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2014-12-16

話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選+@

年末恒例のベストエピソードセレクト企画。将来、このリストを振り返ってみて「あれは神回だったなー」と思えるものになっているといいなあ。やっぱり、時間に一度晒され、それでも残ったものが神回なのだ(たぶん)。例によって各サイトの集計は、集計人・新米小僧さんがやってくれるはず。期待しよう。

以下、コメント付きで選出話数を列挙。基本的に放送日順(最速放送日)で並べている。


■『ドキドキ!プリキュア』 第48話「ドキドキ全開! プリキュアVSキングジコチュー!」 (1月19日放送)

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脚本/山口亮太 絵コンテ・演出/三塚雅人 作画監督稲上晃

冒頭、いきなりマナが正体を明かすサプライズから始まり、巨大ランス召還、「セーラー戦士死す!」を彷彿とさせる六花の挺身……サプライズ劇場こそ『ドキプリ』の真骨頂であり、最終決戦なら尚更畳み掛けるのがドキプリ流だと改めて教えられた。ギュッギュッと圧縮した展開、しかしそれが心地良い山口亮太マジック此処にあり。ちなみに六花派。47話の「ダイヤモンドは傷つかないのよ!」から48話に繋がる流れがまたいい。


■『ガンダムビルドファイターズ』 第15話「戦士(ファイター)のかがやき」 (1月20日放送)

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脚本/黒田洋介 絵コンテ/芦野芳晴 演出/孫承希 作画監督大貫健一(キャラクター)、大張正巳(メカニック

物語序盤から世界レベルの強敵として、セイとレイジの前に立ちはだかってきたリカルド・フェリーニ。彼の愛機・ウイングガンダムフェニーチェに込められた不死鳥の如き想いがドラマを作り、死闘に相応しい作画がさらに気分を高揚させる。大貫健一・大張正巳がタッグを組んだ記念すべき作監回。ボロボロに傷つけば傷つくほど、メカニックの美学が磨かれる。それがビルドファイターズ。


■『スペース☆ダンディ』 第5話「旅は道連れ宇宙は情けじゃんよ」 (2月2日放送)

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脚本/大河内一楼 絵コンテ・演出林明美 作画監督/岸友洋

ダンディ屈指の人情回。ジェンツー星人の少女・アデリーの祖父を探す旅に付き合うダンディ。少女との心の交流を描く王道ストーリーだ。SF的な見た目の奇抜さを叙情的な音楽が優しく包む。粗野でガサツだけど、ちょっと格好良いじゃないかと思わせるアデリー視点のダンディ。繊細な表情付けに林明美さんの持ち味がよく出ていたと思うし、カット繋ぎの柔らかさも特徴的。アデリー役の花澤香菜もぴったりな配役で、久々にあの年頃の役を見た気がする。


■『中二病でも恋がしたい!戀』 第10話「真夏の夜の…雨と鞭(Gauntlet of rain)」 (3月12日放送)

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脚本/花田十輝 絵コンテ・演出武本康弘 作画監督/秋竹斉一

たっぷり時間を掛けて、揺れる七宮の心情を追った回。武本康弘演出回はこういうものが来るから……七宮の剥がれかけたハートのシールは武本さんのアイディアだそうだ。切なさを煽り立てる構図選択といい、「ハートのシール」に誘導する憎らしい小技を連発。特にベランダのシーンは『たまこラブストーリー』もびっくりの胸を締め付ける演出だ。付けたシールがすぐに剥がれ落ちてしまう、あの一連は素晴らしい。


■『ピンポン THE ANIMATION』 第1話「風の音がジャマをしている」 (4月11日放送)

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絵コンテ/湯浅政明 演出久保田雄大 作画監督/伊東伸高

「全話数甲乙付けがたい傑作揃いだとして、何を選ぶ?」と訊かれているようだった『ピンポン』。今の気分なら、第1話。大胆なカメラワークと作画はもちろん、ヴェンガの台詞にはゾクゾクした。情緒的なEDへの入り方も完璧、底知れない湯浅政明。圧倒的な作画表現を支えた伊東伸高さんの仕事ぶりも、記憶に残る話数だ。


