明星大学日本文化学科国際シンポジウム「世界の写本、日本の写本」を聴いた。〜前篇 - みききしたこと。おもうこと。

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 そういえば、古文書の整理を手伝ったことがあるけど、版行されていそうな本が大量に写されていて、こういう形で書籍が流通していたのだなと感心した記憶が。
 中国では、つい最近まで写本が無視されてきた状況。ヨーロッパの写本作成とか。よく考えると、羊皮紙を使っている時点で本の量産は難しそうだよなあ。
 あと、近世には木版でも活版でも、あんまり変わらなかったんじゃないかなあ。なぜ、ヨーロッパで活版が選ばれ、日本や中国では木版が主流になったのか。

青銅剣の強度はどれくらいか - 火薬と鋼

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 まあ、金属製鈍器と考えると、どっちもたいして変わらないような。原料の供給しやすさの方が、鉄製利器の普及には大きかったのかもなあ。銅は、経済的に利用できる濃度の鉱脈が、圧倒的に少ないと言うし。

ゆりかごから墓場まで ? 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生 ? academist Journal

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 遺骨を科学的分析して、個人の生活史をどの程度復元できるか試みた話。
 社会集団レベルでの食性の解析なんかは良く見かける研究だけど。個人に適用してみたってのは、あまり聞かない話だな。元素の組成から、いろいろなことが分かると。
 明石藩の家老の祖母と。離乳時期が1歳代と同時代と比べても早かった、海産物をあまり食べていない、干鰯などの海産物を肥料に使っていた可能性など。一緒に埋葬されていた籾殻の年代が80-120年前というのが謎。そんなにとっておいたんだ。どっか、蔵の奥のほうで放置されていたとか、そういうことなのかね。

たとえば、炭素の同位体からは全体的な食物の構成、窒素は母乳の摂取割合、硫黄は海産物の摂取割合などと、注目する元素によって得られる情報に違いがあります。また、どの体組織を分析するかによっても結果が異なり、子供のときに形成される歯では出生から幼少期までの情報、大人になってからも置換しつづける骨では死亡前10年間程度の情報がわかります。また、植物についても同じことが言えて、栄養塩をどのような資源から得ているかで、植物の同位体比は変化します。

 へえ。炭素のC3植物だの、C4植物だのってのは、いろいろなところで見かけるけど、他の物質からは、母乳の摂取とか、海産物の摂取割合などが分かると。あとは、どこを分析するかで、時系列的な情報が分かると。

図録▽戦後日本の主な大火

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 1960年代以降、規模、頻度ともに激減してはいると。糸魚川の火災は、1985年の神戸以来の規模か。
 日本海側で大火になる事例が多いのは、やはり気象的な要因なのだろうな。冬場、空気が乾燥して、暖房器具を使う時期に、強風が吹く。それで、延焼と。
 あと、70年代以降、大火が少なくなったのは家庭用エネルギーの変化が大きいのではないかという話。確かに、家庭内で直接火を燃やさなくなったのは大きそう。それは、下の原因の表にも見て取れる。

陸軍が掘ったペグマタイト - 旧聞since2009

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続・陸軍が掘ったペグマタイト - 旧聞since2009
続々・陸軍が掘ったペグマタイト - 旧聞since2009
 旧陸軍が、リチウムを入手しようとしていたという話。結局、なにに利用していたのやら。しかし、福岡市周辺は、鉱産物が豊富だなあ。


 リチウムの資源,生産,応用によれば、アルミニウム鋳造用のフラックスとか、潜水艦の二酸化炭素吸着剤がありそうなのかねえ。「一部国産が行なわれたようであるが定かでない」とあるが。

南米の日本語版クレオール語「コロニア語」・「海外」という言葉の島国感覚 ー その1 ディスカバー・ニッケイ

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南米の日本語版クレオール語「コロニア語」・「海外」という言葉の島国感覚 ー その2 ディスカバー・ニッケイ
 おもしろい。
 ポルトガル語の語彙と、古い用語と、九州の方言が入り混じったクレオール語と。なんというか、ルー語みたいだなと思った。

文化大革命の「新常識」 - 梶ピエールの備忘録。

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 文革の犠牲者の大半は、紅衛兵あたりがぶっ殺して回ったんじゃなくて、「秩序回復」のための粛清によっていると。白色テロがかなり大きいか。
 なんか、国家指導者としての毛沢東の資質ってかなりアレだったんじゃなかろうかと。大躍進とか、文革がなければ、何十年レベルで経済開発が進んだんじゃなかろうか。
 日本語で読める文献としては、谷川真一 『中国文化大革命ダイナミクス』あたりか。