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2006-12-11

著作権保護期間の延長問題を考える国民会議(´・ω・`)

| 著作権保護期間の延長問題を考える国民会議(´・ω・`)を含むブックマーク 著作権保護期間の延長問題を考える国民会議(´・ω・`)のブックマークコメント

 の第1回シンポジウムに行った。保護期間が従来の50年から70年に延長されそうな動きになっているのを危惧した発起人たちが、延長賛成派と反対派の両方に声をかけて実現したもの。別に熱い興味を持っているわけでもないけど、発起人リストの中に竹熊健太郎ってあったので申し込んだんだけど、ご本人は入院しちゃっていたので残念〜。

 パネルディスカッション参加者(敬称略)は、反対派が青空文庫の呼びかけ人の富田倫生*1評論家山形浩生*2劇作家平田オリザ*3、賛成派が作家三田誠広*4漫画家松本零士。あと、経済学田中っていう慶応先生*5が反対派なんだろうけど中立っぽい感じでいて、司会も慶応教授。両者の言い分は、http://thinkcopyright.org/reason.htmlに書いてある以外のことは取り立ててなかったと思うし、今回の話し合いで何かが決まるわけでは毛頭ないけど、ひとつ、平田オリザ氏の提案はイイ!と思った。

 このままいくと、アメリカの圧力で70年に延長になる可能性は結構高いので、そうなっちゃった暁には、延びた20年間で生じた利益の半分をユニセフのような機関に寄付し、もう半分は若手文化人育成に役立てることを世界に宣言してしまおうぜ、というもの。アメリカに歩調を合わせながらも世界に新しい価値を根付かせるしなやかにして強い竹のような独自提案という感じでとてもカコイイ! 

 もうひとつ、イイ!と思ったのは、青空文庫の人が引用した芥川龍之介の「後世」というエッセイ。泣けた。当然、これも青空文庫に収録してあるので、こうしてコピペも自由にできる。

 時々私は廿年の後、或は五十年の後、或は更に百年の後、私の存在さへ知らない時代が来ると云ふ事を想像する。その時私の作品集は、堆(うづだか)い埃に埋もれて、神田あたりの古本屋の棚の隅に、空しく読者を待つてゐる事であらう。いや、事によつたらどこかの図書館に、たつた一冊残つた儘、無残な紙魚(しみ)の餌となつて、文字さへ読めないやうに破れ果てゝゐるかも知れない。しかし――

 私はしかしと思ふ。

 しかし誰かゞ偶然私の作品集を見つけ出して、その中の短い一篇を、或は其一篇の中の何行かを読むと云ふ事がないであらうか。更に虫の好い望みを云へば、その一篇なり何行かなりが、私の知らない未来の読者に、多少にもせよ美しい夢を見せるといふ事がないであらうか。

 私は知己を百代の後に待たうとしてゐるものではない。だから私はかう云ふ私の想像が、如何に私の信ずる所と矛盾してゐるかも承知してゐる。

 けれども私は猶想像する。落莫たる百代の後に当つて、私の作品集を手にすべき一人の読者のある事を。さうしてその読者の心の前へ、朧げなりとも浮び上る私の蜃気楼のある事を。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/33202_12224.html

 おれには、「北の国から 〜遺言〜」で田中邦衛が鼻汁だくだくで読み上げた遺言と同じ質感に感じられた。この言葉存在に気づいただけでも、シンポジウムに行った価値があったと思う。

 そして、そんなこんなで思い出されたね。自分が昔、この仕事につく前に何度も想像して悦に入っていた状況が。そこでの主人公はにきびバリバリオナニーバリバリのしがない中学生男子本屋でおれの本をたまたま立ち読みしたら結構気に入っちゃって、小遣い握りしめてレジに向かうんだけど、いや、でも待てよ、これ買っちゃうと新しいエロ本買えないなー、と思い直して本を棚に戻してそそくさと立ち去るんだけど、途中でふと、オナニーばっかりしててもなんだかなぁって思いが湧いてきちゃって、そんでまた本屋に引き返してきて買おうとするんだけどやっぱズリネタの魅力もそう弱いもんじゃないからまた何度も逡巡して逡巡して、で、30分ぐらい悩んでから、やっと決心しておれの本を買ってくれて、それをおれは柱の陰からどきどきしながらずっと盗み見ているのだ。久しく忘れていた映像フラッシュバック舞台はいつも札幌市生協西岡店の2階にあった本屋だったな。。。

 それはそれとして、シンポジウムw がっくりしたのは、松本零士。作り手側の苦労に思いを馳せろ、の一点張り槇原敬之との争いも最近あったし、きっと鋭い一家言でもあるんだろうと思っていたが、呆れた。ただ、最後に、喧嘩ムードではなく和やかに、みたいな発言は年の功っぽくてよかった。

 もうひとつ。子供がいないパネリストは延長に反対、子供がいる人は延長に賛成なんですな、という指摘が会場からなされて、それは結局、自分の死後、作品による経済的利益をより多く子孫に残したい、だから保護期間は長い方がいい、っていう主張だったんだけども、子供財産なんか残して甘やかしちゃだめだろ。金を作る人は金を残せばいいだろうけども、ものを作る人は、自分の作品を残せばいいんじゃね? 作品じゃなくても人生だけ残せばオケーじゃね? 後世の最大遺物は自分の人生だって、内村鑑三先輩も書いてたんだからね。

 おれなんて、自作を他の誰もおもしろがってくれなくても、おれの子供なら将来きっとおもしろがってくれる、と根拠レスで信じながら死んでいくんだからね。イエース、おれはお目出度き人。

*1室井滋を男にした感じのフェイス

*2:他人が話しているときにニヤニヤする癖ありw

*3テレビで見るのとまったく同じ印象

*4:僕って何!

*5:他人が話しているときにぶつぶつつぶやいたり手でオーバーアクションする癖ありw

okatacookataco 2006/12/12 15:41 「保護期間が従来の50年から70年」って作者の死後の年数なんですよね。それを20年延ばしたところで喜ぶのは遺族だけと山形さんが雑誌で切り捨てておられたような記憶があり、ソダソダと頷いた記憶もありです。著作権はなんか盲点を突いたような本を出したいですよねーw 今度、そんな話を肴に飲みましょうですぅ。

taquaitaquai 2006/12/12 17:53 延長賛成派の人は、遺族の繁栄をすげー重視してるみたいでした。別次元だと思うんですけどね。。。忘年会歓迎!