〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木が詠んだ 盛岡中の図書庫が里帰り


[コマユミ]


啄木が盛中時代に詠んだ図書庫 移築

  • 石川啄木の歌にも詠まれた旧制盛岡中学時代の図書庫(ぐら)が、町家群の並ぶ盛岡市鉈屋町地内へ移築される計画が進んでいることが分かった。盛岡市が、東日本大震災津波前に所在していた宮古市からの移築、活用などを検討したが、頓挫。図書庫はその後、ひっそりと盛岡地域へ〝里帰り〟を果たしており、今回移築される。盛岡市まちづくり施設整備事業に採択され、今年度内に移築が完了する見込み。

  • 図書庫の移築先は市道に面し、現在修理活用事業が行われている旧藤原家町家北側の私有地。渡辺氏は選考委のプレゼンで「啄木関連の施設としては形が残っているものとして最後のもの」と説いた。

  • 図書庫は盛岡中学校の校舎が内丸にあった時代の1892(明治25)年建造の土蔵。啄木は盛中時代に「学校の図書庫の裏の秋の草 黄なる花咲きし 今も名知らず」と図書庫に関する歌を詠んだ。

(2013-06-01 盛岡タイムス)
 

北の書棚:福地順一・著「石川啄木と北海道」

  • 歌人石川啄木が北海道に滞在したのは1年足らずだが、元高校教師で、啄木研究者としても知られる著者は「北海道時代の生活体験なくして彼の代表的歌集『一握の砂』はありえない」と断言。北海道の啄木を、交友関係、収入から下宿の間取り、滞在時の天候まで百科全書的にまとめて浮き彫りにした。
  • 「札幌はしめやかなる恋の多くありさうなる都なり」「小樽人は歩行せず、常に疾駆す」。啄木が抱いた街の印象も豊富に紹介。道内主要書店で購入できる。問い合わせは鳥影社(03・5948・6470)。(直)(622ページ、5040円)

(2013-06-01 毎日新聞
 

講座「没後100年、石川啄木は新しい」− 近代文学にふれる 7/20,8/31,9/21

朝日カルチャーセンター 京都教室

  • 講師 古澤夕起子 同志社女子大学非常勤講師
  • 内容 昨年が没後100年になる石川啄木を取り上げてきました。今期は、『一握の砂』を味わいます。この歌集は目次のある歌集です。冒頭歌「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる」をはじめ、今も愛誦される歌がたくさんあります。ご一緒に味わいましょう。
  • 2013年  土曜 13:00-14:30
    • 7月20日 『一握の砂』より「我を愛する歌」
    • 8月31日 『一握の砂』より「煙」(一)・(二)
    • 9月21日 『一握の砂』より「秋風のこころよさに」