GameLogue

2031-04-18

初めての方へ

21:17

・概要

GameLogueは、ゲームデザインの分析サークルです。

在学中から日本のフリーゲームインディーゲームに関するフィールドワークを行い、フリーゲームゲームデザインなどを扱った論文学位取得しました

こちらでは主にゲームに関する文章、ゲームデザインに着目したクリエイターインタビューなどの企画からライティングまでをしています。

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学位論文

https://docs.google.com/file/d/0BxxUEcuEpiddcWFmdTF2NmlTSmFnd3NqSVlsYWZadw/edit

四月馬鹿達の宴』や『seraphicblue』など、

フリーゲーム(インディーズゲーム)を作品分析として扱った大学の卒業論文です。

ゲームにおける物語性について書いてます。

恐らく、日本で初めてフリーゲームをテーマとして扱った学位論文です。

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・もぐらゲームス

編集長の一人として運営を行なっています。

http://www.moguragames.com


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MMO-TRPG「Questnotes」

企画・シナリオ製作のディレクションなどを行っています。

http://www.questnotes.net/

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NYDGamer様に寄稿

RPGツクール』で創り続けた8年間――

コンテストパーク受賞作『Muspell』から

最新作『ACDC』まで ゲーム製作者巫女瓜氏、初インタビュー

■前編 http://nydgamer.blogspot.com/2013/09/rpg8muspellacdc.html

■後編 http://nydgamer.blogspot.jp/2013/09/rpg8muspellacdc_8.html

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ねとぽよにて執筆

ウディコン1位作品『帝国魔導院決闘科』制作の裏側に迫る――

ゲーム制作集団「川崎部」に1万字インタビューしてみた

(前編)http://t.co/TjOpfJhBUm

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power of gamesにて企画・編集

二次創作と物語、ゲーム性、課金…艦これプレイヤーたちが語りつくした「艦これ会議」http://www.powerofgames.org/2013/10/kancolle1/

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ゲームでビジネスを、そして世界を変える

――「ゲームのちからで世界を変えよう会議 Offline Meeting Vol.1」速報レポート

http://netpoyo.hatenablog.jp/entry/2012/02/22/162513

「ゲームのちからで世界を変えよう会議 Offline Meeting Vol.1」の取材記事を担当しました。

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ねとぽよ第一号

http://www.netpoyo.jp/sample/01/

「ぼくたちがかんがえたさいきょうのソーシャルゲーム」の座談会に参加させて頂きました。

実際のソーシャルゲームの作り手の方々とのお話は非常に勉強になりました。

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論文素案

http://d.hatena.ne.jp/tapimocchi/20110102

ゲームの論文素案です。

「ゲーム」における「物語」とは何か?

一般的な文学などの「物語」とはどう異なるのか?

などを書いています。

上記の学会発表内容の元になっています。



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2014-05-15

日本的RPGの見た夢のひとつ-『seraphicblue』

00:00

※この文章は『seraphicblue』のネタばらしを含みます。


プレイヤーに詰め寄る『 seraphicblue 』の魅力

『 seraphicblue 』は、2004年に発表されたRPGツクール2000製のゲームだ。公開当初から50時間を越える長編として話題を集め、2006年にはディレクターズカット版が公開された。今年2014年は、本作の公開から10周年となる。twitter上の #セラブル公開10周年祭 タグでは、いままさにファン主導による10周年記念企画が行われている(5/15 23:30現在)。

wikipedia:Seraphic_Blue

http://ja.wikipedia.org/wiki/Seraphic_Blue

『 seraphicblue 』をプレイしたのは2008年頃だった。難度の高い戦闘に挫折を覚えながらも、強敵に挑戦することのやりがい。そして伏線が複雑に絡み合うシナリオの、凶悪なまでの魅力。これらをモチベーションとし、ゲームを進みつづけていた。エンディングをむかえるころには、自分の中でゲームというジャンルにとどまらず、もっとも衝撃を受けた作品のひとつとなって、以来フリーゲームを集中的にプレイするようになった。およそ在学中の多くの時間はこの作品について考え続けていて、結局論文にまでしてしまった。

・『ゲームが語ること/ゲームを語ることの可能性』

https://docs.google.com/file/d/0BxxUEcuEpiddcWFmdTF2NmlTSmFnd3NqSVlsYWZadw/edit

本作は、いまでは多くのユーザーに楽しまれている。この作品にプレイヤーが感じた魅力とはなんだったのか?