■『ご注文はうさぎですか?』 第9話「青山スランプマウンテン」 (6月5日放送)

脚本/井上美緒 絵コンテ/田中雄一 演出/荒井省吾 作画監督/深川可純、稲吉朝子

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まるでハーゲンダッツのようなアニメだな、と思っていた本作。このエピソードは構成が良かった。チノの祖父がうさぎになれたらどんなに楽か……と愚痴ったところをココアに聞かれていた前日譚としてのアバンタイトル、チノの祖父を慕っていた青山ブルーマウンテンのスランプ、それぞれのドラマを思い出のベンチに重ねる構成。ほのかな苦味が絶妙なブレンドだ。


■『HUNTER×HUNTER』 第134話「ヒトコト×ハ×ソノヒト」 (6月17日放送)

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脚本/上代務 絵コンテ・演出/吉田大輔 作画監督/Won Chang-hee、Jang Kil-yong

今年最も印象的だった演技(声優)を選ぶとしたら、ウェルフィン役を演じた中村大樹さんの「コムギ…?」を推したい。いったいどんなニュアンスで発すれば、あの原作の再現が可能なのか――興味津々だったのだ。追い詰められ、生死を分かつ瞬間の台詞だというのに、感動すら憶えてしまった。まさかあんな発音をするなんて……! 演出の「間」もお見事。動きではなく、間、それがすべての話数だった。

他方で阿比留隆彦作監回を中心に、動きのある話数もメリハリある作画が観れて良かった。スタジオ・ライブの底力か、長丁場のシリーズにもかかわらず、尻上がりに演出・作画のキレが増していったシリーズだったな、と思う。


■『Hi☆sCoool! セハガール』 第2話「コンボでつなげ 熱い気持ち」 (10月15日放送)

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脚本/嵯部昌之、菅原そうた

マニアックなセガネタを毎度繰り広げるハチャメチャワールド。第2話の盛り上がりは凄かった。即死技、懐かしの『バーチャファイター』有名プレイヤー羅列、『サクラ大戦横山智佐降臨と息もつかせぬ怒涛のネタ連打。どんな作品か測りかねていたときに超ハイテンションなラッシュで攻められたものだから、如何ともし難く……大笑いしてしまった。ちょうど「ゲーム・レジスタンス」を読んでいたこともあって、タイミングバッチリ。……日本でもPC版『戦場のヴァルキュリア』をどうか宜しくお願いします。


■『SHIROBAKO』 第8話「責めてるんじゃないからね」 (11月27日放送)

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脚本/横手美智子 絵コンテ・演出/許 作画監督/秋山有希、大東百合

「覚悟と記念と人間の記録っす!」

SHIROBAKO』の台詞はずるい。色々なものを勝手に連想して、背景に考えてしまう。この話数が気に入っているのは、やはり最後の台詞がいいのだ。「切り干し大根炊いたの、冷蔵に入れといたから。じゃがいも、芽出てるから早めに使うこと」。解釈案など、詳細は下記リンクで。

関連リンク:「SHIROBAKO」8話で使われた“煮詰まる”について


■『ハピネスチャージプリキュア!』 第44話「新たなる脅威!? 赤いサイアーク!!」 (12月14日放送)

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脚本/成田良美 絵コンテ・演出大塚隆史 作画監督上野ケン

残り話数を数える段階になって第2部開始、なんという球を投げ込むんだ大塚隆史……! 愛の名を冠するプリキュア失恋を経験させる展開のアヤも見過ごせないが、恐ろしく手の込んだカットが続出する劇場版のような回だった。温かい仲間に囲まれていても、失恋のショックからすぐには立ち直れない孤独なめぐみの心情をやり過ぎなくらいのレイアウトで見せる。一段上のステージに上ってドラマを作ろうとする、プリキュアの新たな挑戦がここから始まるのかもしれない。『ハピプリ』は元々、『進撃の巨人』並に厳しい世界観ではあるのだけども、精神においても安住の地を求めない気概が嬉しい。


