聖人像

 ニコ大百科 〜 止まるんじゃねぇぞ...



 オルガは、どこをどうしてか、この成り行きを見通していたにちがいない。そこまで見抜いていたにちがいない。オルガはあそこへの道を、自分がいた場所への道を、われわれに知らせまいとした。もしわれわれがそれを見つけたら、行かずにはいられなくなるのを知っていたんだ。
 ...そして、聖オルガは壁からおれたちにほほえみを向けている。ひきちぎられ、テープでつぎを当てられて、夜の壁の上に貼られたそれ、一枚の宣伝写真からの無数の複製が。きみは聖オルガを感じ、聖オルガの白い微笑を感じることができる。永遠に。

ウィリアム・ギブスン浅倉久志訳 『辺境』)

ジャガーマンシリーズ

いまさら言うことでもないんですが、たつきクライシスと日を開けずにジャガーマンシリーズが大量増殖(実際は最初の動画&フォロワーは若干前)したのは、セクシーコマンドーの発祥「圧制と戦乱に苦しんだ農民たちが気晴らしの憂さ晴らしのためにセクシーポーズを編み出した」を思い出しますね…

 MGタワーオブキマシ


 あれはハウス名作劇場の、南の虹のルーシーだったかその前後の何かだったかなァ。一家で欧州から南国に引っ越すのですが、序盤、主人公らの一家は(世界名作の漂流物や大草原の小さな家とかにもはや定番ですが)木を切ったり削って家を建てるところから始める。
 一方、となりの家は裕福なので「組み立て式の家」を欧州から南国まで持ってきたという。家の木材やら釘やらが既に切りそろえられ部品も揃った状態のものを全部船に乗せて運んできたというのですね。
 ひげづらお父さんやらお兄ちゃんやらが、その「組み立て式の家」に関する説明と共に、木を切ったり削りながら「隣は組み立て式だから、こんなことする必要がなくてうらやましいぜべらぼうめ」とか毎話、延々と口にしている、それが序盤の数話ひたすら続いていました。


 んで、なんでそんなのを思い出したか。これらのMAD、まさしく「組み立て式のキマシの塔」です。
 まるでバンダイのMGのように、あつらえたように目的にきっちりと合いパーツの合いも正確無比な部品が最初から、無数にそこらに散らばっている。無論、MGともなると部品の数は膨大で、自分などは途方に暮れるしかないのですが、いまどきのガノタもといMAD職人らにかかれば朝飯前にやすやすと部品を選びだしスナップフィットで組合わせ、ふた昔前のガレージキット原型師級の完成度のMS、もといキマシの塔を目の前に完成させてしまう。そんな時代です

 2017.9.25たつき監(ry

 アッハイそうきましたか……そういや艦これアニメの時も(原作ゲームの奇跡的ヒットを指して)「奇跡などそうそうあるわけがなく帳消しになって然るべきだったのぢゃ」みたいなボヤキが一部であって、それも必ずしもペシミズムとは言えませんというのはこれまでにも些細な奇跡たちが受けてきた仕打ちというのがあって、他ならぬ初音ミクについて「それまでに既に大量に理不尽に台無しにされてきたネットアイドル達(OS娘とか偽春菜とか)の怨念が遂に凝り固まった復讐鬼」みたいな評があったわけで。さて今回のも復讐鬼のごとく戦えるか見てみるとしようぞ

