日々、想う。んで、記す。

プライドを持たない、節操を持たない、愛着を持たない、弱音を吐かない。

究極の鍛錬とはどんなもの?

ジョフ・コルヴァン『究極の鍛錬』を読了。数々の学びのパターンを見ていく本。ある教育工学系の勉強会で、課題図書になっているのを見て、図書館から借りだしてきました。おもしろかったのは、「究極の鍛錬は、あんまりおもしろくもなく、精神的にはとってもつらい」と認められていること。でも、ちゃんと継続的に行うことができて、継続的に「どう変わっていくのか」というフィードバックが受けられるというのが大事なのだな。
あと、訓練が重要とされる分野では3つのモデルがあるとし、「音楽モデル」「チェスモデル」「スポーツモデル」と分けているのもおもしろかった。仕事としては、ケーススタディもそうだし、ボードゲームを題材に使うものもそうだし、「チェスモデル」の、「自分ならどうするか、達人はどうしたか」を比較してくという「チェスモデル」についてちょっとしっかり探求してみたいな、と思いました。【→メモ:究極の鍛錬

究極の鍛錬

究極の鍛錬

必要になってくる、経済的な感覚としてのスキルというか姿勢

飯田泰之・坂口孝則『経済とお金儲けの真実』を読了。最近気になる経済学者といえば、飯田泰之さん。いろいろなメディアでお見かけすることが多く、こうして若手がどんどん出てくるアカデミズムの世界になってほしいと思っています*1。経済学というよりは、経済的な感覚としてのスキルというか姿勢みたいなことが多く書かれていて、よかったな、と。飯田さんパートの見出しがとっても刺激的で好きでした。曰く、

  • 教養に金を払え、資格に金を払うな
  • みんなに70点もらうより1人に100点をもらえ
  • 成功者ほど「努力のおかげ」と考えがち

あと、

会うことを嫌がらない感覚を身につける(飯田)(p.238-239)

  • とりあえず人に会える機会があるなら、なるべく会いに行って、直接しゃべっておく。
  • 何に時間を使うのかが自分にとっていちばん有意義かが定かでないうちは、とにかく人と会うことが嫌ではない、というような感覚を身につけること。
  • 早めに自分なりのコミュニケーションのキャラやスタイルを確立していくしかない。

っていうのは、昨年本当に「ああ、そうだなあ」と実感できたことだったので、まったく同感です。とにかく会いに行く、話してみる/話を聴いてもらうということで、動き始める何かがあるな、と思います。
共著者の坂口孝則さんのパートでは、専門家よりジェネラリストでしょ?と書かれている。

専門家よりジェネラリストを目指せ(坂口)(p.207-209)

  • 基本的に僕が見るかぎり、サバイブしていけるのは、専門家になるよりもジェネラリストになれる人だと思う。
  • 会社の中でも、さまざまな仕事が回ってきても、まずはそれをやって身につけること。
  • 企業の海外支社だって、頼りにされているのはジェネラリスト。
  • 宮台真司さんではないですが、今は国家とかイデオロギーとかに頼れなくなった「大きな物語が死んで、底が抜けてしまった」社会ですよね。そんな社会では、もう「自分はこういう専門の人間だ」というような確固としたアイデンティティに執着する態度は役に立たない。
  • 専門性が不要だと言いたいわけじゃない。むしろ必要なのは、専門性を前提としても、プライドを切り下げてジェネラリストを目指す資質や、柔軟性、サービス精神といったものなのではないか。

これも、今後10年とかのスパンで、どんな人材が求められているのかを考えるときには必要でしょうね。【→メモ:経済とお金儲けの真実

経済とお金儲けの真実

経済とお金儲けの真実

*1:そろそろ同級生たちも見かけることが多くなってきましたよ!

「うああ!」をきっかけにしたレッスン

幼稚園クラスと小学生クラスのレッスン。それぞれ、「Ear Tug」と「Quarto」をやりました。
「Ear Tug」では、目で見ずに手で触れているものがわかるか、ということから始めて、「五感ってなんだろう?」っていうディスカッションをしたり。限られた情報での推測を練習しつつ、すべての情報を集めるためにはどうすればいいか、と考えるのです。ダミーのパーツが3つだけ入っているのですが、これをひいちゃって「うあー!」と大笑いしながらプレイできます。「Quarto」は、しっかり情報を認識しなきゃいけないよ、ということを説明するためのものですが、ついつい情報を把握し忘れちゃって「うああ!」と思うことが多い。
どちらのボードゲームも「ああ!」と思うことが多いんですけど、それが実はいちばん大事で、「ああ!」というビックリが、学びのきっかけになるようにレッスンが設計されているのです。
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