ひとつは物語だろう。『seraphicblue』は、批評的な物語を提供する。シナリオとしてみた場合、表現上・ビジネス上の観点から商業作品では出せない、露悪的で、チャレンジングなものだ。人間の生きている社会、そして人間が生きることについて、徹底的にプレイヤーに詰め寄ってくる。これら物語分析については、本作の主要キャラクターであるヴェーネについて語った2万字の文章を公開しているburningさんがまとめられているので、こちらも読んでほしい。

・「ヴェーネ論」

http://dailyfeeling.net/vene2014.pdf

本作の主要キャラクター「ヴェーネ」について語った2万字の力作


・「クルスク家のテーゼの再考 ―絶望と希望の隙間で―」

http://blog.livedoor.jp/burningday/archives/51699110.html

本作の要となる、クルスク家の思想を読み解く文章


・「堀越二郎とヴェーネ・アンスバッハの辿り着いた地平」

http://seftyburning.tumblr.com/post/56996915759

宮崎駿さんの映画『風立ちぬ』と本作の関連について語る文章


・Seraphic Blueはポストモダニズムセカイ系作品か?

https://note.mu/seftyburning/n/n0cd9c02cabc7

下記の三浦玲一氏の著作などと絡め、本作を読みとく


burningさんとも話すなかでオススメさせていただいたのだが、『seraphicblue』を物語面から読み解くためには、三浦玲一氏の著作『村上春樹ポストモダン・ジャパン: グローバル化の文化と文学 』を参考とすることができるだろう。

amazon:村上春樹とポストモダン・ジャパン: グローバル化の文化と文学


『seraphicblue』がつたえたかったこと

結局、『 seraphicblue 』が伝えたかったことはなんだったのか。

作中では、ことあるごとに、生と死について描かれたり、語られている。とくに、多くは死について描かれているように思える。では、本作は死について描いた作品なのかというと、実はそうではないと感じる。死を描くことによって、一転して生を描こうとしていたのではないか。なぜなら、生きることを考える、ということは、生きることの真逆にある死を見つめ、そこからいかに離れるかを考える、というプロセスだからだ。

それに関して、seraphicblueの動画実況を行っている方の発言がとてもしっくりきたので、ここで引用したい。本作を語る上で、これ以上、言うべき言葉はないと感じている。

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日本的RPGの見た夢のひとつ-『seraphicblue』

『 seraphicblue 』が、ゲームの表現として革新的であったかというと、そうではないと思っている。

たとえば『 NieR Replicant / Gestalt 』のように、ゲームがプレイヤーの爪跡を記録するストレージであることに自覚的ではなく、『 四月馬鹿達の宴 』のように、プレイヤーとキャラクターの関係性について批評的であるという面はない。

それでもなぜ本作が、説得力をもってプレイヤーの印象に残っているのか。それはゲームシステムレベルデザイン、シナリオ、それら全ての錬度を徹底的に高めることによって、比類ない体験を提供してくれるに他ならないからだと思う。

事業戦略の比喩で語ろう。未知の市場を創出するか、既存の市場で頂点をめざすか?

seraphicblueは、後者を選んだ。日本のRPGという成熟したジャンルの中で、パワーゲームの勝者を目指した。そして実際に、その頂点の一部をつかんだ作品ではないかと思っている。日本的RPGの見た夢のひとつとして、かつてコンシューマRPGの目指していたものを現実とするべくして誕生した結果なのかもしれない。

機会があれば、制作者の天ぷら氏や、Digraの発表でseraphicblueを扱った伊藤憲二さんへのインタビューは、ぜひ行ってみたいと思いつつ、10周年を祝いたいと思う。

