大な時間をかけてきたものが瞬時にわかるようになった。そこで、先人が行った啄木の英語資料をコーパス言語学で研究しようと思った。

川並秀雄(1972)、大谷利彦(1974)、森一(1982)の分析・解説の資料を調べると、間違いではないかというところがたくさん出てきた。

当時、啄木が参考資料として選んだ本はすべて名作といわれるものばかりであり、現在も古典として国内外で読まれている。啄木がどこでその本の情報を得たのかは興味がある。


川並秀雄、森一が誤解している作品

モントゴメリー「黄昏」twilight について検証した。

川並秀雄は「Twilight という題の詩はなく、Moonlight の誤りと思う。」と述べている。森一は、「啄木の賛辞は、彼独特の独善的、誇張表現であろう。」と論評している。

英米文学辞典には詩人の Montgomery の名が3人でている。Robert Montgomery イギリスの詩人 1807-1855、Lucy Maude Montgomery カナダの児童文学者 1874-1942、James Montgomery スコットランドの詩人 1771-1854。その中のRobert Montgomery と Lucy Maude Montgomery の詩集には Twilight がある。

川並秀雄、森一は、「モントゴメリー」を James Montgomery と思い込んでいる。

しかし、Robert Montgomery の詩の「自然との時間は、神との時間なり。」「そのとき、感性が、めぐる空想を神聖化する;」「おお、黄昏よ!かくして、霊魂は知るであろう」「汝の優しき静寂から、昼間が拒絶するものを。」は、まさに「夕の歌として最上の者也、その宗教詩人たる丈信仰の念躍として紙上に現はる。」という啄木の絶賛に値する。

Twilight (Robert Montgomery)

An hour with Nature is an hour with heav'n, 自然との時間は、神との時間なり、

When feeling hallows what the fancy views ; そのとき、感性が、めぐる空想を神聖化する;

And thus, oh twilight! may the spirit learn  おお、黄昏よ!かくして、霊魂は知るであろう

From thy fond stillness what the day denies. 汝の優しき静寂から、昼間が拒絶するものを。

……

   (日景敏夫訳)



○ 啄木の読んだ twilight は Robert Montgomery なのである。


(研究発表-2 につづく)

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・石川啄木 年譜 ………… 26年と53日の生
・ローマ字日記………… 漢字と仮名では書けないことをローマ字で
・啄木文学散歩………… 息づかいの聞こえる ゆかりある場所を訪ねて
・啄木行事レポート …… イベントに参加しての私的レポート
・啄木の 女性たち ……… 啄木の人生を彩った「忘れな草」たち
・啄木と花 ……………… 歌に登場する花や木の資料

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