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川柳しなの 書誌に句と随想   (石曽根民郎のブログ)

2012-01-31  去年来た信濃で道の世話なし

一月三十一日


  去年来た信濃で道の世話なし

            (川傍柳 三)




 長野県を東洋のスイスに――という言葉がある。山紫水明、高い山あり清い川がある。それに精密工業が盛んなところから、このキヤツチフレーズが生れたのであろう。自然のきびしさ、冬の長いこと、それが信州の産業と文化を特色づけるといわれる。美しい諏訪湖畔にのぞむ諏訪市と岡谷市。勤勉で仕事がこまかいということで精密工業が発達した。風土の良さもあるようだ。

 この句、むかしよその土地でかせぐ信州人のいつわらぬ日常性をうかがわれる。

     大食

 信濃から年季野郎を置しに、あまり大飯をくふゆゑ主人「これ野郎よ、手前などの国者は皆大食だが、あれにもなんぞ徳があるか」野郎「アイおらが国では大食すれば寿命が長いと云ひ申す」主「そりや又なぜ」野「ハテ大飯をくふ者を、しなぬ者といふでは御座りやせぬか」主「ハヽア、道理でいき国ともいふ」  (文政四年刊  かこい者の落咄)

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