手品師(浄土真宗の教えについて)

「浄土真宗の信心について」を中心に綴ります

コペルニクス的転回

 君は、コペルニクスの地動説を知ってるね。コペルニクスがそれを唱えるまで、昔の人はみんな、太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目で見たまま信じていた。
 これは、一つは、キリスト教の教会の教えで、地球が宇宙の中心だと信じていたせいもある。しかしもう一歩突きいって考えると、人間というものが、いつでも自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質をもっているためなんだ。
 ところが、コペルニクスは、それではどうしても説明のつかない天文学上の事実に出会って、いろいろ頭をなやました末、思い切って、地球の方が太陽のまわりをまわっていると考えてみた。そう考えてみると、今まで説明のつかなかった、いろいろのことが、きれいな法則で説明されるようになった。(略)
 しかし、自分たちの地球が宇宙の中心だという考えにかじりついていた間、人類には宇宙の本当のことがわからなかったと同様に、自分ばかりを中心にして、物事を判断してゆくと、世の中の本当のことも、ついに知ることができないでしまう。
 大きな真理は、そういう人の目には、決してうつらないのだ。
 もちろん、日常僕たちは太陽がのぼるとか、沈むとかいっている。そして、日常のことには、それで一向にさしつかえない。しかし、宇宙の大きな真理を知るためには、その考え方を捨てなければならない。
【漫画 君たちはどう生きるか 原作:吉野源三郎 漫画:羽賀翔一 マガジンハウスより】



「君たちはどう生きるか」が漫画化されました。現在、話題になっています。
以前、あほうどりさんが、推薦図書として挙げていました。久しぶりに、漫画化verで読んでいます。
浄土真宗の教えを真に理解する上で、コペルニクス的転回の発想(視点)は非常に大事なことだと思います。自分中心・自分大好き視点から、客観的視点にたって物事を考えてみるのもよいですね。
おかげさまで 今日も 南無阿弥陀仏



Nicolaus Copernicus statue in Torun, Poland