〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「うたふごと駅の名呼びし柔和なる 若き駅夫の眼をも忘れず」石川啄木


[コウジシ(紅獅子)]


河北春秋 -河北新報-

  • 望郷の歌人石川啄木には駅にまつわる歌が多い。駅名のアナウンスがホームに響く。< うたふごと駅の名呼びし柔和なる 若き駅夫の眼をも忘れず >。岩手から上京する青年の目に仙台の街はどう映ったか。
  • 駅の東西自由通路がきのう、新たに拡幅され、併せて大型商業施設もオープンした。青葉通やアーケード街に向かう西口を表玄関と呼ぶとすれば、人通りの少なかった面影は昔日のごとく。
  • ゆったり腰を下ろして、時を過ごせる所がもっとあっていい。苦言はこれぐらいにして、便利になったものと見上げていたら、年配の女性が見事な仙台弁で「あらー、美しぐなったごと」。少しほっとした。< ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の 人ごみの中にそを聴きにゆく >。

(2016-03-19 河北新報

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