〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

日経Biz「没後100年を迎えた『石川啄木』」

  • わずか26歳で1912年に夭逝したが、没後100年を迎えて、石川啄木(1886〜1912年)の評価あらためてが高まっている。「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」「たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず」などの短歌で知られる、近代短歌を代表する歌人
  • 極貧の中、26歳で肺結核に命を奪われた。渋民村(現岩手県盛岡市)に生まれたが、故郷を離れて困窮の日々が続いた。
  • 歌集『一握の砂』初版は1首を3行書きにするレイアウトで、「五七五、七七」という常識を打ち破った。「ふるさとの山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」のような望郷の歌で知られるが、「はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る」のような仕事をテーマにした歌も多い。

(2012-10-22 日経Bizアカデミー)