2009-11-06
■[経済]勝間和代さんのデフレとの闘い

高名なエコノミストが、勝間さんの昨日の活動をみて、「勝間和代が日本を救う」と評した。英雄主義めいたことを書くのは勝間さんにも支持している皆さんにも申し訳ないが、こころのどこかで僕もそう思っているのを否定できない。
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2009/11/post-288b.html
の記事をみてそのプレゼンの水準が、きわめて高く、まさにデフレをまず止めよ、という戦略が直接聞くものに届くことがわかる。政府が選択肢に加えてくれたことを本当に願いたい。
■[雑談]国庫納付金とシニョレッジ政策

twitterで今日ふと思ったことを書く。思いつきのひとつなので不可能だったら指摘してほしい。
政府紙幣論というのがあるが、これはシニョレッジ(通貨発行益)をもとにした景気対策だ。簡単にいうと政府が独自に紙幣を発行し、その原価を除く部分を直接に景気対策に利用することである。これについてはこのブログの記事をめぐって、『週刊東洋経済』誌上から反論があり、珍しいブログ対雑誌の論争が発生したことがあった。
ところで通貨発行益はもちろん日本銀行に生じている。これを毎期、国庫納付金として政府に納めている。ちなみに今年三月は2500億円弱と前年度に比較して半減している。旧日本銀行法では国庫納付金の額が景気後退期では増額し場合によっては税収を上回ったという指摘がある。今年の決算をみると新日本銀行法ではそのような恣意性はなくなっているという指摘がある。
ところで下にリンクしたのが日本銀行法であるが、この国庫納付金の項目をみると第5項にかかわる必要な事項は政令が決めるとある。
参考:http://www.boj.or.jp/type/law/bojlaws/bojlaw1.htm#53
国庫納付金のベースは日本銀行の剰余金であり、これは通貨発行益から日銀の人たちの経費や人件費、配当、準備金などを引いたものである。配当や準備金などは日銀法をみると財務相の認可など制約が厳しい。
ところでひとつの思考実験だが、政令でこの国庫納付金の額を定めることが可能だろうか? 例えば財務相=政府が、政令で「2010年度中に2兆5000億円の国庫納付金を納めること」と執行命令を出すことが可能だったとしよう。5000億円がまあ通常の納付金だからそれに2兆円も上乗せされたことになる。つまりかって旧日銀法で暗黙にやられていたことを今回は明示的に政令の形で行う(コミットがはっきりする効果もある)。もちろん通常より増額の2兆円はそのまま政府が景気対策ー民主党が考えている様々な政策の財源になるだろう。
そして日本銀行は当然、この通貨発行益を生み出すために既存の「日本銀行券ルール」の見直しなど急速にマネーを発行する必要がでるだろう。
そこでここを読んでいる人に質問なのだが、私はもちろん経済法には疎い。以上のような政令で国庫納付金の金額と納付期限を定めることができるかどうかである。素朴な勘違いであるかもしれないが、ぜひお聞きしたい。御意見を待つ。
(付記)ちなみに日本銀行券の信用が低下するからだめ、という類の不可能論は必要ではないのでご遠慮願いたい。それとこの提案はもちろん非民主的な中央銀行へのプロテストの色彩が強い思考実験。もし納付しなかったら日本銀行差し押さえ まあこれは冗談だが笑。
■[経済]最終告知!「イイ経済学、ダメな経済学 ― エコノミストぶった斬り!」

シノドス&光文社共催の公開イベント「イイ経済学、ダメな経済学 ― エコノミストぶった斬り!」いよいよ明後日です。、そろそろ満席ですのでお申込みはお早目に。
珍しい秘蔵??資料も沢山用意しました。お楽しみに。
お申込みは以下から
http://synodos.jp/event/index.html#lecture03
しかし欲張りすぎてレジュメがえらいことに 笑
■[話題]津田大介『Twitter社会論』

