第10回 『心あたりのある者は』

短編集『遠まわりする雛』の第四篇です。


えると奉太郎しか出てこない話。
時系列的には『クドリャフカ』の後の話
初出は雑誌「野性時代」第37号(平成18年12月号)です。
なお、「大罪を犯す」にて、「野性」を「野生」と打っていました。すいません。野性に直しておきます。

2000年11月1日。奉太郎とえるは放課後の古典部部室(地学講義室)で、ちょっとした口論になります。今までの奉太郎の推理を実力だと褒めるえる。それを運だと云い張る奉太郎。
そして、ちょっとした推理できる状況を作ってくれ、その推理が外れた、または考えられなかったら今までのは運だ、と云う奉太郎。えるは、わかりましたと快諾する。その刹那だった。
「10月31日。駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのある者は、至急職員室柴崎のところまで来なさい」
と云う、放送が。柴崎とは教頭の事だ。
この放送の直後、えるが云う。


「この放送で推論を立ててください」


奉太郎はこれを受けて立ち、安楽椅子探偵を始めるのだった……

アームチェア・デイテクテイブは私が好きな推理形式の1つです。所謂中年刑事が聴き込み等をして犯人を特定する……というものよりかは圧倒的です。
結論から云いますと、えるにとってはちょっと不愉快な結末で、しかもそれが的中しているわけです。
えるがワトスン役(ちょっと違うか)となり、奉太郎がそれを組み立てて推理する……
なんとも胸躍るシチュエーションじゃありませんか!
まだ『遠まわりする雛』を読んではいませんが、
この短編集の中では一番面白いと思った話です。
読んだ後、思った事があります。
高校生になったら、こんなトラブルに遭うかも知れない。
ちょっと怖くなった自分でした。

次回は『あきましておめでとう』をお送りします。
この記事でようやくアニメを追い抜きました! というどうでもいい報告を含めて。

あ、Kさんお誕生日おめでとうございます。
私の元クラスメイトです。現在でもたまに会話をする女性です。
これも、どうでもいい話ですね。

明日は私の誕生日!
早くも15歳ですか……
漢検を今日受検します!
精一杯頑張ります!
よろしくお願いします!
ではっ