2013-08-27

【告知】コンテストパーク受賞から『ACDC』までの8年間ー「space not far」巫女瓜氏 初インタビュー

21:46

2013/09/08更新

インタビュー記事を本公開しました。ご協力頂いた皆様、ありがとうございました。

NYDGamer:

RPGツクール』で創り続けた8年間――コンテストパーク受賞作『Muspell』から最新作『ACDC』まで ゲーム製作者巫女瓜氏、初インタビュー

■前編 http://nydgamer.blogspot.com/2013/09/rpg8muspellacdc.html

■後編 http://nydgamer.blogspot.jp/2013/09/rpg8muspellacdc_8.html



RPGツクール』の販売元であるエンターブレインのゲームコンテストコンテストパーク」で受賞したRPG『muspell』や、ノンフィールドRPG『ACDC』の製作者であるゲーム製作者の巫女瓜さんに、初インタビューを行いました。

f:id:tapimocchi:20130828231519p:image:w360:left













作者webサイト:space not far(http://muspell.raindrop.jp/)

f:id:tapimocchi:20130828232050p:image:w440:left















インタビューは、現在Playismでも配信されているフリーゲーム『ふしぎの城のヘレン』のさつさんインタビューや、多くのインディーゲーム紹介記事でお馴染みのNYDgamerさんに載せていただくことになりました。

運営のハヤニエモズさん、ご協力ありがとうございます。

NYDgamer(http://nydgamer.blogspot.jp)

内容としては、巫女瓜さんのゲーム製作の「8年間を振り返る」企画という、『muspell』時代のファンも、『ACDC』で初めて氏のゲームをプレイした人も楽しめる記事に仕上がったと思います。

8年間『RPGツクール』に携わり、フリーゲームからインディーズゲーム製作までをカバーしている作者としてのお話は非常に貴重で、聞き手である私も、とても興味深く聞いていました。

f:id:tapimocchi:20130828233509p:image:w480:left

















インタビューの中では、


(『ファイアーエムブレム』から得たゲームデザインを語り)「ゲームを作る上で、楽がしたかった」

(ノンフィールドRPGの製作について)「マップが無くなったらもう勝ったも同然ですよ」

「プレイヤーへの嫌がらせが、コミュニケーションとして盛り上がってくれたら嬉しい」



という意味深な言葉も聞くことができ、ゲームプレイヤーのみならず、ゲーム製作、ゲームデザインに興味のある方も興味深く楽しめると思います。

f:id:tapimocchi:20130828233508p:image:w480:left


















そんな8年間を振り返る記事ですが、そのゲーム製作の膨大な時間を、全てを掘り下げきれたとは思えません。

そこで、この告知を見ている方!

もし巫女瓜さんに質問したいことがあれば、ぜひブログコメントに残して欲しいです。記事公開後に、集まった質問を改めて聞き公開したいと思います。

f:id:tapimocchi:20130828233505p:image:w480:left
















インタビュー記事自体は、8月末〜9月初旬に公開する予定です。

よろしくお願いします。



f:id:tapimocchi:20130828232858p:image:w480:left














はしもと(@HashimotoRST)はしもと(@HashimotoRST) 2013/09/05 00:29 せっかくの機会ということで、巫女瓜さんへ3点質問をさせていただきたいと思います。

・巫女瓜さんのゲームで使われている曲には落ち着いた雰囲気の曲が多い印象ですが、選曲の際特にこだわっている点などあれば教えて下さい。

・ムスペルやACDCにおいて、特にシステムウィンドウや手触りの部分などが独特で丁寧に作りこまれていると感じます。こういった部分を作りこむきっかけになった事、もしくは影響を受けた作品、あるいはその他の動機となっている事などがあれば教えて下さい。

・グリムボルト、ACDCにおいては「逃げる」「防御する」「全滅する」…といった、多数のRPGにおいて、目立っていない、もしくはあまり前向きに捉えられていない行動要素に活躍の機会を与える志向を打ち出していると思うのですが、他にもいわゆる"RPG"(もしくは他のタイプのゲームでも)の中であまり日が当てられていないな、と考えているような要素があれば教えてください。

