映画は撮ったことがない(ディレクターズ・カット版)

書籍版から対談の章を差し替えた新書版。新作「ひるね姫」の封切に合わせての出版で、神山監督のこれまでの軌跡から、ついに念願のオリジナルな劇場作品が完成した現在までの俯瞰としても感慨を抱ける。アニメの企画書を制作会社にとにかく持ちこんだ20代からはじまり、自らの経験をもとにあらたな参入者への具体的な思考アドバイスとして明快に読める内容になっており、同時に名作映画の作品ガイドとしても使えるので、コスパはかなり高い一冊だと思う。