第11回 『あきましておめでとう』

遠まわりする雛』の第五篇、『あきましておめでとう』をお送りします。


最近は、パソコンの上で撮影する事の多かった本の表紙、及び扉でしたが、久しぶりにピアノで撮ってみました。
正月のちょっとしたトラブルの話。
初出は雑誌「野性時代」第43号(平成19年6月号)です。

2001年1月1日。奉太郎はえるの誘いで初詣に行く。お参りをしていざ、おみくじ。えるは『大吉』、奉太郎は『凶』。本堂へあがり、えるの本当の目的――お酒を神主に渡して新年のご挨拶――を達成した後、奉太郎は本堂で暖をとっていた。そんな時、えるとちょっとしたことを巫女の十文字かほに頼まれる。酒かすを蔵から取って欲しい、というものだ。二人は取りに行くが、間違えて納屋に入ってしまう。そこで事件が……?

前々の話が伏線として出てきます。
こんなつながりとは、ちょっとびっくりです。
巫女さん姿の摩耶花もちょっと気になりました。
結局はハッピーエンド(バッドエンドだったらそれこそ……)でしたが。
それなりに面白い話でした。