以上、よろしくお願いします。

2012-03-08

下書き:いまさら、モバゲーFFの話。

14:59

【未完成のメモ書きです・・・】

さいきんモバゲーのFF(FINAL FANTASY BRIGADE:以下FF)をやっていて、初めての課金を奪われました。

ソーシャルゲームとしてのFFには「ゲームをいかにビジネスと繋げるか」という点の設計面で試行錯誤している部分が非常に伝わってきて面白いなと思ったので、それを書きます。

僕自身、ゲーム製作にはいくつか携わってますが、で働いてるわけではありません。専門的なノウハウも無いので、基本的には一介のヌルソーシャルゲーマーの言として、「週間少年ジャンプを読み終わっても未だ残っている潰すための時間」を潰すために読むくらいのゆるゆるスタンスで読んでもらえると幸いです。(ソーシャルゲームは50作品くらいしか触ったことがないので、「FFの他にも似たようなのがあるよ」というのがあったら教えてくださるとありがたいです)


まず、ソーシャルゲームは、

「数値」

「物語」

ストレスレス」

の三つの要素が重要になっていると思います

A.「価値」の低さ

FF BRIGADEは、「価値」が低いです。

それはたとえば、

1.キャラクターレベル・武器レベルといった「数的」価値。

2.ポーション類・レアアイテムなどの「物的」価値

のことです。

まず1.について、

RPGの「レベルアップによる成長」など「目に見えた数値が変動すること」は、ゲームプレイヤーにとって楽しみの一つだと思います。

FFでは、経験値が0の状態でスタミナを使い切った場合、LVによらず基本的に40〜60%くらいまで貯まる印象です。通常は成長するにつれてLVUPの速度が鈍化していくデザインが多い気がしますが、スタートからLV50後半現在まで安定して成長速度が一貫している印象です。つまり前提として、「レベルアップ」しやすいゲームデザインになっていると思われます。

「レベルアップ」という目に見えた変化のインターバルを上手く設計することで、ユーザーをモチベートさせやすいと思われます。

たとえば、どんなに戦ってもなかなかレベルがあがらないRPGだと、ユーザーのプレイモチベーションは下がっていきます。

FFでは無いですが「レベル○○ごとに新しい特技を覚える」という頻度をどのくらいかに設計するかという別の軸も組み合わさるはずです。

「レベルアップのしやすさ」といえば、武器・アビリティのレベルもかなり上がりやすくなっています。武器を鍛える合成アイテムは特に手に入りやすく、LV100あたりまでカンストすることも容易で、一回に数十レベルくらいアップしたときはユーザーに爽快感があります。

つぎに2.について、

他のソシャゲにおけるスタミナやバトルポイントを回復するアイテム的な立ち位置の「ポーション」「エーテル」類は、従来の100%回復以外に、50%、25%回復といったように分化させ、下位の回復アイテムを作り出しています。これら下位の回復アイテムは、なんとログインボーナスでタダでもらえます。つまり通常なら100モバコインほどで購入した回復アイテムが「もらえてあたりまえ」のレベルにまで価値下落していることと捉えることが出来ます。

ここで上記の経験地テーブルのゆるさが活かされます。無料で支給されるアイテムをつぎ込むことで、無課金でも「あと少しでレベルアップだけどスタミナが切れてしまった…まあ回復アイテムはまた明日手に入るし、使ってもう少しプレイするか…」といったように、ユーザーに長い時間遊んでもらう工夫として機能していると思います。ボーナスは毎日手に入るので、スタミナの数値にアイテムの効果値が自動的に上乗せされることを前提に設計されているといってもいいかもしれません。

つまり「アイテム」という形で「量的な数値」を「質的なモノ」として拡張することによって、「アイテム」を「自分の意思」で「使用している」という能動的な満足感を与えているとも考えられます。

