漁書日誌 3.0

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和洋会など

和洋会2日目の土曜日。
新宿バスタからの高速バスで山中湖の三島由紀夫文学館に向かうために、少し早く家を出て正午過ぎくらいに古書会館をちらと覗く。注文していた、生田耕作訳「フランスの愛書家たち」(奢灞都館)特装120限8000円、天井桟敷上演台本「奴婢訓」2700円はハズレ。唯一、東宝ミュージカルのパンフ「パノラマ島奇譚」のみ当たる。20分くらい会場をザッと見て、ほかに1冊のみ購入。


大映1961フィルムリスト500円
これは配給する劇場なんかに渡す営業用のカタログだと思う。大映は他に翌年のものなど2冊、松竹、日活、東映、新東宝もあったが、各500円はちょっと高い。ということで、参考用に大映のみ1冊購入。ちょうど、「からっ風野郎」が出ている。昭和36年のもののみ、ではなく、36年時点で貸し出せるフィルム一覧みたいなもの。

パンフ「パノラマ島奇譚」3240円
ちょっと高かったが、これは前から欲しかった。昭和32年7月に東宝ミュージカルとして宝塚劇場で上演されたもののパンフである。乱歩の「パノラマ島奇譚」のアダプテーションといえば、石井輝男の映画と、丸尾末広などのコミックがあるが、これを舞台でやったというのは、あの世界をどうやって具現化したのかなかなか想像出来ない。どんな舞台、美術であったのだろうか。装置図スケッチみたいのは小さく入っているが、よくわからず。ただし、パンフに口絵のようなカラー図が入っていて、この図のキッチュさというかキャムプさというか、それが当時の造形を一部想像させるようなものであった。



いやでも、これだけ見てもよくわからない。ウツボみたいな女は一体なんなのか、花弁の中心に女が咲いてる人首花に途中で切れてる女とか、なんだかよくわからないが、とにかくキッチュで悪趣味だったろなというのはわかった。ちなみに、パンフを読むと、往時の連鎖劇のように途中で「特殊映画」上映があったようである。舞台上に上映して特殊な効果を狙ったのか。円谷英二が監督である。当時としては新しいミックスメディアだったのか、昔懐かし連鎖劇のようなものであったのか。劇評など細かく調査すれば少しはつかめるかもしれない。
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25日の日曜日は、三島由紀夫文学館にて(というか正確には会場は隣の徳富蘇峰館ホール)90分ほどの講演をさせていただいた。緊張したが、いざはじまるとスムーズに話すことが出来たのはよかった。
で、高速バスは渋滞、4時間ほどかけて新宿に戻ってから電車で帰って帰宅してみると、先日ネットオークションで落札した本が届いていた。

矢野龍渓「訂正 浮城物語」(近事画法社)明治39年1月17日初版カバ付2600円
独歩がやっていた近事画報社からの再刊版で、多色刷木版口絵が1枚入っている。カバー付で安いと入れてしまったものだ。抜かれると思っていたのだが…お陰でかなりの金欠になってしまった。