宇宙人襲来


 宇宙人が地球を侵略してきた。
 彼らは人類への攻撃方法として派手な爆撃を選ばず、何故かいちいち個人宅を訪れ、きっちり始末していく方法を採っていた。(後で地球を他の星人に売るから、なるべく綺麗にしておきたい、とか?理由はよく分からない。)
 宇宙人は、個人宅に侵入する際、姿を消すというか、無色透明になってやって来る。だからこちらとしては、彼らがいつやって来ているのか、なかなか分からない。もしや今この時、隣に居るのかもしれない。…という訳でとても怖い。
 唯一判明した彼らの弱点は、“はくさい”だ。だから、「奴等が来たみたい!」という有事の際は、四方八方に白菜をちぎっては投げちぎっては投げする。運良く奴らに白菜が命中すると、爆発するのだ。
 ついに、我が家もご多分に漏れず宇宙人の攻撃を受けるに至った。私は必死に白菜を投げ、見事一匹やっつけた。だがホッとする間は無い!他に忍び込んだ奴はいないか!?と神経を研ぎ澄ます私だったが、そのうち外が妙にガヤガヤしてきた。外を覗くと、近所の人たちが集まってワイワイ話をしている。何事かと聞きに行くと、「宇宙人らが総撤退をはじめたらしい」とのことだ。あわててテレビの報道を確認すると、宇宙人軍の美人総司令官とやらが、円盤等を引き連れて笑顔で空を飛んで行く、緊張感の無い映像が映っていた。そして「 おそらく、彼らの星でクーデターが起こった為、急遽、帰還するようだ…」という、何を根拠にしたのか分からない情報が流れていた。
 あほくさかった。