■『GJ部@(特別編)』 (5月5日放送)

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脚本/子安秀明 絵コンテ/沖田宮奈、原口浩 演出赤城博昭 作画監督/曾我篤史

BD/DVDリリース直前に放送された特殊な形態の作品なので、10選とは別の「+@」枠にさせてもらった。前半の「ニューヨーク編」、後半の「絆編」でそれぞれ通常のテレビアニメ1話分。つまり、テレビアニメ2話相当のスペシャル番組だった。ファンにとっては夢のつづき、幕引き、あるいはカーテンコール。……そして、何故か最初に戻る。全話リピート再生可能な「GJ部 りぴーと! でぃすく」も発売され、“ビューティフルドリーマー”を地でいくアニメ作品になったのかもしれない。夢邪鬼は誰だ?

関連リンク:「GJ部」よ、永遠に。森さんも永遠に


以上が10選リスト。候補に挙げていたものを紹介しておくと、主に下記の話数など。

■『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』 第6話「おお!幽霊人間」 (2月9日放送)

■『ハイキュー!!』 第5話「VS “大王様”」 (5月18日放送)

■『残響のテロル』 第1話「FALLING」 (7月11日放送)

■『少年ハリウッド』 第7話「人生に人生はかけられない」 (8月16日放送)

■『スペース☆ダンディ』 第23話「恋人たちはトレンディじゃんよ」 (9月7日放送)

■『寄生獣』 第5話「異邦人」 (11月6日放送)

■『ヤマノススメ セカンドシーズン』 第20話「ここなの飯能大冒険」 (11月26日放送)


ハイキュー!!』や『ヤマノススメ』、『神撃のバハムート』らアベレージの高い(高すぎると言ってもいい)作品から選出するのは逆に躊躇ってしまった。その例で言えば、『ふるさと再生 日本の昔ばなし』もそう。小原秀一さんや平田敏夫さんが担当したエピソードは精力的な仕事だと思った。『黒子のバスケ』第43話の(中澤)ゾーン対決、『ウィザードバリスターズ』第1話アバンタイトル、『ベイビーステップ』第17話ストロークアクションのようにシーン単位で見るなら選びたい話数もあり、選考は悩んだのだけど、好きな話数は憶えているもの。リストアップには苦労しなかった。(本当は年末最後のテレビアニメ放映を待ってリストアップするのが真摯な態度と言えるのだけど、モチベーションのある時でないと書けないので)

さあ、来年も宜しくアニメーション! 


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hidamalarhidamalar 2014/12/21 00:50 『HUNTERXHUNTER』のアニメを見てなかったのですが、あまりにも気になったので即視聴しました。
蟻編の富樫さんは全体的になにかに憑かれたような凄まじい演出をしているのでアニメでの演出は困難を極めると思っていましたが、想像以上に上手く演出していたので驚きました。
『コムギ…?』のウェルフィンのセリフは原作を読んでいるとき全く脳内再生できないセリフでどんな再生のさせ方をしても違う気がしてました。文字でしか認識することのできなかったセリフが名優によって再生される。この一言は物語のすべてを転換させる蟻編でも屈指の重要なセリフで、それを『こう来たか…!』と考えられ、その名演に感動できるのは原作既読者だけが味わえる楽しみ方。アニメのおもしろさが詰まった素晴らしい一話でした。

tatsu2tatsu2 2014/12/21 19:43 『HUNTER×HUNTER』は美味しい話数多かったですね。
上述の回はもちろん、王と会長の死闘やナックルの走馬灯回、印象的な話数がたくさんありました。原作知名度のわりに、そこまで話題になりませんが、こういう機会に取り上げないとなあ……と思い、選出。本エントリーをきっかけに視聴されたのなら、自分も嬉しいですね。

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