2013-06-13 書ちゃ食ちゃ寝:ふるさとのなまり /青森 啄木 広場 「ふるさとの訛(なま)りなくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし」。寺山修司の歌集で、一番好きな作品だ。 進学で岩手から東京に出た後、テレビで東北の人が話すのを聞く度に「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聞きにゆく」という石川啄木の歌を思い出した。異郷にいる東北出身者の多くは、同様の経験をしてるのではないか。寺山の作品は、啄木よりさらに切ない。【伊藤奈々恵】 (2013-06-13 毎日新聞>青森)