『ホルモー六景』読了


一月前くらいに『鴨川ホルモー』を読み終えていたのだが、たしかにこの本は『鴨川ホルモー』を読んでからの方が楽しめると思う。
鴨川ホルモー』が骨であれば、この『ホルモー六景』はその骨のいろんな部分につけられた肉のようなものだ。


先のエントリーでは、『鴨川ホルモー』を

決して深みのある内容の小説ではないと思うが、かといって最近の若手新進作家のようなあまりに世相や業界を衒ったものでもなく、そこは、ほのぼのとさえ思えてしまう学生時代の不思議な世界。

『鴨川ホルモー』読了 - tangkai-hatiの日記


と書いていたように、決して深い人間関係や情愛を描いたものでもなかったが、ようやくここへきてその流れの中にまつわる人間模様が、タッチを損なわずただ深く描かれ出した。
登場人物6人の周辺とその後を描くものだが、いきおい最初に深い小説をかかずとも、こういう展開も今はありあのかなと思う。



ホルモー六景

ホルモー六景