災害関係記事メモ

[災害][平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震]「人は簡単に『忘れてはいけない』という。でもね......」外国人歴史家が体験した3.11

 実際、災害で混乱した状況の中にいると、自分の目の前以外の情報が全然手に入らなくなるんだよな。停電なんかで、マスコミとの接触を絶たれると。外では、大量の情報が流れまくっているにもかかわらず。
 あとは、外部に避難先がある人は一旦外に行ったほうがよいとか、精神的ケアではなく自律的な立ち直りがレリジエンスとか、混乱の中でギリギリの秩序とか。地元に根付く外国人とか。
 文化的アイデンティティの再建も重要な「支援」と。あと、地元と他の場所の温度差。ほんと、京都から熊本に帰省したとき、テレビの番組構成も全然違って、唖然としたんだよな。

東北の農民の古き良き伝統みたいにトイレットペーパーをやめてお尻を縄でふきますか? 「日本人の気質」と言われるものは、その時々の社会的状況に過ぎないんです。自分の知っている過去20年間くらいのものを、都合よく気質と言っているだけ。

 いやまったくその通り。

[災害][平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震]「難しく・面倒くさい」福島の復興 | 3.11から未来へーー困難と希望

 知ったつもりになっていることが多いのではないかという指摘。結果起こる、「過剰反応」という認識の偏り。結局、インターネット時代になって、それは悪化しているのかもしれないな。むしろ、ノイズが増えて、「無視」したくなる。「3.11をとりまく民主主義」がいまだ成立していないか、なるほどね。ただ、それって永久に成立しないと思う。被災地とそれ以外の地域の温度差は、厳然として存在するものだから。

[災害][平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震]被災地で自衛隊がアメリカ海兵隊に後れを取った理由 美談だけで済ませてはいけない「震災と自衛隊」

 東日本大震災で災害出動した自衛隊の、軍事面での総括が行なわれていないのではないかという話。
 ロジスティクスの貧弱さは前々からの課題だよなあ。あとは、NBC戦環境下での作戦行動能力の欠如とか、水陸両用戦の欠如。特に後者は、沿岸地域で孤立した住民への支援を遅れさせたと。
 確かに両用戦能力の構築は必要だよな。その反省に立って、AAV7の導入が行なわれているんだろうけど。しかし、北海道から本州に部隊を移動させられなかったってのはアレだな。まあ、鉄道が使えなかったということでもあるんだろうけど。輸送艦船の充実は必要不可欠と。ただ、ある程度装備はあったわけで、それがどのように運用されたかが問題なんじゃなかろうか。

[災害][平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震]東日本大震災のときに日米間のインターネット回線が危機だった件を調べてみた。 | 陽のあたらない美術館

【追加・補足】大震災発生時のインターネット回線危機をさらに調べる。 | 陽のあたらない美術館
 NTTコミュニケーションズの海底ケーブル5本中、4本が地震で断線。残りの1本と他社のUnity回線で捌いていたと。海底ケーブル、東日本発が大半だったんだな。西日本発をもう少し多くしとくべきだったんじゃなかろうか。まあ、今度は東南海地震で、西日本のケーブルがやられるんだろうけど。
 災害時の対策が事前策定されていて、さらに現場の頑張りもあったのだろうなと。

[災害][平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震]【3.11】「高所に逃げろ」と書かれた陸前高田市立図書館の本がたどった運命 地域の歴史を忘れず、伝えるために

 陸前高田市立図書館は、津波を受けて壊滅。職員も全員が落命したと言う。蔵書は、回収後、車庫に積みあげられていたが、その名から郷土資料をピックアップ、クリーニングされたという話。最入手不可能な本は、やはり大事にしないといけないよな。そのなかには、津波記念碑を研究した、『津波記念碑』という書物もあった。
 つーか、陸前高田全体で、どのくらい史料が失われたのやら。積みあげられた本の山がなんとも。

[災害]日本人だって状況が許せば略奪くらいする。当たり前だが。 - 読む・考える・書く

 それはそうなんだけどね。
 ただ、もう100年も前になろうとしている関東大震災の事例を持ち出されても、いまいち説得力を感じないところが。その後、日本社会は別物といっていいほどの変容を被っているわけだし。当時の貧富の差というのも大きかったのだろうな。
 まあ、東日本大震災の時も、テレビでどこかの食料品会社の倉庫から三々五々、インスタントラーメンを持っていく姿が映し出されていたりする。別に略奪が起きてなかったわけではない。ただ、非常に秩序だっていたというか、あまりビジュアル面で目立たなかっただけだと思う。

[災害][阪神大震災]阪神・淡路大震災から20年も復興費流用が招いた“復興災害”で未だ被害拡大|LITERA/リテラ 本と雑誌の知を再発見

 実際、結局、神戸では「人の復興」は失敗したと言わざるを得ないよなあ。大量の孤独死発生、長田区では人口が減ったまま戻らず、住民はほとんど入れ替わりという。再開発ビルの惨状とか、復興公団住宅からの「追い出し」もか。
 本当に「住宅というものの特性」を理解していない。あげくに、東日本大震災でも、同じように被災者を苦しめる「区画整理」が行なわれようとしている。正直、できるだけ早い段階で元の場所に戻すのが前提だと思っている。その上で、そこからどうするかを考えるべき。
 あと、インフラ整備の巨大プロジェクトに「復興費」が流用され、それが赤字になって、後々の負担になっている状況。