〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

札幌は秋風の国なり <その 1 >

啄木文学散歩・もくじ


北海道札幌市に啄木を訪ねて <その 1 >


「 JR タワー展望室 T38より北方向を望む」
北海道の天空にいちばん近い場所が、ここ。タワー最頂部の高さは 173mあり、展望フロアは 160mある。
写真中央よりやや右あたりに橘智恵子の生家(「林檎の碑」)がある。
地平線左方向に石狩湾が見え、その手前を札樽自動車道が横に伸びている。左は小樽方面、右は稚内方面になる。




「啄木下宿跡にある啄木胸像」
札幌市北区北7条西4丁目、札幌クレストビル1F。
写真右側の通りを10mほど進んで左に曲がり、150mほどで JR 札幌駅北口になる。




「啄木下宿跡の案内板」
『詩人・石川啄木が函館から札幌入りしたのは、明治40年(1907)9月14日のことである。札幌停車場に午後1時すぎ到着した啄木は、詩友・向井夷希微(いきび)らに迎えられ、彼らの宿でもあった「北7条西4丁目4番地・田中サト方」の住人となった。ときに満21歳。ここはその下宿があった場所である。
滞在2週間であわただしく札幌を去るが、勤め先の北門新報に「札幌は寔(まこと)に美しき北の都なり。」 の印象記を残し、またしても小樽、釧路へと放浪の旅に出た。』
(北区歴史と文化の八十八選)




「胸像の下部にある「秋風記」」

「秋風記」
札幌は寔に美しき北の都なり。初めて見たる我が喜びは何にか例へむ。アカシヤの並木を騒がせ、ポプラの葉を裏返して吹く風の冷たさ。札幌は秋風の国なり、木立の市なり。おほらかに静かにして、人の香よりは、樹の香こそ勝りたれ。大なる田舎町なり、しめやかなる恋の多くありさうなる郷なり、詩人の住むべき都会なり。




「啄木胸像」
人通りの激しい道にある札幌クレストビル。その一階のオープンスペースに、いつでも自由に逢える啄木さんがいることは嬉しい。




「 JR タワー展望室 T38より南方向を望む」
中央右にテレビ塔が写っている大通公園(「啄木像」)、そのずっと向こうに平岸林檎園(「啄木歌碑」)、写真には写らない眼下に啄木下宿跡(「啄木胸像」)、その左方向に新しい「啄木歌碑」のできた偕楽園緑地がある。
右手方向は室蘭方面。手前レンガ色ビルの真上の地平線近くに白く光る札幌ドーム、その左方向が千歳方面になる。


(つづく)