宇野さん、荻上さんたちとの対談で、タイラー・コーエンの議論を応用してから、Twitterへの理解を深める必要を感じた。昨日はその最初の実践(リアルタイムのつぶやき)を実行した。テレビやラジオを視聴しながら、「それはいかがなものかと」というまるでお茶の間政談と記録の試みである。
本書はそのようなTwitterのもつリアルタイム性と伝播力の強さを、さまざまな事例で示している。また本書はTwitterが「監視」するツールとしても有効であることをその功罪両面を、事例豊かに説明していることでも特徴がある。巻末の勝間和代氏と著者との対談も教えられることが多いだろう。
twitterの伝播力で問題になるのが、そのつぶやきの信頼性だろう。これについても本書では、いくつもの具体的な事例で説明していて展望にすぐれている。例えば僕が前回やってひっかかったw ハーマイオニー死亡風説なども書かれていて微苦笑を浮かべた。
僕はどうもブログ中心の方が本来のライフスタイルにあっている。それは端的にブログの一日の固定読者数(だいたい2000から3000くらいだと思うが)を大きく下回る人数しか今日現在のところTwitterのフォロワーがいない(200人以下)ことにもそういう面がすこし表れているのかもしれない。まあ、少しずつ改善したいものだがw 目標は1000人超えw
Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
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■[経済]勝間和代・飯田泰之、TBSラジオアクセス

twitterで1時間近く実況してみたw 年がいもなく興奮した。自分が出たとき以上に 笑
http://twitter.com/hidetomitanaka
http://twitter.com/hidetomitanaka/status/5450819818
総括:勝間さんの物価上昇=所得をあげることと、再分配の区別による両輪政策の話はとてもわかる。僕はこの立場。 対して残念ながら飯田さんのはあまりに(ニューケインジアン的すぎて)デフレ対策を再分配とむすびつけすぎて、最初のふたりのリスナーに貧窮を耐えろみたいなふうに聞こえている。
ここの意見も参照:http://twitter.com/night_in_tunisi/status/5450542632



