聖なる2月

大阪出張所の田坂でございます。

そろそろ2月14日が近づいて参りましたが,皆さま,男女それぞれの心のご準備,整っておられますでしょうか。

2月14日といえば,森愛,市川紗椰土屋巴瑞季平子理沙,宮本えりなど,モデルの方々の誕生日が多く重なっている日でも有名でございます。
同じ日に生まれた当職としては,いわれのない肩身の狭さを感じ,毎年,「2月14日って,ヒロシと同じ誕生日だよね。」の一言を心待ちにしております。

近ごろのバレンタイン用チョコレートは,明らかに女性が自分自身のために購入することを前提としたデザインのものが多い状況でございます。
男性の皆さまにおかれましては,勝てない戦いで消耗するのではなく,どれだけ義理チョコを集めることができたかでもって,自分自身の社会的価値を計るのもよろしかろうと存じます。

沖縄の皆さまにおかれましては,県庁北口交差点近くのお店など,非常にお手頃ではないかと存じ上げておりますが,当職の周囲では,10円で個包装になっている有名な何かを,とりあえず何個か袋に詰め直して配って歩く,というスタイルが,一種の定番となっておりました。

しかしながら,消費税8%の影響で,コンビニ用の商品は20円に値上がりしてしまった昨今,今年,当職の周囲で新たに開発された方法は,「板チョコを割ったものを袋に詰め直して配って歩く」というものでございます。

ほんの少しだけ柔らかくなったものを,包丁で切って,さらに冷蔵庫で固めて,袋に詰め直す。
この過程にこそ,義理と人情とが詰まっているのでございます。
割れチョコと言わず,チョコの「ワンピース」と申しましょう。それこそが,ひとつなぎの大秘宝。「義理チョコ王に,君もなれ!」でございます。

以上,取り急ぎ,失礼いたします。

大阪出張所の田坂でございます。

器をはかる場合には、その大きさばかりが問題にされ、形を問われることは、まずございません。

なるほど多くの器は、機能性と合理性を重視した、汎用性の高い形状を致しております。しかしながら、時にはイメージやデザイン性を重視し、その姿で人の心を魅了する逸品のございます。

あれは就学前であった娘を連れて、家族で千葉県某市の巨大テーマパークへ出かけたときのことでございました。

園内にあるハートの女王のレストランにて、ちょっとしたケーキのついたセットを注文した際、ハート型をしたカップが出て参りまして、気に入ればそのまま持って帰ってもよい、とのこと。

見るからに非実用的ですが、どうしても持って帰りたいと駄々をこねるもので、やむなく我が家の食器棚へ。そして案の定、使い勝手が悪いので、ほどなく使われなくなってしっまいました。

しかしここは、躾が必要な場面。自分の行動に責任を持たせるべく、あえて味噌汁茶碗がわりに使用して演出する、和食イン・ワンダーランド。その効果には絶大なものがございました。

娘には未だに、アリスのカップで味噌汁をすする、当職のみすぼらしい姿が忘れられないようでございます。

申し遅れましたが、躾を入れられたのは、当職でございます。

以上、取り急ぎ、失礼いたします。

しま

大阪出張所の田坂でございます。

それなりの人数が働くオフィスでは,何人かがデスクを寄せ合いつつも,通路を確保する関係上,それらをいくつかの「固まり」に分けている例があることと存じます。
当職のオフィスもそのような形になっておりまして,それぞれの固まりを「島(しま)」と呼んで区別しております。

興味深いことに,そうして「島」に集って仕事をしておりますと,さながら「島くとぅば」のごとく,同じ島内でしか通じない方言が生まれて参ります。

たとえばお客さまに,同じ苗字の方がおられる場合。
それぞれの「島」で区別の仕方が異なっておりまして,とある島では,その方の体型に注目して「大・中・小」という大きさで区別しております。
おなじみの「金城さま」であれば,「大(だい)金城,中(ちゅう)金城,小(しょう)金城」という表現となります。

これに対して,帰国子女の勢力が強い島では,「クラウディ金城,シャイニー金城,レイニー金城」という区別がなされております。
「クラウディ金城」さまは,陰気な感じの金城さま。
そうすると,対する「シャイニー金城」さまは,「明るい感じ」の金城さまかと思いきや,実際には「頭頂部が空冷式」な金城さま。
そして「レイニー金城」さまは,ご来所の際は,いつも湿っておられる,要するに常に汗だくの水冷式な金城さま,というのが,それらの由来とのことでございます。

ちなみに当職の住むこの島では,クラウディ・シャイニー・レイニーの表現がさらに独自の発展を遂げ,「クラウス金城,セバスチャン金城,ベンジャミン金城」という区別がなされております。そして今日では,特にクラウスとセバスチャンを確実に使い分けることが難しいとの理由で,新人がなかなか配属されてこないという,深刻な人口問題を抱えるに至っております。

以上,取り急ぎ,失礼いたします。

ふちゃぎ

初秋の候,ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。

ようやくのことで手に入れた「タンナファクルー」もすでに賞味期限切れとなり,当職は黒糖パンをぎゅうぎゅうに固めたものを代用品とすることで,どうにか毎日を過ごしております。

しかしながら沖縄では,市井の注目ナンバー1のお菓子といえば,目下のところ,「ふちゃぎ」であるとのこと。こちらではその存在さえ知るものはおらず,娘の友人で,三線教室に通っているハナちゃんでさえも,「なにそれ。ネコの名前?」などと,謎が謎を呼ぶ反応を示すにとどまっております。

