- 国際啄木学会の2012年秋のセミナーは11月23日、東京都千代田区の明治大学駿河台キャンパスで開かれた。発刊100年となる歌集「悲しき玩具」を取り上げ、独特の三行書きに句読点、感嘆符などを加えた形式や推敲過程などから多面的に考察した。
- 講演は大室精一さんと松平盟子さん。パネルディスカッションでは、木股知史さんが大正期の歌人に与えた影響を指摘し、高淑玲さんは視覚と聴覚の両面を調和させたことを強調した。崔華月さんは日本語を母語としない人が歌集を読む難しさについて報告し、飯村裕樹さんは高校生に啄木短歌を現代語に変換することを通して理解を助けることを報告。言語や世代を超えた啄木作品の広がりに向けて可能性を示した。
(2012-11-27 岩手日報)