記念の年

tatsuamano2009-01-19

週末に自宅からちょっと出たところでホーキング博士を見かけました。街で見かけると聞いていたものの、こんな自宅の近くでとは思っていなかったのでびっくりしました。彼、今年にも宇宙旅行に挑戦するらしいです!
今年2009年は、ケンブリッジ大学が創立してから800周年(!)らしく、いくつかのイベントが地味に行われつつあります。1209年、日本は鎌倉時代ですね。。。毎日見ている景色も違って見えてくるというものです。もちろんダーウィン生誕200周年も注目されており、大学での関連セミナーから本屋での特集まで、盛り上がりを見せています。
1月から研究室にも新しく2人が加入しました。一人はBritish Antarctic Surveyにも所属する博士学生で、アホウドリの個体分布データと衛星追跡データからホットスポットの抽出を試みるとのことでした。なかなか自分にとっても興味の中心的なテーマで、今後いろいろと話を聞くのが楽しみです。
自分も初仕事として取り組んでいた、昨年末に返ってきていた論文原稿の修正を、先週ようやく終えて再投稿しました。サギの採食行動に関する論文ですが、解析で使う変数についてと、考察を支持するデータの提示について、それぞれごもっともな指摘をされていました。どちらも言うなりに直すには問題・限界があったため、別の解析をそれぞれ行い付録で提示することにしました。精一杯の対応をしたということで、次は納得してもらいたいところです。
昨年末にビルから持ちかけられていたtwite(キバシヒワ)の個体数変化についての解析も終え、彼の元教え子が筆頭著者となっている論文に記述を加えました。Twiteは特に繁殖期には高地に生息しているため、通常の全国モニタリング調査ではなかなかカバーされないそうです。様々な調査、文献から時系列データをかき集めた結果、1980年代以降顕著な減少傾向が見られることが分かりました。高地での農業集約化の影響、越冬地となる塩性湿地の減少などが、減少の原因と考えられています。
これらの仕事がひと段落したところで、なかなかエキサイティングな話が飛び込んできました。3月にオランダで開かれる動物の渡りに関するワークショップに招待されることになったのです。と言っても元々お声のかかっていたビルが講義で行けず、代わりに現在渡りに関することをやっていないとは言えない(?)、自分に白羽の矢が立ったという顛末です。ビルに「これまでの研究で渡りに関するものをリストアップして伝えては?」と言われましたが、渡りに関するもの・・・ありませんね。。。もっとも企画者の一人とは、お互いの論文を査読し合った(そしてどちらもその後受理となった)(ことを知っている)、という「良好」な関係であることも手伝って、喜んで受け入れてもらう運びとなりました。ワークショップの中心となるオランダ生態学研究所のグループとは以前から知り合いたいと思っていたので、いい機会となりそうで楽しみです。
先週からConservation Lectureと名付けられた大学院生のための講義も始まり、オープンな講義なので自分も潜り込むことにしました。各教授陣が順に担当し、今日は生態系サービスの話でした。浅く広めにという感じですが、新旧のキーとなる論文も紹介され、聞いていて損はなさそうです。広い階段教室に座る多くの学生は必死にノートを取っていて、何だか懐かしい気持ちにもなりました。
と、そんな感じの1月でしたが、気づけばもう月末ですね。最近ほんの少しずつですが、日が長くなり始めました。シャキッと目覚められる明るい朝が待ち遠しいものです。。