そのためこちらで「ふちゃぎ」について得られる情報は乏しく,せいぜい食品ペイデイセールのチラシ程度しか手段がございません。しかも残念ながら,今回に関しては,食パン「小麦のほほえみ」には「5枚切り」はない,ということしかわかりませんでした。

今や「ふちゃぎ」は,「沖縄三大『幻の銘菓』」の一つと申し上げても過言ではありません。

一口でいい,二口目は別にいらない。

このもやもやした気持ちを少しでも消化すべく,当職は今日の仕事を終えた後,「京都出町(でまち)ふたば」の豆大福を,まだ見ぬ「ふちゃぎ」の代用に求めたいと思っております。

この豆大福は,赤ちゃんの頬のようにやわらかく,それでいて伸びが良いお餅に,ほどよく塩の効いた「赤えんどう」がまぶされたもので,あっさり目の「こしあん」を引き立てる程度にしか特色がない,「食べてもらわな,わからしまへんやろなあ」という,ごくありふれた和菓子に過ぎません。

どうぞ皆さまは,当職のことはお気になさらず,「ふちゃぎ」を心ゆくまでご堪能くださいませ。

以上,取り急ぎ,失礼いたします。

スポーツ天国

大阪出張所の田坂でございます。

いよいよサッカーワールドカップも終盤となって参りましたが、当職はどちらかというと、ネイマールを柔軟剤か何かだと思うグループに属しておりますので、興味関心はむしろ、土日の昼食は焼きそばかカレーかという問題などの方にこそございます。

おおむねスポーツの祭典には無関心な当職でございますが、唯一、筋肉自慢の男どもが現代の忍者としてしのぎを削る、某テレビ番組については、例外中の例外でございまして、いつの日か世界大会を開催するレベルにならないかと、心の底から願っております。
 
オラオラ系の上半身「はだか」男たちが、「練習だとできたのに…」と号泣するその姿に、3Dテレビではなくとも、マイナスイオンの放出を感じているのは、当職のみではないと信じております。

やや特殊な「におい」がするイオンかもしれませんが。

以上、取り急ぎ、失礼いたします。

罪悪感

大阪出張所の田坂と申します。安慶田の田に,与那原町 板良敷 次郎坂の坂で,田坂でございます。

みなさま,罪悪感というものに馴染みはおありですか?
いい罪悪感に苛まれておいでですか?

当職の感じる罪悪感と申しますと,雑誌の立ち読みでございます。

幸か不幸か,週刊誌なるものは,毎日が何かしらの発売日でございますので,長年,立ち読み生活を続けておりますと,月曜から金曜まで,その日それぞれの本日発売がございまして,通勤途中にあるコンビニは,必然的に毎朝の立ち寄りスポットとなるわけでございます。

月曜日は「ジャンプ」,火曜日は「渥美清の泣いてたまるかDVDコレクション」,水曜日は「サンデー」,木曜日は「Hanako」,金曜日は「週刊江戸」など,ざっとこのような次第となります。

当職といたしましては,仁義をわきまえ,雑誌はごく丁寧に扱うことは当然のこととして,さりげなく配置を整え,85円のジュースを購入し,さらにお釣りの1円玉から1枚だけ,ユニセフに寄付するなどして,日々,罪悪感の解消に努めておりますので,今後も楽しませて頂くおゆるしを賜れれば幸いに存じます。

以上,取り急ぎ,失礼いたします。

たて笛と雷三

宇栄原市営団地「給水塔」の美しさにつき,議論が尽きない中,大変失礼いたします。大阪出張所の田坂でございます。

当職が無類の「猫好き」であることは,すでにご案内のとおりでございますが,中でも忘れられない,とある猫のことにつき,お話しさせて頂ければ幸いです。

それはまだ,当職がたぎる正義の血潮に圧され,同級生女子の「たて笛」を狙う一味と日々戦闘を繰り広げていた,遠い昔のことでございます。
学校からの帰り道にある「祠(ほこら)」から,いつもこちらの方を睨んでいる,とても強そうな野良猫が一匹おりました。

ぼさぼさの毛並みのトラ模様をしたその猫は,きまって午後3時ころになるとその祠の前に現れ,およそ野良猫にあるまじき,招きネコのように安定感のあるたたずまいにて鎮座し,三日月型の一生傷のせいで見えなくなってしまった左目を閉じたまま,残った右目だけで,行き交う小学生を睨み付けるのです。
当職らはいつしか,この野良猫を,尊敬の念を込めて,「月の輪(つきのわ)の雷三(らいぞう)」と呼ぶようになりました。

そんなある日,当職は見てはならないものを見てしまったのです。

いつもの祠に,雷三の姿が見あたらない。代わりに少し離れた駐車場から聞こえる,さかりのついた「まーうー」という猫たちの声。ふっと目をやると,今,まさにことに及ぼうとする雷三の姿がそこに!しかも,「下」になって,「されている」ではありませんか!

そのショッキングな姿を目撃したのは当職だけではなかったようで,翌日,登校したそのときには,教室の黒板を使って,詳細な図にして知識の並列化に勤しむ,たて笛海賊団一味の姿がございました。
結果,雷三を屈服させた「謎の技」につき,先生に是非,教えてもらおうということになったようでございますが,大学を出たばかりの女性教諭は,ただ,理由も告げず,一味をひどく叱り飛ばすのみであり,なし崩し的に「たて笛」も守られることとなりました。

なおその後,少年たちが大人になるには,もう少し時間を要した旨,側聞致しております。

以上,取り急ぎ,失礼いたします。