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2010-01-31

[]日本経済新聞も少しは考えるべき 日本経済新聞も少しは考えるべきを含むブックマーク

 こういう記事を読むと、1)リーマンショック以後、一年以上、他国に比べて極端に低い金融緩和しかしなかったこと(日銀の資産増加率では約5%、イギリス、米国は130~140%)→デフレ進行、実体経済(失業率など)悪化の事実上の放置、2)昨年12月の日銀の「新資金供給」の変化率でさえせいぜい従来の規模の20分の1の伸び率→すでに多くの論者が効果が限定的を示唆、3)「デフレ」を目的にしながら日本銀行自体がデフレを審議して決定したといえない→政治的圧力によるきわめて恣意的な変更→市場の信任もなにもなし、4)3)を踏まえて多くの人は日銀の本音はデフレ対策ではなく「金利正常化」路線への早期復帰であり、景気対策ではないと考えておる→金融政策の効果を減殺している。

 もちろん日本の異常ともいえる風土(多くのマスコミの暗黙知であるように日本銀行の地均し≒事実上の政策内容の事前リークという対外活動)をギブンと考えれば、3)と4)は多くの記者たちは理解できない話かもしれないが、さすがに1)と2)は単純な統計数字の比較なのでおわかりいただけるであろう。つまり手遅れに近い状態で、その手遅れの状況をもたらしたところがあわてて少しばかり金融緩和しても、そりゃ効果ない。すでに12月のエントリーでも書いたとおり。そういう予測された結果をもとにした記事を書いて商売にするべきではない。人々が金融政策に効果がないという誤解を抱くように誘導する記事を事実上書いているに等しいでしょう。少しは考えてほしい。デフレが続けば新聞社自身でさえ大変な苦境に陥るんだから。

「量的緩和」でもマネー回らず 日銀デフレ克服難題

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100131ATGC3000J30012010.html

日銀が昨年12月に追加の金融緩和に踏み切ってから2カ月。市場金利の低下などの効果が浸透してきた。

「広い意味での量的緩和」(白川方明総裁)と位置づけ、金融市場に潤沢な資金供給を続けているためだ。

ただ企業の設備投資を刺激するなどの実体経済への波及効果は乏しく、デフレ克服への道のりは遠い。

2001年から06年までの量的緩和政策でも大量のマネーが市場で「空回り」したが、当時と同じ課題に直面している。

 従来の水準からリーマンショック以後、そして12月の「転換」以後どう日銀のバランスシートが変化したかをみなくてはいけないわけ。身長が高い人間のジャンプ力をみるのに、身長を加えてジャンプ力を測るのと加えないで測るのとどちらが正しい「力」の測り方だろうか?

[]すべての人に贈るだまされないための経済入門ーベストブックガイド100+1 すべての人に贈るだまされないための経済入門ーベストブックガイド100+1を含むブックマーク

勝間さん、宮崎さん、飯田さんの共著刊行を記念して以下にすべての人に贈る、一部の政治家・官僚・マスコミ・評論家や一部の経済学者、そしてほとんどのアルファブロガーやネットで自分の利害でしか書けないのになぜか経済を語る株式・資産運用者たちの放言などなどにだまされないためのブックリスト。

これ以上体系的でまた啓蒙的なブックリストは作成不可能。自信をもってお薦めします。とりあえず改行したところでひとまとめのコンセプト(僕と主張が違う本でも対立軸を明確にするため参考になる対論の本も掲載)。

まだ一冊も読んだない人はぜひ一読を。そして経済書を読んできた人は何冊読みましたか?

勝間和代、宮崎哲弥、飯田泰之『日本経済復活 一番かんたんな方法』

日本経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443)

日本経済復活 一番かんたんな方法 (光文社新書 443)

中島岳史・片山杜秀・高田里恵子・植村和秀・田中秀臣『日本思想という病』

上念司『デフレと円高の何が「悪」か』

岩田規久男『日本銀行は信頼できるか』

岩田規久男『世界同時不況』

岩田規久男『金融危機経済学』

岩田規久男『国際金融入門』

岩田規久男・飯田泰之『ゼミナール経済政策入門』

岩田規久男『テキストブック 金融入門』

田中秀臣『雇用大崩壊』

田中秀臣『経済政策を歴史に学ぶ』

飯田泰之・雨宮処凛『脱貧困経済学』

飯田泰之『経済学思考の技術』

飯田泰之『歴史が教えるマネーの理論』

原田泰『なぜ日本はなぜ貧しい人が多いのか』

安達誠司『恐慌脱出』

吉川洋編『デフレ経済と金融政策』(浜田宏一・岡田靖論文、原田泰・増島稔論文)

若田部昌澄『危機の経済政策

若田部昌澄編『日本の危機管理力』

芹沢一也・荻上チキ『経済成長って何で必要なんだろう?』

芹沢一也・荻上チキ『日本を変える「知」』

高橋洋一竹内薫鳩山由紀夫の政治を科学する』

竹内薫『バカヤロー経済学』

高橋洋一『恐慌は日本の大チャンス』

高橋洋一・長谷川幸洋『百年に一度の危機から日本経済救う会議』

高橋洋一『その金融政策が日本を救う』

高橋洋一日本は財政危機ではない!