そこには「無料」という「お得感」もあります。

課金強者のブルジョアたちがスタドリを飲みあさる光景を、僕ら低/無課金集団のために無料の下位アイテムを設定することで、ユーザーは喜ぶはずです。

FFの設計的な面白さのひとつかなと思います。

またレアアイテムは、通常レアはそれこそ山のように、SRですら無課金でもそれなりに手に入ります

対象の「価値」が低ければ、当然それを取得するための「労力」が少なくなります。

また、「価値」は「数値」として、分かりやすく可視化されています。

そこでなにが生じているかというと…

「目に見える変化の起こる頻度が、安定して高い」

ということです。

ソーシャルゲームにおいて「目に見える変化」の頻度を多くし、ユーザーにプラスの刺激を与えることは、

ユーザーを喜ばせ、心を掴んだ状態なっていてはじめて、ビジネスチャンスが生まれる

ことにもつながります。

つまり、無料の回復アイテムをガンガン使って、ガンガンレベルが上がったり、ガンガンレアアイテムが手に入ったりすることで「おいらっち強くなってるんやけど〜www」という爽快感を喚起することに成功しているということです。

B.「価値」の設計

「プレイヤーの行動を、いかに数値として可視化するか」という問題です。

FFでは、「探検ドリランド」における「キング」的なモンスターを攻撃するごとに「ジョブレベル」を上げるためのポイントが手に入ります。

これは現行のソーシャルゲームの枠で考えるなら、なかなか面白いことだと思っています。

例えば「ドリランド」では、ただボスを攻撃するだけでは得がありません。

FFの面白い部分は、「ボスを殴ること」のモチベーションとして、「物語性」を帯びた「ジョブ」という要素を作り出し、それに付随する新しい価値基準(ジョブポイント)を作り上げたことだと思います。

また、特別なボスと戦うことで「CP」というポイントが入手でき、これも景品と交換できます。(初回のみ少ないCPで入手可能というのがまたニクイです)

「あらゆる行動に価値を与え、可視化する」というメソッドを徹底している。

ゲーム研究者である井上明人さんの 「GAMIFICATION」でも触れられていますが、プレイヤーの行動を測定するセンサーを張り巡らし、数値として可視化することはゲームにおいては有効な手段です。手前味噌ですが、「ゲームのちからで世界を変えよう会議」さんを取材させていただいた際の、こちらのゲーミフィケーションの記事をどうぞ

ゲームの力で世界を、そしてビジネスを変える

1.価値の適度なデフレーションを起こす

2.パラメータを「アイテム」という形で拡張する

3.ユーザーの行動を効果的に数値化する

というのが、モバゲーFFにおける、ユーザーを意識したシステムの基本的設計思想だと思います。

貴重なアイテムを入手したときの喜びや、プレイヤーが能動的に参加している感が強まっているのかなと思います。

レベルなど数値上昇の基準を低水準にすることで、モチベーション維持を強めていると考えられます。

C.チョコボ

たぶん散々いわれてますがあえて。

これまでのソーシャルゲームの多くは、

静的なシステムとして備え付けられている「ガチャ」にお金を投入すれば、レアでクールなべリナイス☆強者(つわもの)カードをいつでも入手できるというものでした

FFは、そこに「チョコボ」という動的な要素を導入し、出現を偶発性に委ねています。

お金を「ガチャ」に入れて、めでたしめでたし…そして世界はレアカードの炎に包まれた…

というわけでなく、まずチョコボのエサ的なサムシングを購入して、それからチョコボ本体を見つけなければなりません。

つまり、「ガチャ!課金!レアカード!ドヤァ!」的な方式ではなく、「チョコボが現れた!→餌付けしろよオラァ!」という物語性を挿入することで、「課金に対する妥当性」を生み出しています。

ユーザーからの「情報提供」という形でも、餌付けの権利を得ることが出来ます。

しかし、ガチャマシンとちがってチョコボはナマモノだから、そりゃどっかいったりもするでしょう。

だから情報にも「48時間」という取得制限があります。このように課金機会を時限性にすることで、「やばい!早くエサをやらないと逃げる!」という背景から、気がついたら購入画面でクレジットカード番号16桁を入力している自分に気づくはずです(ぼくはそうでした)