 あれはどこの子


 近所に住んでいた冷徹な優等生、メアリイ姉とはとにかくよくアニメの話をしたのですが、ひたすら不満ばかりで、ついぞ好評価を聞いたためしがない。実はアニメが好きで見ていたのに大人ぶったりひねて批判ばかりしていたツレンデヴァーゲンだったのか、あるいは、堅物の父母から「子供は子供向けアニメを見るもの」といって、ローラ妹と一緒に無理矢理に観たくもないアニメの映ったテレビの前に座らされていたのか。今の感覚では前者に萌えたいところなんでしょうが、小学生の頃から夜の9時から始まる江戸時代の未亡人が主人公の実写メロドラマとかを見たがって母親に叱られた話なども聞いたので、おそらくは単に後者だったのでしょう。成熟しすぎて子供だましが本当に嫌いだったのです。
 そんなメアリイ姉が、ことあるごとに激しい不満を叩きつけてくる話題があったんですが、それが「ハクション大魔王に出て来るアクビ娘がものすごくかわいくない」というものでした。
 んで今ふとそれを思い出して調べてみたのですが、キャラデザの段階ではこれは見れば見るほどに実に秀逸なデザインです。とはいえその当時に自分が実際に目にした作画や、今調べてわかるその当時のアニメ業界の事情を思い出してみるに、技術そのものを含めた作画の限界があり、当時の画面上のアクビ娘の姿がメアリイ姉にそれほどの不満を抱かせるものだったことは想像に難くありません。
 2Dでも3Dでも今の技術でこれを動かせば、おそらくは当時のメアリイ姉以上に眼が肥えてませくりかえった現代の子供達に、このデザインの秀逸さが伝達するかどうか

 ポーションメーカー


 とりあえずitunes


 なぜこのアプリを入れてしまったのか。それはかつて好きだった絵師(オリジナルで活動していたが某アニメの二次パロが受けて本家に釣り上げられメジャーデビューした途端にバクレツに劣化)の劣化前の絵柄を思い出したというたまたまのめぐりあわせに過ぎません。しかしこっちの絵師も調べてみると過去も今も結構絵柄が違っているわけで、要はシンプルな絵柄から進化したらそれが劣化って割とあるのよね……。
 ゲームとしての評価はクッキーBBAを幼女に入れ替えた同系統ゲームと説明されていることがあるのですが、あのBBAの天文学的なほどの奥の深さはなく、こっちを見て微笑んだり居眠りしたりする幼女のデスクトップマスコットに、暇なときにタップするゲームがついているだけ、とすら言える。デスクトップ幼女といえば偽春菜伺か)とか思い出しますがあれが一般に台詞が凝っていて、それこそ魔幼女キャラスキンには実在のウィッカの知識や技術を呟くものとかあったのですが、こっちは作中人物の裏設定を脈絡なく喋ったりジョジョパロを脈絡なく喋るだけで台詞に価値は全くありません。読まなくてもいいしまあ読んでもいい。なお作られた国(韓国)ではラノベ化されてヒットしているらしいですが他国ローカライズは100%ないらしく、設定などの内容も調査しても断片的な情報しか入ってこない。
 んでキャラゲーとしての評価を見ると、なぜか例によって「ごちうさ難民の避難先」という評があったりする。チノちゃんぽい、とかいうのですが実際はチノや響とは髪の色しかあってない。少女ばかりで男がいない世界、とかいうのですが実際はキャラにけっこうイケメンがいて、しかも濃いやつとかクールショタとか明白に変態だとか、おそらくごちうさ系少女日常物にいたら相当に目障りと思われるやつが。以前述べたもえくり2のように見かけがそのまんまとかいうわけではない。
 が、もえくり2は見かけはごちうさそのものかつ少女ばかりの(雌のみで単為生殖するのかと見まがうばかりの)甘々世界そのものと思わせておいて、実情は日常和みワールドとは程遠いまさしく地獄ゲーム、編成時点の戦略から戦場での戦術、すべてにおいて<九層地獄界(バートル)>の九大君主並の激烈な狡猾さと秩序組織統制を要求されるゲームでした。もえくり2はジャンルが「シミュレーションRPG」とかなっていますがレベル無関係(カンスト前提)での謀略地獄がゲーム本体で中身は完全にシミュレーション(もしくは、日本人の感覚ではSRPGにしか見えないタクティカルな海外RPG)。
 一方、こっちはジャンルが「シミュレーション」とかなっていますがたぶん他に分類のしようがないからでシミュレート性も思考性も一切ない。店を経営するからストラテジーとか分類できないこともないですがやりくりとか経営にあたって考えるような要素が一切ない。それを考えると、気が向いた時の何の意味のない台詞やタップでできているこっちが、ごちうさには実は近いというか、難民が避難したくなる世界かもわからんね