越後松之山『「森の学校」キョロロ。』
なんともユニークな名前の施設ですが、十日町市立里山科学館です。
キョロロって?
市民・大学・民間企業らと共に地域の宝を研究し、その宝を展示・教育・体験活動・里山保全・産業活性などへ幅広く活用することにより、今までにない地域づくりを目指している科学館です。
(キョロロ。の冊子より抜粋)
キョロロとは
人と自然が共存している生態系’里山’。そのような日本の原風景が今も色濃く残る松之山で、里山の自然と文化を博士号を持つ学芸員、研究員が地域住民と共に調査・研究し、地域の魅力と不思議を楽しく展示する科学館、それがキョロロです。「キョロロ」という名前は、旧松之山町の町の鳥であったアカショウビンの鳴き声が「キョロロロロ〜」と聞こえることに由来します。
また、隣接する80haの里山(キョロロの森)を舞台に四季折々の自然観察会や森づくり・棚田再生といった里山保全活動を行い、多様な交流の場、感動の場を生み出していきます。
http://www.matsunoyama.com/kyororo/modules/tinyd0/index.php?id=20
この周辺には2003年に開催された「大地の芸術祭 アートトリエンナーレ」のアート作品が点在していますが、その中のいくつかがこの「キョロロ。」の中にもあります。
あるというより、キョロロ。の建物自体がすでに、1つの作品となっています。
http://www1.linkclub.or.jp/~ida-10/niigata4.html
残念ながら全景を1枚に納めることはできませんでしたが、林の前にどんと横たわるオブジェのような鉄の塊。
正確には塊ではなく、鉄板パネル(コールテン鋼)を外壁に使った、塗装を一切せず、あえて錆びるままにした建物です。
「里山」というキーワードは普段あまり耳にすることがありませんが、大昔から人間が自然とともに巧く暮らしてきた土地、そこが「里山」なのでしょう。
今はこの「里山」のバランスが壊されて、無理な人間の侵入によってケモノの住処や餌がなくなり、人間の領域を逆に侵してしまったり、無理な造成によって本来人が住まうことのないはずの地に住宅ができ、そして自然災害が発生し、起こるべくして起きた問題だけが表面化しています。
どうやって「里山」を保存し、暮らしていくか。
日本の原風景のような十日町の山間に入ると、このことの必要性が判るような気がします。
キョロロ。に隣接し、ブナ林があります。
その名も「美人林」。
まだ若いブナですが、すらっとまっすぐに伸び上がった幹は若々しい勢いを感じさせます。
林の外とはちょっと違った気温、そしてしばらく雨が降っていないにもかかわらず湿った地面。
マイナスイオンや沢山の鳥のさえずり声だけではなく、林や森の働きを身をもって感じることができます。
遅めの昼食は、このブナ林前にある駐車場の一角、「笑家(しょうや)」という茶処で「中食*1」を。
おにぎり、味噌汁、そしてちょっとしたお総菜のついたセットですが、このときは時間も遅かったせいか、残念ながら味噌汁がきれてしまったとのこと。
それでも店の外の席で、涼しい風に吹かれて食べること自体を楽しみたくて、「中食」を頼みました。
ちょっとその前に....
陶器はなんでこんなに泡を細かくするのでしょう。
冷え切った陶製グラスに注がれたビールは、いつまでも冷たく、美味しいものでした。
ちょっと大きめのおにぎりと、今日のお総菜の肉ジャガ、漬け物など。
御飯の美味しさを味わうための魔法の小品です。
http://www.matsunoyama.com/kyororo/
〒942-1411
新潟県十日町市松之山松口712-2
TEL:025-595-8311
Fax:025-595-8320
e-mail:kyororo@dolphin.ocn.ne.jp
「笑家(しょうや)」
http://www13.plala.or.jp/syouyamari/syouya.htm
新潟県十日町市松之山松口字原1225-1 美人林入り口
電話 025-596-3585
営業期間 4月雪解け〜11月下旬 (月曜定休)
営業時間 10:00〜16:00
*1:この地方に伝わる野良仕事の時に持っていった食事のこと