アラン・ムーア他『スワンプシング』

 バイオホラーとでもいうべきか、あるいは思弁的ファンタジーとでもいうべきか、様々なアレゴリーに満ちた特異な作品であり、欧米ではきわめて高い評価を得ている連作の第一作目である。日本では翻訳はでないだろうなあ、と思っただけに、本を頂戴して驚いている。すごいぞ、小学館集英社プロダクション(笑。しかもこれからのラインナップをみてみたら、バットマンシリーズで、過去に翻訳があるものの現在はとても高額で取引されているアーカムアサイラムもまた登場するし、ヘル・ボーイも出る。きっといまが日本の海外コミック翻訳ものの戦後何回目かのブームなのではないだろうか? 少なくともここ数年で、アラン・ムーアについては主要著作の過半が訳された。あとできれば『プロメテイイア』(特に最終巻)『ロスト・ガールズ』をよろしく 笑。『スワンプシング』の日本版は装丁がおしゃれである。原著の表紙絵も別途収録されているが、個人的には日本版の方が読みやすいし、高級感があるのではないか。日本もマンガにはない思弁的な深さと想像力を見たい人はぜひ読んでほしい。

スワンプシング (ShoPro Books)

スワンプシング (ShoPro Books)