〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木とドナルド・キーンさん


[ツルウメモドキ]


京都での交友「幸せでした」 キーンさん、京大で講演 

  • 戦後間もない頃に京都大大学院へ留学経験のある日本文学研究者ドナルド・キーンさん(93)が7日、京都市左京区の同大学で「京都大学時代に出会った人々」と題し、市民ら約500人を前に講演した。古き良き時代の京都で出会った人々のエピソードをユーモアも交えて語り、往時をしのんだ。
  • 1953年から留学したキーンさんは、川や森に囲まれた下宿から京都大へ通った。著名な学者や年齢の近い友人との交流も回想した。中国文学にも興味があったため中国文学者の吉川幸次郎と親睦を深め、故桑原武夫さんからは、石川啄木らキーンさんにとってはなじみの薄かった日本文学者について教わった。
  • 最後は「友達の多くに会えなくなってさみしい。でも京都で過ごした歳月は幸せでした」と結んだ。講演会は、同大学の出身者らが集う「第10回京都大学ホームカミングデイ」の一環で催された。

(2015-11-07 京都新聞

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<故郷の訛り懐かし停車場の人ごみの中…> 上昇気流

  • <故郷の訛り懐かし停車場の人ごみの中そを聞きに行く>。石川啄木の時代のように、故郷はもはや遠くはなくなったが、それでも、その訛りは懐かしい。先日、東京・銀座の歌舞伎座で開演を待っていたところ、後ろの席から故郷の方言で話す声が聞こえてきて、どうも気になった。
  • もれ聞こえてくる会話からすると、歌舞伎観劇を目玉にした東京観光にやって来たらしい。やはり地方の人々にとって、特に年輩の人たちには、歌舞伎座は憧れの舞台である。
  • 一方で、首都圏からの地方移住が大きなテーマとなっている。地方に行けば、自然があり、ゆったりした時間が流れている。ただ、文化的な催しや刺激は限られるので、物足りなさを覚える人もいるかもしれない。そんな時は、ふらりと東京へ来て、新しい空気を吸って刺激を受ければいい。こんな生活スタイルも悪くはない。

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