朝日新聞「世界発2011」から

[日記]

 また、書籍の払い出し。10冊ほど。児童文学や新しいマンガは、比較的高く売れる。今回は、でかい本を処分したので、容積的にはずいぶん、減ったはず…


 朝日新聞国際面の「世界発」を片付け。とりあえず、読み直して、感想を書くだけ。2011年の分を何とかする。

[切り抜き]「世界発2011:凶弾に散る森林保護官:フィリピン 違法伐採グループが脅迫」『朝日新聞』2011/2/11

 フィリピンで、森林保護官の殉職が相次いでいるという話。アキノ政権の、天然林からの伐採を一切許可しない政策で、一気に悪化したようだが、ドゥテルテ政権で、どう変わったのだろうか。
 しかし、違法伐採グループが、完全に犯罪組織だなあ…
 しかも、軍や警察の護衛を付けると、逆に狙われやすくなるという。つーか、まだ、新人民軍って生き残っていたんだ。どこが支援しているのだろうなあ。やっぱ、中国か?


 山間部の先住民が、違法伐採組織の命令で伐っているということで、貧困問題でもある。貧困対策で、引き離す必要がある、と。

[切り抜き]「世界発2011:イラン タブー下のエイズイスラム禁じる売春で拡大」『朝日新聞』2011/3/11

 こういう過剰な規範主義は、犠牲者を産むなあ。しかも、婚姻期間を1時間から99年の間で自由に決めることができる「一時婚」とかいう、ふざけた抜け道があるらしい。救いようのない話だ。


 社会的な関係で不利を背負った人が、売春で生活する。で、薬物中毒の男性から、エイズをうつされる。こういう社会だと、止めようがなさそうだ。そして、治療も思うに任せないだろうし…
 政府の啓発も、腰砕け。
 薬物の回し打ちでエイズが拡大。そこから、性行為を介しての拡大期かあ。

[切り抜き]「世界発2011:ドノウが直す 命の道路:簡単な技術・低コスト 11カ国に広がる」『朝日新聞』2011/4/29

 NPO「道普請人」が、パプアニューギニアやアフリカなどに、土嚢を使った地元民による道路の補修維持技術を広めているという話。生活道路を、地元の人たち自身で整備維持することが大事である、と。「適正技術」ってやつだな。土嚢の袋は購入品のようだが、それでも、アスファルト舗装より安くつくと。
 自助努力による、インフラ整備か。
 それによって、農産物の搬出を効率化し、収入アップ。あるいは、奥地の医療施設への補給の確実化などが可能になる。

[切り抜き]「世界発2011:インドネシア 地熱脚光:原発28基分のエネルギー保有」『朝日新聞』2011/5/24

 火山国であるインドネシアでは、地熱発電は有望だろうなあ。地震国でもあるし、原発を導入するより、安全性も高かろうし。火山性の水蒸気を利用してタービンを回すわけか。もっと、純粋に地熱を利用できるようにならないかなあ。


 森林破壊を招くという環境面の弱点。これは、日本でもそうだなあ。適地が国立公園の範囲に含まれることが多いとか。あとは、井戸の掘削費用やタービンの輸入などで、発電コストがけっこう高い問題があるのだとか。

[切り抜き]「世界発2011:内モンゴルの怒り 中国社会の縮図:炭鉱と遊牧民相いれぬ同居」『朝日新聞』2011/6/3

 2011年5月に発生したデモに関する記事。
 内モンゴルでも、ウイグル自治区でも、チベットでも、民俗浄化同様の行為が行われているからなあ。


 内モンゴルのモンゴル系遊牧民が生活する草原で、炭鉱や油田の開発が一気に進んで、悪影響を受けている。草原の破壊や草原の接収。その一方で、経済的な恩恵は受けない状況。さらに、メラミン粉ミルクで乳製品の売上の低下。そりゃ、怒るわ。


 ここも、習近平以降、どうなってるんだろうなあ。

[切り抜き]「世界発2011:自治権求め 解けぬ武装:フィリピン最貧地方の少数民族」『朝日新聞』2011/6/14

 フィリピン、ルソン島中部の山岳地域に住む少数民族ブトブト族の自治運動について。セブ島ムスリム武装闘争は知っていたけど、ルソン島でも民族問題があるのか。「コルディレラ人民解放軍」と、休戦状態だが、自治政府の設立の約束が果たされないため、「和平」までいっていない、と。


 資源開発と地元への還元の問題は根深い。あとは、中央政府によるインフラ整備の遅れの問題。病院もないのか。


 和平交渉で、一部勢力と合意が、逆に刺激している問題とか。

[切り抜き]「世界発2011:プロ顔負け 台湾救助隊:会社経営者・公務員・研究者…」『朝日新聞』2011/6/28

 台湾のボランティア災害救助組織「中華民国捜救総隊」の紹介。
 山岳救難や自然災害の救助活動を行うNGO。その災害対応能力は消防や警察をしのぐ。いや、これ、無給でやるのか。すごいな。装備が、民間組織とは思えないレベル。寄附金で維持されるというのがすごいなあ。
 ある意味、台湾のソフトパワー外交のツールでもあるのだろうけど。

[切り抜き]「世界発2011:英暴動 傷跡深く:水盗んで禁錮刑も 再発防止へ厳罰次々」『朝日新聞』2011/9/15

 結局、イギリスの貧困問題。保守党の「緊縮財政」によって福祉関連予算のカットがひびいているのだろうなあ。イギリス社会の分断は、とことん深い。
 その後、ブレグジットなどでかき消されているけど、どういう状況になっているのだろうか。
 なんか、19世紀から変わらないなあという感じしかしない。

[切り抜き]「世界発2011:ヨーグルト 守れ伝統の味:ブルガリア政府 材料・製法細かく規定」『朝日新聞』2011/9/20

 酸味が強い「伝統の味」を守ろうとする動き。EU加盟のために規制を緩めたら、粗悪品が増えてしまった、と。粉末乳や防腐剤の使用を認めない厳格な規制を導入。それ以外は「ブルガリアヨーグルト」と名乗るのを禁じた。
 食生活の変化で、酸味の強い伝統スタイルのヨーグルトそのものの消費が減退している状況か。それで、輸入品の甘いタイプに押されている。


 明治のブルガリアヨーグルトは、一応、本場と同じ乳酸菌を使っているのか。とはいえ、酸味を強くしたら、日本では受けないだろうなあ。

[切り抜き]「世界発2011:リビア、共生への挑戦:立ち上がるユダヤ人・アマジグ人」『朝日新聞』2011/10/18

 カダフィ政権が崩壊した直後の話。少数民族の人権やユダヤ人の帰還とかいった状況ではなくなっているが。
 アラブ民族主義を標榜したカダフィ政権下で、迫害を受けて国外に流れたユダヤ人の帰還を訴える動き。そして、ベルベル人とも呼ばれるサハラ砂漠や山岳地域に暮らす少数民族アマジグ人の言語の公用語化や文化の保護・振興を求める動き。