まず会計基準を読まないと検証できないのですが、日銀の責任で決めていいのか、財務大臣の認可が必要なのか・・・
あと、日銀法を読んでいたら、第56条を発見しました。(w
第56条 財務大臣又は内閣総理大臣は、日本銀行又はその役員若しくは職員の行為がこの法律若しくは他の法令若しくは定款に違反し、又は違反するおそれがあると認めるときは、日本銀行に対し、当該行為の是正のため必要な措置を講ずることを求めることができる。
法学部出身の私としては、速水総裁以来、歴代の日銀総裁は、「物価の安定」、「日銀の独立性」、「政府との協調」に関する新日銀法の解釈を間違えていると思うので、是正措置を命ずるべきだと思います。(w
会計基準を日銀自身が定めると基準の客観性とか公平性みたいなものに抵触するようにも思うのです。
あとこの第56条は強力ですね。もし今日のエントリーの思考実験が実行可能であれば、国庫納付金を政令の定める期限と額を守れなければ、他国のインタゲ同様に、日銀の政策当事者にコミットを要求できますね。ありがとうございます。
(あまりにも、単純すぎる解決法だけど、別に間違ってはいないと思います)
あと、勝間さんのプレゼン、さすがにうまいですねぇ。
週末にでも、twitterに入って、署名しようと思います。
僕の案は日銀のQ&Aの記述では、日銀自身も剰余金の根源を紙幣発行益と認識していますから、紙幣発行をせざるをえないわけです。
岩田先生の『日本銀行は信用できるか』の中で日銀の人事が東大法学部優位だと強調されていて思ったのですが、そういう人事を行っているのは事実でしょうけど、じゃぁ、そういう日銀の東大法学部出身者がまともな法解釈をしてるかというと、そうじゃない。
中原伸之さんの『日銀は誰のものか』に、中原さんが東大の佐々木毅先生に、日銀の独立性の意味を問う話が出てますが、佐々木先生が言われるように、専門行政だから任されているのであって、物価の安定に失敗すれば責任を取るのは当然です。
(佐々木先生は、専門は政治学で法学者じゃないけど、これは民主政治の基本ですから)
あまり詳しいことは書けないのですが、彼らの法解釈も、やっぱり”日銀理論”なんですよ。orz
政策委員会の責任で決めるみたいですね。
ttp://www.boj.or.jp/type/law/soshiki/kkaikei.htm
これが解説です。
ttp://www.boj.or.jp/type/ronbun/ron/research/ron0406b.htm
それと昔の事実上の「アコード」の記述もあったので、記念?に転載しておきますね。
日本銀行では、2004 年3 月末まで、時限的な政府との取引として、外為特会からの外債
の売戻条件付買入を行った。この外為特会からの外債の売戻条件付買入は、財務省が一時
借入金等の限度額に余裕がないと認める場合に、日本銀行への外債の売却以外の方法によ
り必要な円資金の調達が可能となるまでのやむを得ない時限的な対応として、2003 年12 月
に導入された。買入限度額は10 兆円、買入れを行う期間は2004 年3 月末まで(売戻期限
は、買入日から3 ヶ月以内だが、最長で2004 年6 月末まで延長可能。)とされた。
会計規程の1条に書いてあるように、この規程は、上位の法律や政令の範囲内でしか定められないので、おかしければ、日銀法56条の発動もできます。
気になっているのは、剰余金は、
資産ー負債
という式から求められるわけですが、シニョリッジ政策を発動して国債を買うと、負債も同額だけ増える点です。
つまり、国債を10兆円買うと資産も増えますが、同時に負債である銀行券や当座預金も増えるので、剰余金は増えないんじゃないかと気になっています。
・スパゲティモンスターさん
全くの門外漢ですので、間違ったことを言っているかもしれませんが
>資産ー負債
の負債は額面額ではないでしょうか。
思うに、(P/Lの)銀行券製造費用を(B/Sの)銀行券の額面額に付け替える際に通貨発行益が計上されると思うので、ご指摘のように、剰余金が増えないということはないのでは。
おそらく日本銀行内部で、P/Lの「銀行券製造費用」を、B/Sの額面額で示される「発行銀行券」に付け替える、製造原価計算書(のようなもの)を通して、剰余金に加える会計処理を行っているのではないかと思います。
まったくの想像ですので、間違っていたら申し訳ないです。
いいかたかえると剰余金を生み出すためには日銀は何をしなくてはいけないでしょうか? たぶん猛烈にいろんな資産を購入していくんじゃないでしょうかね。資産インフレやインフレがきてくれないとダメなくらいに猛烈にw。
はじめまして。
ご指摘の件は、よく考えてみます。
私のシニョリッジ収入のイメージは、日銀が政府発行の国債10兆円を買い取ったとすれば、
日銀
国債 10兆円 日銀券 10兆円
政府
政府預金 10兆円 国債 10兆円
日銀と政府のバランスシートを合体すると、
政府預金 10兆円 日銀券 10兆円
で、国債10兆円が消えたというイメージなんです。
私も、金融も、会計も、専門家じゃないので間違った理解をしていたらすいません。
先の私の発言は大きな誤解をしていたようです。
シニョリッジは、紙幣を作成した瞬間に発生するのではなく利子差額で生じるもののようです。
田中教授も、ジョークに近い思考実験という扱いのようですし、私のはてな日記に素人ながらシニョリッジの考えをまとめてみましたので、私に対して何かしら返答があれば、私の日記の方にお願いします。
田中教授、今回は私の考えの足りないコメントで、お時間を煩わせてしまい、大変申し訳ありませんでした。
いや、ジョークではなく、ただの「思考実験」というか、なんでも使えるものは使いたい主義なんですよ。
剰余金ってあまり考えたこともなかったので、発言が混乱してしまいました。
「剰余金がシニョリッジだったら、いっぱい納めろ!ゴルァ!」っていう意図なら分かるんです。
ただ、量的緩和をすると、剰余金が増えるという見込みがないと、法的な措置まではとれないのではというのが引っかかるんです。
この問題、もう少し考えてみます。
いろいろ発言を長引かせてすいませんでした。
それは日銀が多様な資産オペをしてもインフレにも資産インフレにもならないということと同じことになると思うのです。それならそれでもいいんですがw
J-S-5さんのブログから、本石町日記にまでたどり着き、田中先生の真意が分かりました。
確かに、喧嘩売ってますね。(w
ただ、日銀の資産運用益や資産の値上がり益は、日銀がどんな資産を買って、どういう風に運用するかでしょう?
これってまさに「中央銀行の手段の独立性」の問題のような気がします。
納付金額と納入期日を命令しても、「資産の運用益は、日銀の独立権、裁量権の範囲内だ」と反論されるのでは・・・
ところでそろそろいいですかね? お返事はいりません。
田中先生がツイッター実況された先日のアクセスが
ポッドキャスティングでフルに特別配信されてますね。
http://www.tbsradio.jp/ac/
アクセスは普段は番組の一部を編集して配信しているので、異例のことです。どうしたことでしょう。
デフレになった「後」で支払うので、ふぉわーどるっきんぐ(笑)な制御とは言えませんが、
「デフレ期待を払拭する確実な方法;負けない賭け」
http://d.hatena.ne.jp/Hicksian/20090215#p1
にあるように『デフレが続くはずがない』と市場が予測する効果は期待できるかもしれないなと。