漁書日誌 3.0

はてなダイアリー廃止(201901)を受けてはてなブログに移設しました。

師走の古書

師走である。昨日22日は日生劇場宮本亜門演出「プリシラ」を観に行ったのだが、異様に生暖かい風が吹きまくり、寒いというよりは暑い。ポツポツ雨も降っていたものだから、12月であるのにもかかわらず、4〜5月の台風前の気候を想起させ、ここのところの天気や寒さを考えると、なんとも異様な雰囲気であった。
で、日月とやった新宿展やらネットでの古書の買い物やら献本やらを紹介。
まずは新宿展。日曜日に行けず月曜日忘年会前の閉場間際に滑り込んでザッとだけ見た。

中岡哲郎「日本近代技術の形成」(朝日選書)カバ500円
小宮豊隆夏目漱石」(岩波文庫)上中下カバ揃400円
高橋秀晴「出版の魂」(牧野出版)初カバ帯600円
福田定良「気質〈かたぎ〉の話」(創文社)初カバ欠100円
山本容郎「ここだけの話」(潮文庫)初カバ100円
新宿展では「日本近代技術の形成」を購入。そういえば、エレキギターが会場のGケースに入っていたが、そりゃ売れないだろう。会場を出た後に田村書店の外ワゴンから小宮の漱石評伝。一応持っておこうかと。
それ以下のものは、地元のよく覗く古本屋で購入。「出版の魂」は新潮社(新声社)創業者である佐藤義亮の評伝で、「秋田魁新報」で連載されていたものの由、全く知らなかった。気質のは、「叢書・身体の思想」の一冊。このシリーズはなかなか面白くて、型とか道とか数冊買っている。「ここだけの話」は三島由紀夫のエピソードがチラッと出てくるので。


「文芸倶楽部」明治41年2月2200円
木版口絵は梶田半古。普段ならこんなものを落札はしなかったと思うのだが、生田葵山の「都会」掲載号であったので思わずネットオークションで落札してしまった。「都会」によって発売禁止になり、しかもこの発禁をきっかけにして当局の取り締まりが厳しくなっていった過程については、既に研究もあるので今更な話だが、これだけのために2千円は高かったか。
****************************
献呈して頂いた三島論、お送り頂きましてありがとうございました。

高橋睦郎在りし、在らまほしかりし三島由紀夫」(平凡社
「在りし、在らまほしかりし三島由紀夫」は作家論から回想までを含む著者の三島論集大成で、待望の一冊。この本を編集し解説を書いているのが井上隆史氏で、氏の解説文もこれまた瞠目の一文。白のカバーにタイトルの銀箔が映えます。