〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「船に酔ひてやさしくなれる/いもうとの眼(め)見ゆ…」石川啄木


[クリスマス]


風土計 -岩手日報-

  • 「船に酔ひてやさしくなれる/いもうとの眼(め)見ゆ/津軽の海を思へば」。1907(明治40)年、妹光子を伴い北海道・函館に渡った時を詠んだ石川啄木の歌。
  • 慣れない船旅は大変だったろう。波が立ち船酔いが多かったようで、光子もその一人だった。青森−函館間に開拓使が定期航路を開設したのは1873(明治6)年。そして啄木らが渡った翌年に国有鉄道青函連絡船が就航、スピードアップした。青函トンネルは、1988年に開通。
  • そして今、来年3月の北海道新幹線開業まで100日を切った。ダイヤが発表され、最速だと東京−新函館北斗間は4時間2分、盛岡−新函館北斗間は1時間50分。
  • 一方、在来線も応援したい。啄木と光子は足かけ2日で到着した。啄木をたどる旅なら、在来線とフェリーもいいかもしれない。

(2015-12-19 岩手日報

────────────────────────────────────