ディナーの前に『鹿屋 ゆたか農園』を見に行く


10月3日、午後1時半に鹿児島空港に到着し、Hさんに空港まで迎えに来ていただきました。
ディナー会場のある鹿児島市内までは車で40分ほど。時間にはかなりの余裕がありました。
車に乗り込むとHさんが開口一番に、


時間が沢山あるので、ウチの農園見にいきますか?


以前から一度、農園がどんなところかを見てみたいと思っていたので、二つ返事で「はい」とお願いをしました。
今年は7月に次いで二度目の鹿児島訪問で、だいぶ地理的なことは判ってきていましたが、車での移動となると、時間的なことも距離的なこともピンときません。軽く返事をしたのはいいものの......
実は鹿屋にまわってから鹿児島市内へ行くということは、寄り道どころではなく、大変な事でした。隼人から国分までいき、そこからさらに海ではなく山道に入り(おそらく504号線?)郷の景色をみながら約1時間15分ほどすると、山中の道がだんだん開けた土地にでて、「鹿屋(かのや)」という地名が目立つようになり、鹿屋市内へ。
関東に例えていうなら、上野から横須賀へ行くのに一旦反対側の千葉をまわり富津へいって、そこからフェリーで渡る...そんなようなことでしょう。


さて、Hさんの会社の本社の前を通り、唐イモや里芋を作っている農園を車中からみて、さらに野菜作りをしている「美里(みさと)ほ場」に到着。
「ほ場」はもともとは「圃場」(田圃(たんぼ)の「圃」と同じ)と書き、田畑・果樹園といった作物を栽培している場所の事をいいます。




沢山のシシトウガラシ
このシシトウガラシを7月末のディナーで食べて、とても美味しかった記憶がよみがえります。



発芽して間もない大根。
赤く丸く育った後は、美味しいお料理となってどこかの店のどこかのテーブル、どこかのお皿の上にのることでしょう。



黒い良質の土、そして雑草を生やさないために撒かれた籾殻の2色がきれいです。
一切の化学肥料を使わない、土壌改良もしない、なのにふわふわっとした黒土は見るからに野菜達を優しくはぐくんでいるようです。



エンダイブ」(フランス名「シコレ」和名「ニガチシャ」とも)
ほろ苦さが特徴のこの野菜は、サラダに良く使われますが、この日のディナーに登場する野菜なのです。



おもわず手をだして、ちぎって口に入れなくなるような衝動に。
ああ、夜まで我慢我慢。



丁度、農園責任者で前回のディナーでお会しているK村さんをはじめ、農園の方々が作業をしていらっしゃいました。
1つ1つの野菜に、本当に手をかけ大事育てている様子をディナーの前に見ることができて、夜のお料理がさらに何倍にも美味しくなる予感がしました。


そして案の定、最初の1皿目『フォアグラのプディング はちみつ風味 サラダと共に!』に出てきたエンダイブをみた途端、農園の景色や農園で作業をしていた方々の顔が浮かび、太陽と黒くて優しい土地の香りとともに、美味しくいただく事ができました。
会場にいた100人近い参加者の中で、使われている野菜の生まれ育ちを自分の目で見て食べたのは私だけ....
そう思うと無性に嬉しくなりました。




鹿屋 ゆたか農園

鹿児島県鹿屋市川西町3407-16
tel:0994-43-3671