不満の目で、自分の動線をちょっと復習!


この言葉は『半径1メートルの「売れる!」発想術』(サンマーク出版刊)に出てきた言葉です。
著者は雑誌「通販生活」で数々のヒットを飛ばすカタログハウス商品開発プロデューサーの
吉川美樹(よしかわ・みき)さん。
吉川さんは次のように書いています。


商品開発のアイデア出しのために私が実践しているとっておきの方法、それが「動線の復習」です。
この方法はとても簡単です。
自分が起きてからの生活を、細かく思い出していくだけです。
朝、目覚めたところから、起きあがって、スリッパを履いて、洗面所に行き、歯ブラシを手にとって…
と順番に、逐一、自分の行動を思い出していきます。
とにかく半径1メートルにある細かい生活のディテールを一つ一つ復習して、悩みを浮き彫りにする。
その悩みを解決できる道具はあるかな?と考えます。


さらに言えば、不平不満たらたらで情景を思い起こすほうが、よりたくさんのアイデアが拾えます。
不平不満は、生活を良くしたいという願望の裏返し。
不満が強ければ強いほど、生活改善のための道具への執着も生まれます。


私の場合は、なにしろ生活そのものが不満だらけです。
マンションの間取りは1LDKの単身者向けで、そこに子供といるわけですから、もう狭いのなんの!
時間に追われている毎日に加えて、居住空間も不満がいっぱい。
はたから見たら、なんとまあ、同情すべきかわいそうな生活。


でも、このかわいそうな生活が私の貴重な財産です。
自分の生活における数え切れないほどの不満が、新商品を開発していくエネルギーとなっているのです。
不満の目で、自分の動線をちょっと復習!
それだけで、眠っている潜在ニーズの宝の山がザクザクと発掘できるのです。



身近で感じる不平不満を解消できる商品開発がヒット商品につながっていくのですね。
この本は月刊トークス2007年3月号でご紹介しました。
 http://www.talksnet.jp/backnumber_2007.html#200703