第4回 『クドリャフカの順番 Welcome to KANYA FESTA!』上

今日から17日まで3回に分けて書いて行きたいと思います。
では、前篇スタート! 2章の限りなく積まれた例のあれまでレビューします。
ネタバレ注意!

1、三年ぶりの『古典部』シリーズ

クドリャフカの順番』は、前作の『愚者のエンドロール』から約三年ぶりの作品で、2005年6月30日発売。単行本として。
2008年5月24日に文庫化。
私が持っているのは、2012年5月20日発行の第18版です。

2、こ……これは、なんだ!

読み始めるとちょっと混乱しました。
一、脳内突っ込みのあるいつもの語り
二、雑学交えた難しそうにしている語り
三、一々敬語を使う語り
四、〜だ、とちょっと稚拙だと思う語り。
だいたい纏めてみたらわかってきました。
ザッピング形式だと。
これは、新しい試みだ!
わくわくする自分の気持ちを抑えることができませんでしたよ。

3、前作より……

ちょっと覚悟をしました。
全393ページ。
前作比で約1.55倍のヴォリュームです。
長い……
しかし、読むに値する小説かもしれないので、とりあえず読んでみることに。
いや、そんな軽い気持ちで読み始めたわけではありません。シリーズものは全部読み通すのが、自分の心意気ですから。これも、軽い気持ち、と受け止められるかもしれませんが。

4、これは……!

2章と同じような小見出しですが、全く別です。
作者の文章力が、前作と見違えるように違うのです。
圧倒的に上手くなっている!
読みやすくなっている!
正直な理由です。

5、カンヤ祭ね

クドリャフカ』は、前々から言っていたカンヤ祭(なぜ、カンヤかは『氷菓』の中に)が、開催されそこでの顛末を語る話となっています。
文化祭とあって、向こう側の世界(今後小説内の世界を向こう側の世界と言います)では活気がありそうな雰囲気がありました。
一方のこちら側はクーラーで1人涼んでいると言う悲しい光景なのですが。

6、導入部分

一人一人のカンヤ祭への意気込みが感じられる導入部分(いや、第一章というべきか)で、ザッピングとわかりましたね。はい。
気になったのは、千反田えるが神社にお参りするとき。
賽銭として100円ですか。
なかなか高価なものを。
自分は、5円か10円高くても45円(良いご縁)しか入れたことないのに。
悠々越える100円!
自分だけでしょうか?
安い賽銭を入れるんは。

7、限りなく積まれた例のあれ

例のあれ、には、ああ、と思いましたね。
あれ、とは文集『氷菓』の事です。
なぜ、限りなく積まれているか?
どうやら伊原が30部と間違って200部印刷所に頼んでしまったらしい……
それはそれは。
いくらなんでも刷りすぎましたね。
200部!
これは多い。

多いとしか感想がありません。

8、Starting is KANYA FESTA.

始まったカンヤ祭。
役割分担は決まってそれぞれに分かれる古典部一同。
一、奉太郎は店番。
二、えるは刷りすぎた『氷菓 第34号』の売り場拡張。
三、里志は古典部のアピール
四、摩耶花は掛け持ちも漫研の方へ。
どれから語ってもいいでしょう。
じゃあ、最初は四からで。
え、一からじゃない?
いいじゃないですか、それくらい。

9、1日目の摩耶花

漫研で売り子をする彼女ですが、どうやら漫研には派閥ができていて……
摩耶花はその派閥の中でも少数派の派閥。だから苦労するようですね。
どうも、男の俺からするとこういう女同士の闘い、見たいなやつは好きではないですね。
なんか、血で血を洗う、って言葉がとても合いそうで。
3人いれば派閥ができる。
確かに。
痛感された神山高校漫研諸君でした。
途中の口論部分での、湯浅先輩の腹黒さには少々愕き……

10、1日目の里志

最初はクイズ研が、主催するクイズトライアルで古典部を見事に宣伝。
途中、谷という男が里志を茶化しますが、里志は受け流し。
谷と里志は見事にクイズは引き分け。
谷はどうやら里志をライバル視しているらしく、
2日目のお料理研の主催する料理大会で、再バトルが決定。
しかし、里志くんはただカンヤ祭を楽しみたいだけなのでは……?

11、迷いっぱなしのえる

売り場拡張の交渉としてまずは総務委員会。
頼んでみますが見事に玉砕。
なんだか可哀想に思えてくる。
他にもありましたが、それは後に回します(大事な案件なので……)。

12、店番、万歳

省エネ精神で挑んだ奉太郎の店番。
しっかし、暇なようで。
窓からアカペラ部の合唱を聞く。
そして、聞き終わったらアカペラ部にトラブルが……
それも気にしない精神。
それが奉太郎の省エネ精神。
奉太郎が朝、姉からもらった万年筆(壊れてます)が、物々交換で被服研のコーディネート優先権に。
里志の宣伝は予想外に良かったようで、13部売れて古典部の保管用などをあわせて、残りは177部。しかし、多い(笑)。

13、共通点はあるのか?

11章で紹介した「他」を話しますと、
アカペラ部で何かが盗まれていた。(奉太郎の観察)
囲碁部で碁石が盗まれていた。(谷氏のおもしろい話)
占い研からはタロットカードの『運命の輪』が盗まれていた。(えるが占い研に立ち寄り、占い研の十文字さん(新キャラ、ですね)から聞いた話)

後ろ2つの共通点は、
『〜から、〜は既に失われた 十文字』
前者の〜は部活名、後者の〜は、盗んだもの。
十文字が意味するものとは、何か?
それは、明日の話。

それではまた明日!
※ちょっと後味悪いのは仕様です。