竹森俊平『1998年ー世界を変えた金融危機

竹森俊平『資本主義は嫌いですか?』

アカロフシラー『アニマル・スピリット』

クルーグマン『危機突破の経済学』

クルーグマン『世界大不況からの脱出』

クルーグマンクルーグマン教授の<ニッポン>経済入門』

ジョン・テイラー『脱線FRB

スティグリッツ『スティグリッツ教授の経済教室』

原田泰・大和総研『世界同時経済危機

フリードマン&シュウォーツ『大収縮 1929−1933』

テミン『大恐慌の教訓』

松尾匡『対話でわかる痛快明解 経済学史』

稲葉振一郎『経済学という教養』(ちくま文庫版)

中原信之『日銀はだれのものか』

バーナンキリフレと金融政策』


田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』


クルーグマン『良い経済学 悪い経済学』

フリードマン『資本主義と自由』

クルーガー『テロの経済学』

鈴木亘『だまされないための年金・医療・介護入門』

駒村康平『大貧困社会』

山森亮『ベーシックインカム入門』

猪木武徳『戦後世界経済史』

中島隆信『大相撲経済学』(ちくま文庫版)

ウィンター『人でなしの経済理論』

ランズバーグ『型破りな智恵』

コリアー『民主主義経済を殺す』


橘木俊詔『格差社会

大竹文雄『格差と希望』

玄田有史・曲沼美恵『ニート

若田部昌澄『改革の経済学』

田中秀臣『日本型サラリーマンは復活する』

野口旭『エコノミストたちの歪んだ水晶玉』

野口旭・田中秀臣『構造改革論の誤解』

原田泰『奇妙な経済学を語る人たち』

野口旭『経済学を知らないエコノミストたち』

田中秀臣・若田部昌澄・野口旭編著『エコノミストミシュラン』

田中秀臣『経済論戦の読み方』

竹森俊平『世界デフレは三度来る』

竹森俊平『経済論戦は甦る』(日経文庫版)

小林慶一郎・加藤創太『日本経済の罠』(日経文庫版)

安達誠司『脱デフレの歴史分析』

野口悠紀雄『1940年体制』

岩田規久男編著『昭和恐慌の研究』

安達誠司デフレは終わるのか』

都留重人『市場には心がない』

小野善康『不況のメカニズム』

吉川洋『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』

森嶋通夫『思想としての近代経済学』

村上泰亮『反古典の政治経済学要綱』

岩田規久男『日本経済を学ぶ』

三輪芳明『計画的戦争準備・軍需動員・経済統制 − 続「政府の能力』

田中秀臣・安達誠司『平成大停滞と昭和恐慌』

中村宗悦『経済失政はなぜ繰り返すのか』

若田部昌澄『経済学者たちの闘い』

田中秀臣『不謹慎な経済学』

石橋湛山石橋湛山評論集』

石橋湛山『湛山回想』

野口旭編著『経済政策形成の研究』

長幸男『昭和恐慌』

長幸男『石橋湛山経済思想』

藪下史郎『非対称情報の経済学』

スティグリッツ『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』


岩田規久男『ゼミナールミクロ経済学入門』

飯田泰之・中里透『コンパクトマクロ経済学

飯田泰之『考える技術としての統計学

八田達夫ミクロ経済学?』

八田達夫ミクロ経済学?』

ブランシャール『マクロ経済学』上下

ゴードン『現代マクロエコノミックス』上下

スティグリッツ&ウオルシュ『入門経済学』

スティグリッツ&ウオルシュ『ミクロ経済学

スティグリッツ&ウオルシュ『マクロ経済学

クルーグマン&ウェルス『クルーグマン マクロ経済学

クルーグマン&ウェルス『クルーグマン ミクロ経済学

ダスグプタ『経済学』

補遺)

小学生から高校生レベルまでの経済書ブックガイドもあるのでご紹介

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090214#p1

さらに上記も含めてこのブログのさまざまな用途で作成したブックガイドの案内

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090410#p1

09年のベスト10

http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20091224#p1

今回のエントリーの最初の3冊(勝間・宮崎・飯田本、日本思想、上念本)は2010年に出た最新のおすすめできる経済書ということになります。

これぐらい説明を補足すればいいでしょう。で、みなさんは100冊すべて読んだ人はいますでしょうか?