〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 啄木忌関連イベント「猿と人」「♪レコード鑑賞会」石川啄木記念館 4/13, 4/28


[シダレザクラ]


石川啄木記念館  啄木忌関連イベント 無料開放&紙芝居「猿と人」

  • 開催日 平成30年4月13日(金)
  • 時間 13:30〜14:00
  • 場所 記念館 ラウンジ
  • 料金 無料
  • 定員 20名

啄木の命日4月13日には、啄木が幼少期に育った宝徳寺(当館隣)で啄木忌法要が営まれます。
それに合わせて、当館ではこの日を無料開放し、紙芝居を上演します。
啄木の作品「林中の譚(りんちゅうのたん)」(エッセイ「一握の砂」)はご存知でしょうか?
当日、これをもとにした「猿と人」のお話を、紙芝居でご紹介します。
作品をとおして、石川啄木を感じていただけたらと思います。


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 春うらら♪レコード鑑賞会

  • 開催日 平成30年4月28日(土)
  • 時間 10:00〜15:00
  • 場所 石川啄木記念館中庭 旧齊藤家
  • 料金 参加無料(申し込み不要)※ただし、別途入館料が必要です。
  • 定員 定員はありませんが、先着30名様に限り、「啄木ブレンド(お菓子付)」をご用意しております。

石川啄木記念館の中庭には、 啄木が渋民での代用教員時代を過ごした茅葺屋根のお家・旧齊藤家(盛岡市指定文化財)が移築されています。
啄木が住んでいたお家で、蓄音機やプレーヤーで啄木関連の音楽を聞いてみませんか?
当日は「啄木ブレンド(お菓子付)」(展示室見学の方で先着30名様限り)も用意しています。
「啄木ブレンド」は、当館近くの喫茶緑青(ろくしょう)のマスター花坂さんに、啄木が飲んだコーヒーを現代風に再現したいただいたものです。この機会にぜひ、一緒にご堪能下さい。
春うらら♪ 啄木に思いをはせながら、ゆったりとしたひとときをどうぞ!


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 「啄木と表現」新日本歌人

〇 新日本歌人
 「啄木と表現」──口語と文語をめぐって 田中 礼
啄木が詩歌でそのおもいを抒べる時、どのように口語、文語を使ったかということは、啄木の継承の上で大切である。そして口語、文語の問題を考える上に、明治時代での言文一致運動が前提になってくる。それは詩歌にも大きな影響を及ぼした。


  • 短歌についてはどうか。
啄木の歌は明治四三年に入ってから、口語的発想のものが多くなる。けれども、時代閉塞の状況、日韓併合大逆事件への反応のなかで、文語歌が現れる。これは、先の詩(「呼子と口笛」)の場合と同じであり、逆行現象のように見えるが、本質的には、むしろ画期的な作品を作ったことになる。

(16)何となく顔がさもしき邦人の首府の大空を秋の風吹く
(17)つね日頃好みて言ひし革命の語をつゝしみて秋に入れりけり
(18)今思へばげに彼もまた秋水の一味なりしと知るふしもあり


  • 啄木は瞬間(いのちの一秒)の意識、思想内容を基盤に置き、その表現のために、口語(現代語)と文語(昔の言葉)のそれぞれの長所を、自在に使い分けた。
(24)の「おやここに」に、(25)の「何か、かう」などは、口語でなくては表現できない意識であるが、同時に「二三行なれど」(24)や「ペンを取りぬ」などは、文語を活用して歌の調子を守っている。
先の文語歌にしても、(21)の「時代閉塞の現状を…」とか、(23)の「明治四十三年の秋…」とかいったように、いきなり現代語を押し出して古典和歌の調べを破り、新しい文語調とでもいえるものを作り出している。
啄木短歌の表現は、多くの継承してよい問題を含んでいるように思われるのである。

(2018-04-04 新日本歌人


新日本歌人HP