日本での課金モデルは海外ではウケが悪いらしく(やはり「課金への妥当性」を筆頭に文化的な問題があるらしいです)、海外向けの対策の実験場としても機能させているのかな

物語をビジネスに用いる「ナラティブマーケティング」という概念がもてはやされた時期もあったそうですが、チョコボの事例は、ナラティブマーケティングの新基軸として位置づけられるのかなと思います。

http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E3%81%A7%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%E7%89%A9%E8%AA%9E%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0-SeriesMarketing-%E5%B1%B1%E5%B7%9D-%E6%82%9F/dp/4820744542/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1331187462&sr=1-1

いままでのオンラインゲームのようなアイテム課金の形に近づいていくのかなと思ったりします。

GREEさんはMMOっぽいソーシャルゲームをリリースしてたのでそれなのかな(まだやってないのでわかりませんが)

海外展開に向けた試金石として、システムによる「必然性」から、動的な「偶発性」に設計思想をシフトしたプロダクトの実験をしているのすることで、課金機会を物語的に自然と創出しているのではないでしょうか。

D.ストレスレスな設計

上記3点は、あくまで「ユーザーがプレイしてくれる限りにおいて」有効なポイントです。

これです。

FFは、あらかじめまとまった分の進行をダウンロードしている方式らしく、通常のクエスト進行における画面遷移がスムーズです(しかし相対的に、チョコボ出現→餌付け結果までの画面遷移がとんでもなくだるく感じる人が多いという話を多く聞くので、さらなる改善の余地があるのかなと思いました)

ストレスレスに関しては、インディーズゲーム製作者であるモスーさんのゲーム設計思想を、現行のソーシャルゲームに当てはめられる部分もあるかなと思います。

ゲームを作るときに力を入れている所はありますか?http://theinterviews.jp/mos_taro/71972

「ゲームプレイヤーは一秒でも長くゲームに干渉していたいのです」

ーー

上記とはずれるのですが、

FF以外でも思うのですが、クエストの合間に出現するボスが現状ただの生きたサンドバックと化していることが多く、存在の必要性が薄いと感じるので、なにかしら修正を入れることもできるんじゃないでしょうか。

たとえば経営学文脈において、様々な事業部門が共同して営みを行う企業体において、機能していない部門は、

1.活性化させる(ボスに何らかの意味を持たせる)

2.撤退する(ボスをなくす)

のどちらかだと思うので、なにかしらの処置をとってもいいんじゃないでしょうか。

ーー

多くのユーザーに楽しみながら課金してもらうためには、上記の「数値」「物語」「ストレスレス」の3つの要素が、今後のソーシャルゲーム設計において重要になってくるのではないかと考えます。

非常に質の高いソーシャルゲーム分析などを行っているgigirさんやrikzenさんのような記事を書きたかったのですが、専門的アプローチが出来ないノーバリュー文系ゴミ人間パーソンの僕にはこれが限界でした。

とりま、FFは、一般的に思われているソシャゲの「ガチャ☆ウハウハ」なバブリーイメージとは裏腹に、プロダクトとして堅実に作りこんでいるものだなと思いました。既存のソーシャルゲームノウハウをぎっしりつぎ込んだ、という所感です。徹底した価値のデフレにより、初動でプレイヤーを掴むことに成功している印象ですが、今後にどういったアプローチをするのかが気になります。レアアイテムが出すぎは、有り難味の無さに繋がり、ユーザー離れに繋がるかもしれません。

モバゲーの「アリス大戦」とかちょっと触ってみると、物語性を重視した設計や時間別ログインボーナス(ランチボーナス、イブニングボーナス)、デートイベント(これはギアスにもありますね)など、新しい設計の形を模索しているんだなと感じることが出来ます。DeNAさんの今後のプロダクトを楽しみにしたいですね。